画像提供:マイナビニュース年金の「生涯受給額」を最大に増やす戦略があることをご存知だろうか? 一生を左右する「人生最後の賭け」は、年金受給のタイミングをいつにするか決めることと述べるのは、著者の服部貞昭氏。公的年金のあれこれについて徹底解説した書籍『i知れば知るほど得する年金の本』(三笠書房)から一部を抜粋してご紹介。
今回のテーマは『iDeCoの受け取り方は「一時金と年金」、どっちがお得?』。
○iDeCoの受け取り方は「一時金と年金」、どっちがお得?
iDeCoは受け取り方によっても、お得度が変わってきます。
受け取り方は、次の3種類です。
一時金として、一括で受け取る方法
年金として、分割して毎年受け取る方法
一時金と年金を組み合わせて受け取る方法
どれがお得かは、退職時にもらう退職金や、企業年金などによって変わってきます。
まず、退職するとき、会社から退職金や企業年金が支給されない、あるいは、支給されても少ない人は、一時金として受け取るほうがお得です。一時金として受け取った場合は、通常の所得とは別に、退職所得の扱いになり、別で税金が徴収されます(分離課税)。この際、退職所得控除を利用でき、税金負担が大幅に減るからです。
退職所得控除は次のように計算します。
会社から支給される退職金等とiDeCoの金額を合わせて退職所得控除額より少なければ、税金はまったくかかりません。また、退職所得控除額を超えたとしても、税金の計算をする前に、所得に2分の1をかけますので、税金が安くなります。
たとえば、60歳定年時の退職金が1000万円、勤続年数35年とします。このとき、退職所得控除額は1850万円です。もし、60歳時のiDeCoが800万円で、一時金で受け取るとします。退職金と合計すると1800万円ですが、退職所得控除額より少ないため、税金はまったくかかりません。
一方、iDeCo800万円を60歳から5年間、年金で受け取った場合は、毎年約5万2千円、合計で26万円の税金が発生してしまいます。
こんどは、退職金が多い場合を想定して、60歳定年時の退職金が2000万円で、その他の条件は同じとします。iDeCoを一時金で受け取る場合、退職金と合計すると2800万円ですが、退職所得控除額を大幅に超えてしまいます。その結果、発生する税金は、約100万8千円です。
一方、60歳から5年間、年金で受け取った場合は、一時金で受け取る退職金にかかる税金が約11万3千円、年金で受け取るiDeCoにかかる税金が5年間合計で26万円です。すべてを合計すると、約37万3千円です。退職金が多い場合は、iDeCoを年金で受け取ったほうがトータルの税金が安くなります。
今回は、わかりやすい想定で税金の合計をシミュレーションしましたが、実際には、退職金とiDeCoの金額、勤続年数、受け取る年齢などによって、どちらが有利かは異なります。また、65歳以降にiDeCoを年金で受け取る場合には、公的年金の受給も開始するため、年金にかかる税金が増えることも考慮する必要がああります。
簡易的にシミュレーションできるツールを提供していますので、ご自由にご利用ください。
【iDeCoの受け取り方 計算ツール】https://zeimo.jp/tools/72350
○『知れば知るほど得する年金の本』(服部貞昭/三笠書房)
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