JFAの女子ナショナルチームダイレクターを務める佐々木則夫氏 [写真]=菅野剛史 日本サッカー協会(JFA)は2日、なでしこジャパンのニルス・ニールセン監督が契約満了により退任することを発表した。会見にはJFAの宮本恒靖会長、佐々木則夫女子ナショナルチームダイレクターも出席し、ニールセン監督との契約が満了に至った理由を説明した。
デンマーク出身のニールセン監督は2024年12月12日、なでしこジャパン史上初の外国人監督として招へいされ、翌年2月に行われた2025 SheBelieves Cupでチームを優勝へ導いただけでなく、今年3月に行われたAFC女子アジアカップオーストラリア2026でも、なでしこジャパンの2大会ぶり3度目の“アジア制覇”に貢献していた。
ところが、3月29日のJFA臨時理事会で契約延長を行わないことが正式に決定された。宮本会長は決断理由について、「ニルス監督は外国人で初のなでしこの監督ということで、新しいアプローチ・チャレンジとして、色んな新しい空気も生まれたと思っています」としつつも、「昨年1年間の戦いぶりであったり、先週の日曜日に発表したJFAの成長戦略における女子戦略の根幹となっている、主要な国際大会で優勝することを考え、色んな総合的な判断をして今回の決議に至りました」と明かす。
また、3月30日の女子ナショナルチームダイレクター就任以前は女子委員長として、チームをそばで見守ってきた佐々木氏は、「約1年少しの期間、ニルス監督が率いるなでしこジャパンの活動を見てきました。SheBelieves Cupでいきなり優勝を飾り、今回のアジアカップでも優勝ということで、成果という点から見ますと、みなさんは『なぜ?』というお気持ちになったり、『どうしたの?来年にワールドカップがあるのに』と思われることもあるかと思います」と口にする。「この1年間、一緒に活動をしていく中で、人間として非常に素晴らしい方で、僕自身も性格は大好きです」とした一方で、FIFA女子ワールドカップブラジル2027で優勝を狙うことから逆算した時に、思うことがあったという。
「サッカーに対する指導が少しぬるいというか、甘いというか、もっともっと突き詰めたトレーニング、アプローチ等々も必要な要素だと考えていました。彼も、僕自身がワールドカップで優勝をした監督としてリスペクトをしてくださり、話を聞いていただく機会や、アドバイスを求められる状況もありました」
そして、ニールセン元監督自身も、「コーチとして、修正できるところと、できないところがあったという現状がある」と佐々木氏。なでしこジャパンは2025年11月29日にMS&ADカップ2025でカナダ代表と、同12月2日には同じくカナダ代表との2連戦に臨んでいたが、この期間からは「狩野(倫久)コーチ主導で活動し、もっともっと深く監督をサポートしてくれというような状況に変わっていました」とのことだ。
狩野コーチが主導するなかで、なでしこジャパンはAFC女子アジアカップオーストラリア2026で優勝を果たしたが、佐々木氏は「選手たちのパフォーマンス、戦術的な要素、チームビルディング等々が非常に変化してきた」ことを感じていたという。「これらの事実を踏まえた中で、ニルス監督がなでしこジャパンにどのようなものをプラスアルファでもたらしてくれるかというなか、本人とも話をした中で、ワールドカップに向けての情熱や力量といったものが少し足りないということで、決断をしました」と説明した。
理事会での決議を経て、佐々木氏はデンマークへ飛び、ニールセン元監督と直接話をする場を設けたという。「今回、(ニールセン監督との)契約は3月末まででしたので、本人も『そういう状況であれば、分かりました』ということで、3月末をもって満期ということになりました」と語った。
なでしこジャパンは4月にアメリカ合衆国への遠征に臨むが、同試合は狩野コーチが暫定的に指揮を執る模様だ。一方で、後任監督の招へいにも動いており、宮本会長は現時点では「様々手続きが必要になっていますので、ここで皆さんにお伝えすることはできません」と口にしたが、「既に着手をしているということをお伝えしたい」と宣言。近日中にJFAを通して発表される見通しだ。
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