「ガソリン代が家計を直撃、高市さんに何とかしてほしい」51歳男性の悩みに諜報のプロ・佐藤優がズバリ回答

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2026年05月31日 09:00  日刊SPA!

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※写真はイメージです(画像生成にAIを利用しています)
―[佐藤優のインテリジェンス人生相談]―
ガソリン暫定税率の廃止でようやく値下がりしたと思ったら、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃で価格が急騰。補助金投入で見かけ上は落ち着いたものの、その財源は私たちの税金——結局、負担は後回しにされているだけ。仕事でもプライベートでも車を使う51歳男性の切実な悩みに、”外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ、佐藤優が丁寧に答える。

◆ガソリン高騰がキツい。高市さんに何とかしてほしい

★相談者★ベルク(ペンネーム)個人事業主 51歳 男性

 アメリカとイスラエルがイランを攻撃して、ガソリン価格が高騰しています。トランプ大統領は、イランを攻撃して一体、何をしたいのでしょうか? 仕事でもプライベートでもクルマを使うので、このまま戦争が続くとキツいです。高市さんにも何とかしてほしいです。もっと国民の生活がよくなる政策をやってもらいたいです。ガソリン暫定税率の廃止、すぐにやってくれましたが、高市さんになってから、生活が苦しくなっている気がします。佐藤さんはトランプ大統領と高市首相をどう見ているのでしょうか?

◆佐藤優の回答

 トランプ米大統領には神から与えられた特別の使命があり、どんな試練に遭っても達成しなくてはならないし、それは神によって勝利があらかじめ約束されているという発想があります。この考え方が最もよく表れているのは、イギリスの清教徒革命のときに採択された「ウェストミンスター信仰告白」(1646年)です。その文書には、国家指導者(王)の責務についてこう記されています。

〈一 全世界の至上の主また王である神は、ご自身の栄光と公共の益のため、神の支配のもと、民の上にあるように、国家的為政者を任命された。そしてこの目的のために、剣の権能をもって彼らを武装させて、善を行なう者を擁護奨励し、また悪を行なう者に罰を与えさせておられる。/二 キリスト者が為政者の職務に召されるとき、それを受け入れ果たすことは、合法的であり、その職務を遂行するにあたって、各国の健全な法律に従って、彼らは特に敬けんと正義と平和を維持すべきであるので、この目的のために新約のもとにある今でも、正しい、またやむをえない場合には、合法的に戦争を行なうこともありうる。〉(『ウェストミンスター信仰基準』82〜83頁)

 神によって選ばれた国家指導者は、正義と平和を実現するために戦争を行っても構わないのです。トランプ氏はイランの核開発を阻止し、世界に平和をもたらすのが使命だと考えているはずです。’25年6月にイスラエルとアメリカがイランの核関連施設を攻撃した結果、イランの核開発能力は大幅に低下しました。トランプ氏は交渉によって核開発を阻止する可能性を模索しましたが、イランは核開発をイスラム革命国家の存立基盤に据え続けてきました。

 そこで、トランプ氏は2月28日にイランの最高指導者と国家指導部を殺害したのです。その後の戦い方は、ナチスに対する戦争に似ています。ヒトラーとの取引は不可能という発想でイラン指導部に対応しています。しかもトランプ氏は自分が勝利すると確信しています。従って、トランプ氏が一時的に停戦に応じても、すぐに何らかの口実を見いだして戦闘を再開します。こうなるとトランプ氏が倒れるか、イランのイスラム革命体制が崩壊するか、イランが国際的に検証可能な形で核開発を放棄するかのいずれかの可能性しか残らなくなります。

 高市首相はそれを理解してトランプ氏との信頼関係を維持しつつ、日本が戦争に巻き込まれないようにしています。当面、日本にできるのはこういう対応しかありません。高市氏の現在の対応は賢明です。

★今週の教訓……高市氏は戦争を避けて、賢明な選択をしている

※今週の参考文献『ウェストミンスター信仰基準』日本キリスト改革派教会公認訳 教文館

―[佐藤優のインテリジェンス人生相談]―

【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

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