オンワードHD、海外事業が11期ぶりに黒字化を達成 グローバル構造改革が結実

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2026年04月10日 18:11  Fashionsnap.com

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  オンワードホールディングス(以下、オンワードHD)が、2026年2月期(2025年3月〜2026年2月)の通期決算で海外事業が2015年2月期以来11期ぶりとなる営業黒字化を達成したと発表した。ヨーロッパ事業、アメリカ事業、アジア事業の合計営業損益が2億円の黒字(前期は1億円の赤字)となり、同社の保元道宣社長は「2019年2月期から実施してきたグローバル構造改革の節目となった」と話す。

 内訳を見ると、ヨーロッパ事業、アジア事業ともに1億円の営業黒字を計上。アメリカ事業は4700万円の営業赤字となり、黒字転換には至らなかったものの、前期の3億円の赤字から大幅に改善した。2027年2月期通期の海外事業全体の見通しは売上高が同17.4%増の242億円で、営業利益が同39.1%増の4億円。アメリカ事業も黒字化を見込んでおり、全エリアでの営業黒字化を計画している。
◆26年2月期は増収増益、中期経営計画の目標を1年前倒しでクリア
 2026年2月期は、売上高が前期比13.6%増の2368億円、営業利益が同14.3%増の116億円、当期純利益が同18.5%増の101億円で着地。「23区」「アンフィーロ(UNFILO)」「KASHIYAMA」「ウィゴー(WEGO)」といった戦略強化ブランドが好調で全段階で増収増益を達成し、「2026年度(2027年2月期)で当期純利益100億円」という中期経営計画の目標を1年前倒しで達成した。
 ブランド別売上高では、特にデジタル戦略が奏功したアンフィーロが前期比35.5%増、郊外型SCへの新規出店が寄与したカシヤマが同33.3%増、ダンス・バレエ向けコスメの「チャコット・コスメティクス(Chacott COSMETICS)」が同22.0%増と、いずれも高い伸びを示した。そのほか、ウィゴーは連結前を含む2024年3月〜2025年2月との比較で7.5%増、基幹ブランドの23区も前期比5.0%増と堅調に推移した。
 販路別では、百貨店が前期比2.2%の減収となった一方、ショッピングセンター等が同29.3%増、EC販路が同12.4%増と大幅に伸長。ECでは、特に他社ECプラットフォーム経由の売り上げが同30.7%増と自社EC(同8.2%増)を上回る伸びを見せた。
 また、今期で2021年度から始まった中長期経営ヴィジョン「ONWARD VISION 2030」の前半5年が終了した。スタート前年の2020年度と比較すると、顧客における20〜30代の割合が約25%から約40%へと大幅に拡大。販売チャネル別では、売り上げにおける百貨店の構成割合が約5%縮小し、ショッピングセンターやファッションビルなどが該当する「直営店等」の割合が10%以上高まった。「ONWARD VISION 2030」では2030年度で各事業の営業利益率8%を目標に掲げており、現時点でウェルネスとユニフォーム事業などを手掛けるコーポレートデザインの領域では達成しているものの、ファッション領域では届いていない。強化ブランドを明確にし、「選択と集中」を行うことによって利益率を高めることが今後の課題になるとしている。
◆不透明な中東情勢、冬物の値上げも視野に
 2027年2月期(2026年度)の通期予想は、売上高が前期比4.3%増の2470億円、営業利益が同10.3%増の128億円、当期純利益が同10.9%増の112億円と、引き続き全段階での増収増益を見込む。成長戦略の柱として、ファッション領域の5事業(23区、J.PRESS、カシヤマ、アンフィーロ、ウィゴー)と、ウェルネス領域の3事業(コスメ、ギフト、IP・ペット)、コーポレートデザイン領域に経営資源を集中する方針だ。
 現在、中東地域ではイスラエル・パレスチナ間の紛争に加え、イランを巡る軍事的な緊張が続いており、世界的な物流コストの上昇や原油価格への波及が懸念されている。これについて保元社長は「現在のところ影響はほとんど出ていない」としながらも、「もしこの状況が長く続くようなら値上げも視野に入れなければならない。具体的には(値上げがあるとすれば)冬物からになるだろう」と話した。

■オンワードHD 2026年2月期通期売上高:2368億円(前期比13.6%増)営業利益:116億円(同14.3%増)当期純利益:101億円(同18.5%増) 村田太一 (Taichi Murata) 群馬県出身。男子校時代の恩師の影響で大学では教員免許を取得するも、ファッション業界への憧れを捨てきれず上京。2021年にレコオーランドに入社。主にビジネスとメンズファッションの領域で記事執筆を担当する。幼少期、地元の少年野球チームで柄にもなくキャプテンを任せられた経歴を持ち、今もプロ野球やWBCを現地観戦するほどの野球ファン。実家が伊香保温泉の近くという縁から、温泉巡りが趣味。

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