杉田水脈氏「落選して地味にキツいのは、交通費なんです」 先の総選挙は自民圧勝に終わり、壊滅的敗北を喫した新党・中道改革連合を筆頭に、野党に大量の落選議員が生まれた。落ちれば「ただの人」どころか、無職となり生活に窮することも多い「元国会議員」の懐事情に迫る!
【自民党・元衆院議員 杉田水脈氏 59歳】
◆落選しても「私、何をしても食べていける!」
「大阪5区の公認と言われたときは、『えぇぇえー!?』って思いました。党本部には、事前にやんわりと伝えていたんですけどね……」
こう明かしたのは、維新の牙城・大阪で出馬した杉田水脈(みお)氏だ。高市旋風を前に維新候補は強く、自民候補が大量に当選するなか、涙をのんだ。
「街頭の反応は過去にないほどよかったんですが……。昨年の参院選、2月の衆院選と半年の間に2回も落選して、さすがに落ち込みました。最大の敗因は、大阪で維新と戦うことになったこと。公認が決まったのが公示のわずか5日前で知名度は低いし、態勢も整わない。応援弁士の予定もすでに決まっており、首相は私の選挙区には来られず、高市旋風は私には吹かなかった。大阪は維新が圧倒的に強いのに、国政選挙で大きな力となる自民党の地方議員が少ないのも痛手でしたね」
杉田氏を巡っては、アイヌ民族や性的マイノリティへの発言が「差別」との批判も多く、選挙期間中に「過激発言を封印」と報じられた。また、大阪5区には“暴走左翼”の異名を取るれいわの大石あきこ共同代表も立候補。自ら「きっついオバハン対決」と評して話題を呼んだ。
「選対幹部にも『小選挙区で勝つには、過激な言動は控えるように』と言われたけど、実はもう5年以上も炎上してないんですよ。ただ、選挙になるとマスコミに蒸し返される。世間はもちろん、選対幹部まで私を“暴言女王”のように見るけれど、昔の話。大石さんは放っておいても負けるので“アウト・オブ・眼中”でしたね。維新に全力をぶつけなければ勝てない選挙だったので、大石さん相手に使うエネルギーなんて初めから持ち合わせていませんでした」
◆執筆、講演、ネット番組で、政治資金を細々と稼ぐ
元職の杉田氏は、落選しても歳費など国費を失うわけではない。ただ、落選して政治活動を続けるには、経済的問題を避けて通れない。
「’14年に初めて落選して何もかも失い、自分のマネジメント会社を立ち上げて、講演と執筆で生活してました。このとき、『私、何をしても食べていける!』って妙な自信がついて(笑)、昨年の参院選前には月に25本も全国で講演できるほどに。当初ノーギャラのこともあったけど、多いときで40万円ほど頂けるようになった。落選中に著書も2冊出版したし、昔と違って今はネット番組やYouTubeもある。出演料は1万〜5万円ほどですが大事な収入源。ABEMAやReHacQにも自分で売り込んでます。自分のYouTubeチャンネルも少額ですが収益化できつつある。細々とした収入でも“塵も積もれば”でバカにならないんですよ」
言論活動にシフトしていた時期があるだけに生活には困っていないが、政治活動を続けるのは大変らしい。
「落選して一番大変なのは、国民健康保険料や年金保険料。議員歳費をもらっていたときの収入が基準になるので結構な額になるし、収入が途絶えた落選議員には大きな負担です。地味にキツいのが交通費。議員ならJRのパスが支給され、実質タダですから。参院選全国比例での復活を目指しているので、日本各地を回っていると月に30万円はかかる。生活には困ってないけれど、確定申告したら税金がえらい額で目がくらみました(苦笑)。でも、主人には頼りません。政治家を志してから、経済的にお世話になったことがないんです(笑)」
伝統的家族観を大事にする女性政治家は、意外にも新しい夫婦像を実践していた。
【自民党・元衆院議員 杉田水脈氏 59歳】
大阪5区 当選 3回 落選 3回
西宮市職員を経て、’12年に維新公認で衆院初当選。’17年、自民党に移り’21年に衆院3選。’22年、総務大臣政務官。次期参院選比例全国区の当選を目指し、精力的に活動
取材・文/齊藤武宏 取材/山本和幸 撮影/林紘輝
―[有名元議員たちの落選後]―