
先日、「スマートフォンよりPCでの文字入力が便利」という話題がXを駆け巡りました。スマホはいつでも手軽に入力できるメリットはあるものの、PCでキーボード入力した方が速いという意見や、文章全体を振り返る場合にはPCの方が良いという意見などがありました。
スマホとPCのどちらが入力しやすいか、それは何の文章をつづるかによるでしょう。PCの場合は報告書や論文などに向いていますが、スマホはチャットやメモなどに向いています。それは、姿勢を整えてデスクに座り、PCを両手で打つスタイルなのか、ベッドやソファに自由な姿勢で座り、スマホを片手でなぞるかという違いもあります。
振り返ると、スマホやPCが誕生する前は全て手書きでしたよね。私は先日、封筒の宛先を書く際に「久しぶりにきちんとした文字を書いているな」と少し新鮮な気持ちになりました。そこで、どれぐらいの人が手書きをしているのか調べてみました。
クロスマーケティング「手書きに関する調査(2025年)」によると、「手書きをすることはほとんどない」と答えた人は全体で20.6%で、20代が最も多いという結果になりました。
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手書きをするシーンを見ても、「日常のちょっとしたメモ、備忘録を書く」「手帳やカレンダーに予定を書く」というように、メモ程度にとどまっているようです。そして手書き率は年代が上がるほど、高くなっています。
手書きが減った要因の一つは、ワープロやPC、スマホなどのデジタル機器の登場です。ワープロの正式名称は「ワードプロセッサ」。文字通り「言葉を処理する装置」です。
今のPCのように何でもできるわけではなく、文章の作成や編集、印刷に特化した電子機器です。1978年9月26日に東芝が発表した「JW-10」は、世界初の日本語ワードプロセッサで、価格は630万円、重量220kgと現在とは何もかも桁違いですね。
1990年代の後半になると、Windowsの広がりとともに、ワープロはPCの中の一機能へと溶け込んでいきました。インターネットが身近になったことで、見つけた情報を「コピーアンドペースト」して使う形も当たり前になっていきます。メールが暮らしに浸透したのもこの頃で、文章を紙に刷ることなく、そのまま届けるようになりました。
そして、スマホの登場です。キーボードを使った入力ではなく、ディスプレイを指でなぞる方式で入力するようになりました。「予測変換」が表示され、全てキー入力しなくても文章が完成します。PCでも予測変換のおかげで入力文字数が削減できていますね。
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音声入力も進化しました。キーボードを打たなくても、話した音声を文字起こしすれば文章が完成します。メールやチャットだけでなく、長い文章の下書きも音声入力でカバーできるようになっています。
さらに最近は、生成AIに指示すれば、長い文章や資料が完成します。ますます文字入力の手間が軽減されてきています。
●手書きよりキーボード入力を望む子供達
そんな中、今どきの子供はどのように文字入力しているのでしょうか。私が2〜3歳の子供を持つ保護者の方から聞いた話では、YouTubeを視聴するとき、音声入力で「アンパンマン」など入力し、自分で見たい動画を検索しているとのこと。今の大人は音声入力を少し気恥ずかしいと感じる人も多いと思いますが、彼らが大きくなった頃には抵抗を感じない人が増えているのかもしれません。
また、PCでの文字入力も習得しています。GIGAスクール構想が2021年に本格始動したことで、PCでの文字入力を習得している子供が増え、小学校低学年でも4割を超えています。
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学習面については、「手で書いて覚える」ことも大切だという考え方もあります。しかし、子供は「文章を書くときは、キーボード入力がいい(43.8%)」と答える子供が多く、「手書きがいい(30.8%)」を上回りました。
一方の保護者は「文章を書くときは、手書きがいい」が57.3%で過半数です。(出典:博報堂教育財団こども研究所)デジタル機器の習熟が進む半面、保護者からは手書きのスキル向上や効果が不安視されている様子が分かります。
確かに、手書きの文字を書く機会が減ると、あまり上手に書けなくなることもあるかもしれません。Z世代への調査では、文字を手書きすることが少ない人ほど自分の字を嫌いになる傾向があるという結果が出ています。反対に、自分の字が好きな人は何かと手書きをするのかもしれません。
手書きの字には人それぞれにクセがあり、その人らしさが表れます。手書きが貴重になった今だからこそ、手書きの文字でメッセージをもらうと、うれしく感じる人が多いようです。
デジタルによる入力は編集ややりとりをスムーズにしてくれましたが、手書きの文字の温かみはかけがえのないものです。
スピードが求められる場面ではデジタルの力を借り、大切な誰かへ思いを届けるときには少し時間をかけて手書きで書いてみるなど、使い分けていくのも大切なのかもしれません。
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