
業界の裏の裏まで知り尽くす「不動産Gメン」こと滝島一統氏は、こうした悪質セールスの手口を真っ向から批判します。また著書『家の購入&売却・賃貸・投資・相続…で損しない 得する不動産バイブル「ハンコ押す前に読む本」』では、巧妙な罠(わな)から身を守る方法を解説しています。
今回は本書から一部抜粋し、結婚をエサにした「ワンルーム投資勧誘」が法的に罰せられない理由と、赤字物件をつかまされた後の過酷な末路を紹介します。
Q. おいしい話に耳を貸さなければ大丈夫?
===A.「不動産会社の罠はそこかしこに潜んでいるので油断禁物」(不動産Gメン滝島)
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勧誘手段はマッチングアプリ
ワンルーム投資の勧誘の電話がかかってきたという経験をお持ちの方も多いと思いますが、勧誘手段で多くを占めているのは、マッチングアプリを使った方法です。女性が男性を勧誘することも、その逆もあります。たとえば、男性が、マッチングアプリで知り合った女性とお付き合いし、「君と結婚したい。夫婦で資産を増やしたいからワンルームを買わないか」と言って仲介業者を紹介します。真に受けた女性が契約書に押印したらサヨナラするのです。
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さらに驚くのは、こうした手口が結婚詐欺にはならないことです。売買契約の相手は業者であり、男性は直接お金を受け取っていないからです。そうしたセールスをひたすら繰り返す、血も涙も、人の心もない連中。それでも彼らは訴えられないし、訴えても勝てないのです。
マッチングアプリは今や普通の出会いの場で、市民権を得ています。それがきっかけで結婚に至る人もたくさんいます。しかし詐欺も横行しています。マッチングアプリで出会った人がワンルーム投資をすすめてきたら、即、別れるべきです。
キャッチセールスも、いまだに健在です。「アンケート答えていただけませんか」「良かったら上長と会いませんか」と誘い出し、異性にワンルームマンションを売るのです。
「合コン商法」にも注意!
合コン商法もあります。街で男性に道を聞き、「優しい方ですね。ありがとうございます。ところで週末に合コンがあるのですが、1人メンバーが足りないんですよ。よかったら来ていただけませんか」と誘います。あまりに唐突、不自然ですが、「モデルやキャバ嬢との合コンです」などと言われて、参加してしまう人も一定数いるのです。|
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「〇〇さん、ワンルーム持っていますか? 」と聞かれ、「持っていない」と答えると、「詳しい人がいるから紹介しますよ」などと話が進んでいきます。そして気付いたら買わされているのです。
キャバ嬢やレースクイーン、モデルなどを集めて、そんな詐欺まがいの勧誘をしている悪党がたくさんいます。自分だけは騙されないと多くの人が思うものです。しかし、騙されているのは、ごく普通の人です。少しだけ人を信じやすくて「いい人が教えてくれた話だから、いい物件に違いない」と思ってしまうようです。
ワンルームを持っている人との結婚は慎重に調べてから
こんな相談もありました。「結婚を前提にお付き合いしている人がワンルームを3戸持っていますが、毎月5万円の赤字。どうしたらいいでしょうか」マーケット価格とローンの残高を調べると、3物件で、ローン残高のほうが1000万円多い状況でした。私はこうお答えしました。
「1000万円を工面して売却するか、毎月5万円の赤字を補填し続けるか、そのどちらかです。修繕積立金や金利は確実に上がり、逆に家賃は下がる可能性が高い。したがって、毎月の赤字はさらに増えていきます。価格が上がって利益が出るような未来があるなら持っている意味もありますが、果たしてどうか。おのずと答えは出てきますね」
大げさではなく、不動産投資で、一生を左右されることがあります。株式投資なら含み損が出たら損切りするか、じっと持ち続ければ済むことです(痛いですが)。
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保有を続けて毎月数万円もの赤字を垂れ流すのも同じことです。借入があることで、マイホーム購入のための住宅ローンを組むことが難しくなるケースもあります。結婚を考えている相手が赤字のワンルームマンションを持っていないかどうか、確認しておきましょう。
文:滝島 一統(不動産会社代表)
1976年東京都生まれ。明治大学商学部卒業後、ミサワホームに入社。25歳の時に渋谷区初台に不動産会社光文堂インターナショナルを設立。2011年より海外不動産事業にも進出。2022年6月、YouTubeチャンネル「不動産Gメン滝島」をスタート。不動産業者に騙されないための情報、物件の見方など、ユーザー目線の情報をコワモテで語る動画が人気を集め、1年余りで登録者数31万人を突破し、現在は登録者数70万人超。不動産の知識がない人が損しないための情報を発言している、不動産業界きってのインフルエンサー。
(文:滝島 一統)
