W杯出発前に、松江市の上定昭仁市長(中央)を表敬訪問した三原純副審(左)と日本サッカー協会の扇谷健司審判委員長=5月28日、松江市 サッカーのワールドカップ(W杯)で、審判団の一人、三原純副審(45)は松江市職員という公務員の顔も持つ。市役所の同僚は「業務に関する知識が豊富で頼れる存在」と口をそろえ、世界最高峰の舞台に臨む三原さんを、誇らしげに応援している。
三原さんはスポーツ振興課に所属。地域活性化のため、スポーツの大会や合宿を誘致し、参加者らに、市内の観光地や飲食店の情報を提供する業務などを担当する。島根県内唯一のプロスポーツチームで、バスケットボール男子Bリーグの「島根スサノオマジック」の応援の輪を広げる活動にも取り組んでいる。
本格的なサッカー経験はないが、高校生だった1998年、W杯フランス大会をテレビで見て審判に関心を持つようになった。市職員となった2003年に4級審判資格を取得。13年にJ2でJリーグ副審デビューを果たすと、17年に国際審判員となった。アジアカップなどの大舞台で実績を積み、25年にJリーグ最優秀副審に選ばれた。
審判としてだけでなく、市での仕事ぶりも周囲からの評価は高い。上山真一課長(50)は「非常に真面目で仕事も丁寧。行動力もあり頼りになる」と全幅の信頼を寄せる。同課の江戸彰吾さん(25)は「(質問をすると)答えを教えるのではなく、自分で考えられるようなヒントをくれる」と感謝。試合で仕事を休む時も「引き継ぎが明確で連絡も取れる。困ったことはない」という。
ピッチでの的確な判断と激しい運動量を支える努力も怠らない。仕事後のジム通いやダッシュ、ランニングは同僚の間でも知られており、地上6階・地下1階建ての市庁舎内はすべて階段で移動。同課の昌子雄人係長(37)は「台車で荷物を運ぶとき以外、エレベーターを使うのを見たことがない」と語る。
W杯に向け出国を控えた5月下旬、三原さんは審判活動で仕事をたびたび休んできたことに触れ、「周りの方の負担が増えたり、サポートをしていただいたりすることが多かった」と祝福する同僚らに感謝を述べた。
応援してくれる人の気持ちを背負ってW杯に臨むとした上で、「平常心でいつも通りにやる。皆さんにいい思い出として残る大会にできるよう力を尽くしたい」と決意を語った。

W杯出発前に松江市の上定昭仁市長(右)を表敬訪問し、意気込みを語る三原純副審=5月28日、松江市役所