マグニチュード(提供:Dubai Racing Club)【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【タニノギムレット】
ナリタブライアン、マヤノトップガンなどと並ぶブライアンズタイム産駒の傑作で、現役時代に日本ダービーを制覇。皐月賞とNHKマイルCはいずれも3着と敗れましたが、前者は大外を回らされる距離ロスが大きく、後者は直線半ばで進路を塞がれる致命的な不利がありました。スムーズな競馬ができていたら……と惜しまれる内容でした。
父ブライアンズタイム、2代母タニノシーバードの2頭は、奇遇にも米ケンタッキー州ダービーダンファームで誕生しました。タニノギムレットは、グロースターク3×4、ローマン5×5というインブリードを持ちますが、この2頭はダービーダンファームに繋養された名種牡馬です。ブライアンズタイムの父ロベルト、タニノシーバードの父シーバード、グロースタークの父リボーも同様です。
ダービーダンファームは、スピードよりもスタミナや底力を重視し、リボー、シーバードといったヨーロッパの歴史的名馬を輸入しました。タニノギムレットは、そうした血が骨格となっています。
代表産駒は、年度代表馬に二度選出された女傑ウオッカ。このクラスの名馬は他に出していませんが、ヒラボクロイヤル、スマイルジャック、クレスコグランド、ミッドサマーフェア、ハギノハイブリッドなど多くの重賞勝ち馬を出しました。芝向きで、新潟外回りや東京など、直線の長いコースで本領を発揮しました。父ブライアンズタイムとはあまり似ていません。
母の父としてはテンハッピーローズ、パフォーマプロミス、ブレスジャーニー、オーヴェルニュ、ララクリスティーヌなど、芝・ダートを問わず重賞勝ち馬が出ています。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「ドバイWCを勝ったマグニチュードは何者?」
フォーエバーヤングより1歳下の4歳牡馬で、これまでの戦績は米G2を2勝、米G3を1勝。G1では2、3着はあるものの勝ったことはありませんでした。海外初遠征でビッグタイトルを手にしました。
父ノットディスタイムは昨年の北米種牡馬ランキング第2位。2026年の種付け料25万ドルは、イントゥミスチーフ、ガンランナーと並んで北米ナンバーワン。7年連続リーディングサイアーの座にあるイントゥミスチーフよりも9歳下なので、次代のアメリカ生産界の中心的存在となるのは間違いないでしょう。
母の父バーナーディニは、母方に入って素晴らしい実績を残しており、フィアースネス(米最優秀2歳牡馬、米G1を4勝)、ソヴリンティ(米二冠)、ジャーナリズム(ベルモントSなど米G1を3勝)、イマーシブ(米最優秀2歳牝馬)、マックスフィールド(米G1を2勝)、ナイソス(BCダートマイル)、ジャンタルマンタル(安田記念などGIを4勝)など多くのGI馬に含まれています。ドバイWCと同じ日にアメリカで行われたアーカンソーダービー(G1・ダ9ハロン)の優勝馬レネゲイドも2代母の父がバーナーディニです。
マグニチュードはアメリカ血統の最新トレンド、といった配合構成で、いずれ種牡馬となった際に高く評価されるのではないかと思います。