
国公賓に次ぐ公式実務訪問賓客として来日した、フランスのマクロン大統領夫妻の接遇のご準備に臨まれている天皇陛下と雅子さま。
4月は福島県ご訪問、春の園遊会とご多忙を極める時期だ。いっぽう政界も、令和8年度予算を巡る攻防が佳境を迎えている。
「衆院を通過した令和8年度の予算案は年度をまたいで審議が続いています。ただ具体的なめどは立っていませんが、少なくとも4月中旬までには成立するとみられています。そして4月15日からは、皇族数の確保策を巡る議論が再開する見通しです」(全国紙政治部記者)
女性皇族たちは、結婚後の自分たちの将来設計が描けず、そして現行の皇室典範のままでは、皇族が減っていくことに歯止めがかからない――。
だが高市政権発足後も、皇室が直面する危機の解決は先送りされてきた。状況の打開に向けてようやく政治が動き出したが、自民党内にはある“策動”があると、前出の政治部記者は続ける。
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「高市早苗首相も政治的な“遺産”になると、皇室典範の改正に前のめりです。3月に入り、自民党内で皇族数確保策を巡る議論をリードしてきた麻生太郎副総裁が小林鷹之政調会長と、森英介議長のもとを極秘裏に訪れ、与野党協議の早期開催を求めています。この動きは、官邸や党幹部が与党側の主張で押し切ると腹を固めたからだとみられています」
与野党で議論することが合意された「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ」案と、「旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える」案の2つが、改正の主な軸となっている。これまでの議論では、自民党や中道改革連合の前身・立憲民主党との間で、隔たりが埋まらずにいた。
皇室担当記者によれば、いま宮内庁内には次のような懸念が広がっているという。
「立憲側の立場を引き継ぐはずの中道は2月の衆院選で大敗。合流した旧公明党とは、2案に対する見解が異なるうえ、現在も統一的な立場が示せていません。
自民党や連立を組む日本維新の会は、養子縁組案を優先して進めることを主張。また女性皇族が結婚した夫とその子を皇族とは認めない、という方針も示しており、この点については憲法上の問題を含めて、さまざまな角度から批判が集まっています。
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議論の“行司役”となる森議長は、麻生氏の古くからの側近です。この状況に乗じて、自民党が強引に結論を出す懸念の高まりから、宮内庁内には不安を訴える声が広がっているのです」
与党案での皇室典範改正がなされる場合、どの旧宮家が対象となるのだろうか。
■旧宮家4家のうち注目集める賀陽家
戦後の1947年、皇籍を離脱した旧11宮家のうち、久邇家、東久邇家、賀陽家、竹田家の4家に、未婚の男系男子がいると、昨年4月の与野党協議で示されている。
「4家に養子の候補となる未婚の男性がいることが国会の議論で明示されたのは初めてでした。さらに、11宮家の皇籍離脱前の皇位継承順位が最も高いとされたのが賀陽恒憲氏だったこともあり、旧宮家の中でも賀陽家が“皇室に近い”として、動向が報じられてきたのです」(宮内庁関係者)
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皇室の近現代史に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんはこう話す。
「特に賀陽家が注目された背景には、現在当主を務める賀陽正憲氏の2人の子息の存在が大きいといえます。1996年生まれの長男、1998年生まれの次男は、ともに早稲田大学を卒業、2人とも現在は会社員だと聞いています。2001年生まれの愛子さまよりもいくつか年齢は上ですが、同世代にあたり、かねて注目を集めてきたのです」
当主の正憲氏は、天皇陛下と学習院初等科以来のご学友だ。
信託銀行勤務を経て、2000年に宮内庁に転職。その後は外務省に出向し、在デンマーク大使館勤務などを経て、同省に在籍していた。前出の宮内庁関係者は、正憲氏の近況についてこう明かす。
「外務省を退職後の現在は旧華族の親睦団体・霞会館に週に一度程度足を運んでいるそうです」
霞会館とは、戦前の華族会館を前身とし、戦後華族制度が廃止されて以降も、華族に列した家の交流の場となっている組織だ。
「現在は一般社団法人となり、旧華族の家の当主と直系の息子を会員とする社交クラブとなっています。皇族も名誉会員となっており、新年に交流する慣例があったほか、会員には天皇家や皇族と姻戚関係を持つ家もあり、日常的に皇室と接している方々がいる団体といえます」(前出・小田部さん)
■ご旧友の周囲には保守派の影が……
前出の皇室担当記者によれば、霞会館の会員は、皇室を守るという意識が強い“旧華族の砦”のような存在だという。
「昔から“藩屏”ともいわれますが、皇室を支え、守るという意識が強い会員が多い印象があります。天皇皇后両陛下が2年前に150周年式典に参列されていますが、皇室の方々とメンバーとの交流が続いてきました。
しかし多くの会員は、日常的に霞会館に出入りしてはいません。記念式典にもいらっしゃらない方もおり、旧公家の方々が列する『堂上会』の会員も、そういった関わり方だったと聞いています。
現在は、昭和天皇の孫に当たり、東久邇家出身の壬生基博さん(76)が代表理事を務めています。定期的に足を運んでいる正憲さんが、将来的に代表理事の職に就くのではないかという声も聞きます」
本誌は正憲氏に取材を申し入れるため、霞会館に電話で問い合わせた。すると担当者は、
「いつ来るかは、こちらではわかりません。もともと会員でいらっしゃって(霞会館内の)委員にはなっていらっしゃいますが、(職員として)勤務しているわけではないです」
と答えた。職員ではないが、足しげく通っている様子が窺える。
皇室を支える組織であるとはいえ、正憲氏が関係を深めている状況に、両陛下は複雑なお気持ちを抱かれていると、前出の宮内庁関係者は指摘する。
「宮内庁に転じた当時、両陛下の将来の侍従候補と期待されていました。しかし当時皇太子だった陛下が、“旧友を部下にできない”と固辞されたと伝わっています。
その背景には“職場内での言動が陛下のお怒りを買われた”“雅子さまが正憲氏の着任を忌避された”という経緯があったといわれています。“人格否定発言”を除いて、陛下がお怒りを見せたという話は聞いたことはなく、職員も何があったのか首をかしげていました」
陛下との因縁があるといわれてきた正憲氏。霞会館への参画を通じて、皇室に再び接近していることに雅子さまも悩まれているのではないかと、前出の宮内庁関係者は続けて話す。
「正憲氏は外務省退職後、以前より人柄も丸くなったという評判を聞きます。しかし一方で、男系男子による皇統の堅持を掲げる保守派の学者と親しく交流しているという話も囁かれており、それを危ぶむ宮内庁職員もいます。
なぜなら、保守派の政治家や学識者の中には、“愛子さまと旧宮家の男系男子の結婚”というシナリオの実現を目指す動きもあるからです。そしてその有力候補は、正憲氏のお2人の子息だと目されてきました。2023年には愛子さまとの“お見合い”報道があり、最近も一部メディアが“愛子さまのお相手は賀陽家の子息がふさわしいのではないか”と報じています。
しかし両陛下は愛子さまに、“将来の結婚相手と幸せに出会い、人々からの祝福を受けてもらいたい”と心から願われています。“政略婚”ともいえる動きには、断固反対されると思います」
陛下のご旧友を軸に、いっそう広がりかねない保守派の蠢動。雅子さまのご憂慮が深まらないことを祈るばかりだ。
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