「まだ1回も負けていない」“聖地”で3戦全勝の鎌田大地、イングランド戦へ「怖がらずにやることが大事」

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2026年03月31日 07:02  サッカーキング

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日本代表MF鎌田大地
 日本代表にとって、FIFAワールドカップ最終登録メンバー発表前最後のテストマッチとなるイングランド戦。4月1日(水)日本時間3時45分〜、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われる。“聖地”と称される世界的なスタジアムには9万人の大観衆が集結すると言われており、日本にとっては完全アウェイに他ならない。

 だが、凄まじい熱気を熟知する男が、今の森保ジャパンには存在する。鎌田大地だ。2024年夏のクリスタル・パレス移籍以降、24−25シーズンのFAカップ準決勝アストン・ヴィラ戦、決勝のマンチェスター・シティ戦を連勝。いきなり聖地でビッグタイトルを獲得しているのだ。

 そして今季もコミュニティー・シールドでリヴァプールと激突。PK戦の末に勝ち切っており、ここまでウェンブリーで3戦全勝。「今まで3試合やってますけど、まだ1回も負けていない。クラブの時とはまた違った雰囲気ですけど、いつも通りプレーできると思います」と本人は自信を持って聖地決戦に向かう。

 スコットランド戦は後半33分から出場し、日本代表ではほぼ経験のないアンカーでプレー。2トップと4枚のアタッカーを後方からサポートし、黒子となって伊東純也の決勝弾を演出した。

「1ボランチをやってみて、割とボールを持てるようになっていましたし、オープンな展開だった。僕はアンカーだったので、バランスを取りながらチームとして前に人数をかけて勝ちに行こうと意識しました。ほぼぶっつけでしたけど、負けてる試合だったり、勝ちにいかないといけない試合では前に人数をかけたい。そういう面でいいテストができたんじゃないかと思います」と本人も一定の手応えを得た様子だ。

 しかしながら、イングランド戦は全く異なるゲーム。今回は佐野海舟とボランチを組むことが確実視されるが、スタートから守備強度を上げて、相手に主導権を握らせないようにしなければならない。相棒の佐野海舟も「やはり(ハリー・)ケイン選手が中心になってくると思いますし、サイドのドリブラーだったり、サイドバックの選手も流動的に動いてくると思う」と警戒心を募らせていたが、鎌田も「しっかり真ん中を締めながら、自分たちができるだけボールを保持できるように手助けをしたりだとか、チームのバランスを見ながらリスク管理の部分をやらないといけない」と強調。2人でいい距離感を保ちながら、プレミアリーグで磨き上げた守備力を押し出していくつもりだ。

 その上で、鎌田には攻撃面で“確固たる違い”を発揮してもらう必要がある。「自分はパレスでゴールとかアシストという目に見える部分でたくさん結果が出ているわけではないですけど、少なからず貢献できていると思います」と今季のパフォーマンスについてコメントしていたが、日本代表ではゴールもアシストもより積極的に関与していい環境にあるのだ。

 もちろん、今回はシャドーに堂安律と三笘薫、両ワイドに伊東純也と中村敬斗といった面々が陣取るだろうから、鎌田が前に出ていくチャンスは少ないかもしれない。それでも、鎌田には傑出した得点感覚とゴールをお膳立てする一瞬のひらめきがある。そういった能力は今のメンバーの中では誰よりも高い。その存在価値を慣れ親しんだ地で遺憾なく発揮して、イングランド初勝利の原動力になってほしい。

 右ハムストリング肉離れで約2カ月の離脱を強いられていた昨年末、鎌田は長友佑都、香川真司とともに神戸で自主トレを行った。香川は「大地は自分のこだわりが強いんで、リハビリもそうだし、プレースタイルもそうだし、人生もすごいマイペース。だけど、ピッチで積み上げてきたものが違うし、間違いなく今の代表のキーマン。しっかりやってくれると思います」と期待を込めていたが、彼ら先人たちの思いをしっかりと受け止めて、鎌田は自身2度目の大舞台に挑もうとしているのだ。

「(ベテランになっても)生き残れている選手は歳を取ってから調整するのではなくて、自分を常に追い込み続けて、努力しているんだなと感じた。自分自身もどれだけ長くやれるのかは分からないけど、第一線でやり続けたいなら、努力を続けていかないといけないんだなと痛感しました」と日本代表を長く担い続けてきた2人の姿から学んだことを生かし、鎌田は2カ月半後には最高の状態を作り上げる覚悟だ。

 イングランド戦でその大きな布石を打ってくれれば理想的。遠藤航、南野拓実、久保建英といった主力たちが揃って負傷離脱している今、ゲームをコントロールできるのはやはり鎌田だ。イングランドの前日会見に登場したエリオット・アンダーソンも、鎌田と三笘の名前を挙げて能力の高さを認めていた。その分、マークは厳しくなるかもしれないが、持ち前のサッカーIQの高さで巧みな駆け引きを見せ、相手の隙を突いたパス出しやシュートを見せつけるしかない。

「大舞台では思い切って一つ、いいプレーというか、自分が仕掛けたタイミングでいいことができると、一気に気持ち的にも楽になる。しっかり怖がらずにやることが大事かなと思います」。ウェンブリー決戦への心構えを説いた背番号15。日本の命運を左右するのは、やはり鎌田だ。彼の一挙手一投足から目が離せない。

取材・文=元川悦子

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