熊本地震の前震から10年がたち、土地区画整理が進む熊本県益城町中心部=14日午前(小型無人機で撮影) 熊本地震の前震から10年となった14日、本震と合わせ2度の震度7に襲われた熊本県益城町では町職員ら約40人が犠牲者の冥福を祈った。午前8時半の始業前、西村博則町長や町職員らは町役場近くの献花台に黙とうし、白い花を手向けた。
献花後、報道陣の取材に応じた西村町長は「地震の教訓を伝えること、地震前より元気なまちをつくることを誓った」と述べた。その上で「まだ生活再建ができていない方もいるので、最後の一人まで寄り添って支援する」と力を込めた。
一般献花に訪れた古田学さん(79)と妻の妙さん(79)は、地震で自宅が全壊。避難生活後、7年ほど仮住まいを余儀なくされた。学さんは「あっという間だった」と10年を振り返り、災害時に大切なことは「人と人のつながりだ」と訴えた。
前震による住家の倒壊に巻き込まれ親戚が亡くなった中山美香さん(46)は、長男遥暉さん(19)、長女穂乃佳さん(18)と祈りをささげた。当時小学4年生だった遥暉さんは保育士を目指しているといい、「地震を知らない子どもたちに(自分の経験を)伝えたい」と語った。
地震で自宅が全壊した萱野保代さん(80)は「10年たつが忘れてはいけない。自然災害に強い新たなまちをつくっていかなければならない」と話した。
益城町では、災害関連死を含め計45人が亡くなった。町によると、地震で町内の家屋98%が被害を受けた。全半壊した住家は計6259棟に上り、最大約1万6000人が避難所に身を寄せた。
被災した町公共施設は昨年3月末にすべて復旧。地震で倒壊した家屋などが道をふさぎ、避難や救助活動に支障が出た県道熊本高森線は今年3月、約3.8キロの4車線化工事が終わり開通した。災害に強いまちづくりの一環で、県が同町で進める約28ヘクタールの土地区画整理事業は28年3月の完了を予定している。

熊本地震の前震から10年がたち、黙とうする熊本県益城町の西村博則町長(前列左端)ら=14日午前、同町

熊本地震の前震から10年がたち、献花台で手を合わせる古田学さん(左)と妻の妙さん。自宅が全壊したという=14日午前、熊本県益城町