宇野昌磨インタビュー アイスショー『Ice Brave』の今後を語る ターニングポイントはいつだったのか

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2026年04月10日 15:30  webスポルティーバ

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 4月4日、東京。ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で、宇野昌磨(28歳)は劇場版『Ice Brave 新横浜 Special Edition』の舞台挨拶を終えた後、バックヤードで報道陣のインタビューを代わるがわるに受けていた。

「前日から数えてインタビューは8件目。疲れてきました」

 正直に言うところが、彼らしい。しかし肌は艶があって、双眸も輝いて、表情は充実していた。身のこなしは美しく、色気がほのかに漂うほどだった。そしてインタビューとなると、彼は少しも目線を外さない。アイスショー『Ice Brave』を成功させるため、どれだけの人間が動いているのか、を心得ているのだろう。口では愚痴っても、彼なりのプロフェッショナリズムがあるのだ。

 舞台では、『Ice Brave』第3弾となる『Ice Brave -A TURNING SEASON-』が7月からスタートすることも発表されていた。2025年3月にプロデュースが発表されて以来、わずか1年でそこまで駆け抜けている。相当な熱量がなかったら、なし得ないことだ。 

 宇野にとって『Ice Brave』とは何か。家族未満、仲間以上というチームが作られるようになった"歴史"に迫った――。 

――2025年3月、宇野さんが『Ice Brave』のプロデュースをすることが発表されました。わずか1年で第3弾の公演が発表されたわけですが、驚くようなスピード感です。 

「たしかに。それがびっくりですよね。ちょうど1年くらい。当時を振り返ると、どんな心境だったかを考えると......(ミラノ・コルティナ五輪で戦った)みんなもオリンピックシーズンを経験してきたと思うんですけど、この1年間は自分にとっても濃いシーズンだったなって思いますね」

――1年前、プロデュースを発表した自分にタイムマシンで会うことができたら、なんと伝えますか? 新たな試みが、これだけ成功を収めたわけですから。 

「えー、なんて伝えますかね。でも、仮に伝えに行ったとして、何かを伝えられても、1年前の僕はイラっとするだけだと思います(笑)。だって、当時の自分はまだ成功体験を得ていないわけですから。もし、自分が後悔する選択をしていたら、過去に戻って何かしたい、とかあると思うんですけどね。失敗はありましたけど、後悔する選択はほとんどないので」

――初めての座長で、手探りの部分もあったはずです。それが第1弾から第2弾、新横浜 Special Editionと続けてきて、"ずっと続けたい"というまでになったところ、点が線になってきたと思うんですが、ターニングポイントはありましたか? 

「第1弾になる『Ice Brave』を作る前は、正直を言えば、"ずっと同じメンバーでやりたい"とは思っていなかったんです。もちろん、いいメンバーだと思って集まってもらったんですけど、増員もあれば、メンバーチェンジも選択肢にあって。第1弾をやって、公演を続けながら......」

――第1弾が愛知、福岡、新潟、第2弾が京都、東京、山梨、島根、宮城、そしてSpecial Editionとして新横浜と各都市をまわってきたわけですが、どこかメンバーと心がつながるようなタイミングがあったんですか? たとえば、リンクでチームワークを感じたり、何気ない打ち上げで笑い合える風景があったり......。

「いつなんだろう......気付けば、このメンバーでやりたい、になったんですけど、時期的にはそれほど早い段階でなくて...僕自身が他の人に『メンバーを替えた方がいいよ』って言われたとしても、『いや、このメンバーで行きたい』とまで思うようになったのは、『Ice Brave2』の途中、いや、2の始まる前後だったかもしれません」 

【プロデューサーという立場】 

――宇野さんは今回、プロデューサーという座長の立場になったわけで、リーダーシップのようなものが求められ、周りを引き立て、引き上げることも必要だったと思いますが、自分の良さを削っても、周りの良さを1.5倍くらいに引き上げ、それによってショー全体が華やぐ、という目論見もあったのでしょうか?

「いや、それはどうなんでしょうね。みんなのパフォーマンスも、自分のパフォーマンスも、どちらもよりよいものになるように、というのが大前提だったんで。たしかに第1弾のときは結構、みんなを評価するようなこともしていたんですよ。このスケーターはこういうのが得意、苦手で、このスケーターはこれがうまい、とか考えていたんです。だけど、第2弾のときは、そういうことを考える以上に、みんなの熱量を重要視し始めましたね。それは自分が、"熱量を重要視したい"と思ったんじゃなくて、単純に自分の中の熱量が高まって、みんなの熱量も高まって、"Ice Braveが楽しい"という感情がすごく出てきたんです。それは、最初のターニングポイントの質問にもつながっているかもしれません」

――メンバーの増減の話のところですね。

 「初めはそういう目で見ていたんですけど、"このメンバーでやりたい、このメンバーをうまくしたい"って思うようになって。このショーをきっかけにうまくなって欲しいけど、このショーに囚われてほしくないとも思っていて、別に今も囚われてほしいとは思わないんですけど。僕が勝手に『これがIce Braveのメンバーだ』って脳内で固定しているんです」 

――家族ですか? 

「家族...はちょっと言い過ぎかもしれないです(笑)。だけど、チームメンバーがひとつになって...それが名だたる高校の一軍メンバー選抜ではなくても、それから見れば弱くても少数精鋭メンバーで甲子園に行きたい!っていうか...すいません、僕が今、『ダイヤのA』(野球漫画)のアニメを観ているから(笑)」

中編につづく

【プロフィール】
宇野昌磨 うの・しょうま/プロフィギュアスケーター。1997年12月17日、愛知県生まれ。主な成績は全日本選手権優勝6度、世界選手権連覇、2018年平昌五輪銀メダル、2022年北京五輪銅メダルなど。2024年に現役引退し、現在はアイスショー出演などプロスケーターとして活躍している。今年、2025年に初めてプロデュースしたアイスショー『Ice Brave』が映画化。7月31日より開催される、第3弾『Ice Brave -A TURNING SEASON-』が発表された。

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