
都営バスは運転士不足により3月末をもって深夜に運行する全6路線を休止。土休日を中心に運行規模も縮小することを発表し、バスを利用する都民から悲しみの声が上がった。
「本場なんてどうでもいいんだろうね」の声も
バスの運転士不足は、意外な業界にも影響を与えている。都営バスに無料送迎バスの大半を委託していた東京・江戸川区にあるボートレース江戸川は、4月1日から大幅に減便することを発表した。
《全国的なバスの運転手不足の影響により、都営新宿線「船堀駅」・JR総武線「平井駅」とボートレース江戸川との間で運行しておりました「無料送迎バス」について、従来通りの便数での送迎が困難となりました。そのため、2026年4月1日より、無料送迎バスを大幅に減便せざるを得ない状況となりましたのでお知らせ申し上げます》
JR平井駅から運行する無料送迎バスはレースが行われる日は運行するものの、場外発売(他レース場の舟券を発売)のみの日は終日廃止になった。
ほかにも岡山県倉敷市にあるボートレース児島は倉敷便・金光新倉敷便・天満屋便の無料送迎バスを廃止し、最寄り駅であるJR児島駅発着のみに変更。福岡県芦屋町にあるボートレース芦屋も古賀線、直方線が同じく3月末をもって運行が終了。
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兵庫県尼崎市にある園田競馬場も阪神・JR尼崎線便が廃止され、最寄り駅である阪急電鉄園田駅発着便のみとなった。
群馬県前橋市にある前橋競輪はJR前橋駅便と新前橋駅便。場外車券売り場の館林レボリューションドームに行くための館林駅便・栗橋駅便がすべて廃止に。
場外車券売り場のバス廃止は公式サイトで発表されているものの、前橋競輪のバス廃止に関しては特にアナウンスがなく、アクセスのページ欄で路線バスの時刻表をひっそり掲載している状態のため、廃止になったことを知らないファンも多そうだ。
相次ぐ公営競技の無料送迎バスの廃止や減便に、SNSではさまざまな声が。
《運転士不足のあおりか。定期運行は無理でも、かき入れ時だけでも臨時便を出してもらえたら嬉しいですね》
《もう本場(レース場の集客)なんてどうでもいいんだろうね》
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近年、公営競技の売り上げの多くはネット投票が占めているだけに、実際にレース場に足を運ぶ客を軽視しているのでは? という意見もあった。
一部無料送迎バスを廃止した理由を、昨年12月にリニューアルしファミリー層向けの施設も増設したボートレース児島に話を聞いた。
売り上げは好調も現地は閑散としているレース場も
「(廃止した路線の)利用者数の減少により、採算が取れなくなったためです。近年、ファミリー層向けのフロアや施設を増やしていることで、車で来場される方が増えていることも大きいですね。こちら側の判断のため、運転士不足が原因ではありません」 (担当者)
SGやG1など大きなレースで廃止した路線の臨時便を出す予定があるか? という質問には、
「状況にもよりますが、現状では増やす予定はありません。G1開催時などは、児島駅周辺などに臨時の駐車場などを借りて対応しております」(担当者)
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2025年度の売り上げはボートレースが前年の105.6%増となる、2兆6658億3216万4300円。競輪は116.6%増となる1兆5487億8116万3200円と絶好調。
競輪やオートレースの売り上げ増の背景には、購入額に応じたポイントバックやプレゼントキャンペーンを乱立していた民間企業が運営する投票サイトの台頭が大きい。
しかし今年2月に政府が定める「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」に基づき、ギャンブル依存症対策推進会議において「広告・宣伝指針」が改定されたことで、キャンペーンが制限されることになった。
「民間投票サイトに頼っていた競輪や、高額購入者向けの特別会員制度を導入していた一部ボートレース場は早くも売り上げに影響が出始めていると聞きます。
また東京や大阪のボート場は大きなレース以外でも若いファンの姿も目立つものの、競輪場や地方のボート場は若い客は皆無に等しい。売り上げが好調な今は、多少採算取れなくても新規ファンをレース場に呼び込むために無料送迎バスは続けた方がいいと思うのですが……」(公営競技サイトの記者)
売り上げは好調でもレース場はガラガラ……という状態になる日も近いかもしれない。
