
「マッキントッシュ」2026年秋冬展示会にて
Image by: FASHIONSNAP
英国のアウターウェアブランド「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」が、2026年秋冬シーズンの展示会を開催し新作コレクションを発表した。暖冬により各社がアウター商戦に苦戦する中、アウターウェア中心のラインナップながら堅調な売り上げを維持しているという同ブランドのプレス担当者に、新作とあわせて近年の動向を尋ねた。
英国のヘリテージと遊び心が交差する26年秋冬
英国の伝統的なスタイルとクラフトマンシップをベースに、機能性の高い素材使いとモダンなデザインを提案する同ブランド。2026年秋冬シーズンは、多様なチェック柄やカラーブロック、UKパンクを思わせるスタッズディテールなどをあしらい、英国のヘリテージを感じさせつつもプレイフルな印象のアイテムが登場した。
ドロップショルダーとAラインが特徴のベストセラーアウター「ハンビー(HUMBIE)」の新色や新作のケープ型、ロロ・ピアーナ社の機能素材「レインシステム(Rain System)」のビーバーカシミヤやビーバーウールを用いた上質なコートなど、豊富なバリエーションをラインナップする。また同シーズンには、「ラコステ(LACOSTE)」との初のコラボレーションコレクションも展開する。
ゴム引きコートから新素材「レインテック」へ
マッキントッシュの代名詞であるゴム引きコートだが、近年コレクションに占める割合が変化している。かつては全体の2〜3割を占めていたが、現在は約1割程度。この変化は、コロナ禍を経たここ4年ほどで顕著になったという。
背景には、温暖化などの気候変動に対応し、現代のライフスタイルに合わせた素材を開発していくというブランドの方針がある。現在ゴム引きコートは、ブランドを象徴するアイコニックなモデルに絞って展開を続けている。
一方で新たな定番となりつつあるのが、ブランドのオリジナル機能素材「レインテック」を用いたシリーズ「マッキントッシュ レインテック(MACKINTOSH RAINTEC®)」だ。ゴム引きのようなハリのある見た目でありながら、より薄手で柔らかく、透湿防水性を備える。裏側には止水テープが施され、仕様はゴム引きコートとほぼ変わらないが、最大の違いはケアのしやすさ。ゴム引きコートは専門業者でしかクリーニングができないのに対し、「レインテック」は通常のクリーニングに出すことができる。また、製造工程で職人の手作業を要するゴム引きコートは30万円以上するのに対し、レインテックは20万円台からと、比較的手に取りやすい価格帯となっている。
男女ともに不動の人気を誇る「ハンビー」
ブランドを代表するベストセラーモデルは、Aラインでドロップショルダーのステンカラーコート「ハンビー」。約4年前の登場以来継続して売れ筋だといい、担当者は「身長や体型、中に着る服を選ばない、絶妙な丈感とボリューム感が人気の理由だ」と語る。
2026年秋冬は、一番人気のウールメルトン素材の新色としてチョコレートブラウンが登場するほか、ゴートスエードに取り外し可能なムートン襟をあしらったレザータイプや、新モデルの「ハンビーケープ(HUMBIE CAPE)」もラインナップ。また、昨年人気を博したデニム素材の「ハンビーデニム ジャケットスタッズ(HUMBIE DENIM JACKET STUD)」の新色・ソリッドブラックも揃える。
また、ハンビーはウィメンズのみならずメンズでも人気が高く、ジャケットの上からでも羽織りやすいゆったりとしたシルエットにより、ビジネスシーンでの需要も高いという。
近年の暖冬傾向で業界全体がアウター商戦に苦戦する中、マッキントッシュでは、メルトン素材をより軽くアップデートするなど、時代に合わせて製品を進化させ続けることで、好調な売り上げを維持。特にメンズはビジネス需要にも支えられ、先シーズンは売上高が前年比20%増を記録したという。
佐々木エリカ (Erika Sasaki) FASHIONSNAP 編集記者 埼玉県出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、国内大手アパレルメーカー、ケリング傘下ブランドのMDなどを経験した後、2023年にレコオーランドに入社。現在はウィメンズファッションをメインに担当。ファッションやカルチャーへの熱量と同様にジェンダーや社会問題にまつわるトピックにも関心があるため、その接点を見出し、思考や議論のきっかけとなるような発信をしていけたらと願っている。