米連邦準備制度理事会(FRB)のシンボルマーク(AFP時事) 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は28、29両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、金融政策を協議する。米イスラエルとイランの紛争に伴う原油高でインフレ懸念が広がっていることを受け、3会合連続で利下げ見送りとなる公算が大きい。原油高が長引くとの警戒感がくすぶる中、FRBは様子見を貫き、物価動向など経済情勢を慎重に見極める方針だ。
紛争開始からまもなく2カ月。中東情勢を巡る不透明感による石油の供給不安から、米原油先物相場は1バレル=90ドルを超えて推移するなど高止まりが続く。全米自動車協会(AAA)によると、ガソリン価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり4ドル(約640円)に上る。車社会の米国で、ガソリン高が市民生活を直撃している。
ガソリン高騰などが響き、3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、伸びは前月(2.4%上昇)から急伸し、2024年5月以来の高水準を付けた。FRB高官は「インフレ加速とともに、経済活動への打撃となる大規模な供給ショックを引き起こし得る」と警戒。金融緩和に前向きな「ハト派」として知られるウォラー理事でさえも近い将来の利下げに慎重な構えだ。
パウエル議長は来月15日に議長の任期満了を迎える。司法省はFRB本部改修工事に絡むパウエル氏への刑事捜査終結を表明。捜査が壁となって滞っていたウォーシュ次期議長の承認手続きが前進し、次回6月のFOMCはウォーシュ氏が議長として臨む可能性が高まりつつある。
大胆な金融緩和を求めるトランプ大統領による議長指名を受けたウォーシュ氏が想定よりも早く議長に就任するとの期待を背景に、市場参加者の一部では6月の利下げ観測が再浮上。ただ、原油高が収まらず、「すぐに利下げする環境にはない」(エコノミスト)との見方が大勢を占める。