
親にとっては何気ない一言でも、子どもの心には一生消えない不信感を植え付けることがある。それが妊娠や出産、中絶といった重いテーマであれば、なおさらだ。
投稿を寄せた大阪府の60代女性の母親は、5回中絶していたという。つまり女性には、この世に生まれてこなかった兄弟が5人いることになる。
女性がまだ小学校低学年だった頃、その母親から自身の出生にまつわる衝撃的な事実をあっけらかんと告げられた。(文:篠原みつき)
「あんたを妊娠した時、何か女の子のような気がしてん」
まだ幼い女性に対し、母親はこう言い放った。
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「お兄ちゃんを産んだ後、1人堕ろしてるねんな。あんたを妊娠した時、何か女の子のような気がしてん、だから産んでやってん」
当時の女性は「ああ、産んでもらえてラッキー」と思ったそう。同時に、
「もし女の子と思ってなくて堕ろされてたら、私はこの世に居なかったんだなと思うとゾワゾワしました」
と振り返る。の勘一つで自分の命が左右されていたと知り、女性は強い不安を覚えたという。
水子の位牌には「拝みにも行かず埃をかぶっていた」
「大人になるにつれ、子供を簡単に堕胎していた母に嫌悪感を抱き、自分の勘だけで産んだり堕ろしたりしてた母が許せなくなりました」
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母親は水子の位牌を作っており、供養の気持ちはあったかもしれない。しかし女性によれば、これは「見せかけだけの位牌」で、「拝みにも行かず埃をかぶっていた」という。
見かねて「自分が生きてる間に、きちんと供養してあげるべきやと思う」と何度も忠告したが、母親に響くことはなかったようだ。こんな返事が返ってきたという。
「めんどくさいわ。私が死んだら、あんたが(水子の位牌を)一緒に墓に入れてくれたらええやん、年老いた親にようそんな事言うなー」
罪悪感のない言葉に、女性も失望したことだろう。母親は昨年亡くなったという。
女性は色々調べた結果、位牌を副葬品として一緒に火葬してもらったそうだ。漆塗りや金箔などが付いた位牌は火葬場で断られることが多いが、簡易的な白木の位牌だったのかもしれない。
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女性は最後に、母に向けた自身の率直な思いとして、「罪を償ってくれてる事を祈ります」と言葉を結んでいる。
