
小田原ドラゴン(おだわら・どらごん) 1970年生まれ、兵庫県出身。『僕はスノーボードに行きたいのか?』でヤンマガ月間新人漫画賞奨励賞を受賞。『コギャル寿司』で第47回文藝春秋漫画賞受賞。代表作に『おやすみなさい。』『チェリーナイツ』『ぼくと三本足のちょんぴー』『今夜は車内でおやすみなさい。』など。週プレNEWSオリジナル漫画『堀田エボリューション』のデジタルコミック第1〜2巻発売中
2024年9月、集英社「週プレNEWS」で連載が始まった小田原ドラゴンの新作漫画『堀田エボリューション』。フィクション作品としては実に9年ぶりとなる待望の新作です。では、この奇才・小田原ドラゴンは、どのような歩みを経て『堀田エボリューション』にたどり着いたのか――。その創作の舞台裏をじっくり紐解いていきます。
連載第34回は、つげ義春とラジオ出演について語ります。
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享年88歳。漫画家のつげ義春が亡くなりました。
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寂しい、という気持ち以上に、「つげ義春のいない世界に、自分が初めて生きている」という感覚が強くあります。これまで漫画家としての自分がどれだけその存在に安心していたのか、今になって思い知らされました。
僕が初めて作品に触れたのは、小学5年生の頃です。歯医者の待合室で読んだ『リアリズムの宿』に、「日本にこんな漫画があるのか」「こういう漫画でもいいんだ」と衝撃を受けました。それ以来、歯医者へ行くのが楽しみになりました。
高校生になると、『ねじ式』などを自分で買うようになりましたね。
影響については......どうでしょうか。正直、自分ではよくわかりません。ただ、僕の代表作である『おやすみなさい。』や『チェリーナイツ』『今夜は車内でおやすみなさい。』に漂う、どこか物悲しく、シュールで、冴えない日常を淡々と描く空気や、旅情のようなものには、つげ義春の『無能の人』や旅もの作品の影響を感じる、という声は昔から耳にしますね。
『おやすみなさい。』(講談社)
『チェリーナイツ』(講談社)
『今夜は車内でおやすみなさい。』(講談社)
SNSでは多くの漫画家がその死を悼んでいて、それが少し意外でした。みんなやっぱり好きだったんだな、と。商業誌の連載でつげ義春のような作風をやるのは難しく、編集部のチェックも入るでしょうし、なおさらそう感じます。
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最近、TOKYO FMに出演しました。番組は「TOKYO SPEAKEASY」。3月26日の放送回です。クロちゃん(安田大サーカス)と1時間ほど、婚活や恋愛の話から、ライターで盟友の故・石川キンテツの話まで、いろいろと話しました。
そのキンテツについては、今回もまた、僕を裏で罵倒していたという新証言が出てきまして。タイミングがあれば、ここで書こうと思います。キンテツは死んでなお存在感が強くなっている気がしますね(笑)。
ちなみに、僕はオンエアを聴いていません。理由は......恥ずかしいからです。
《つづく》
『堀田エボリューション』(©小田原ドラゴン/集英社)デジタルコミック第2巻
撮影/山本佳吾
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