「成長しなければ」と焦る若手、「パワハラ」におびえる上司 すれ違いの実態

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2026年06月22日 18:01  ITmedia ビジネスオンライン

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若手・新入社員が抱えている悩みとは

 リクルートマネジメントソリューションズは「新入社員意識調査2026」と「若手の離職実態調査2026」の結果を発表した。不確実性の高い時代やAIの台頭を背景に、若手社員は「成長しなければ生き残れない」という強い切迫感を抱いている。一方で、育成を担う上司はパワハラリスクなどを恐れ、踏み込んだ指導ができない。調査からは、現場ですれ違いが起きている実態が浮かび上がった。


【画像】離職を想起したことがある人の割合


●若手を突き動かす「成長への焦り」とAIへの不安


 新入社員意識調査によると、仕事をする上で重視することのトップは「成長」で、32.4%と突出していた。また、社会人として働く上で大切にしたいこととして「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」を挙げた割合は34.3%で、過去最高を記録した。


 非常に前向きな姿勢に見える一方で、新入社員が抱える不安のトップは「仕事についていけるか」(64.6%)だった。


 こうした結果から、正解のない不確実な時代や急速に進化するAIを背景に「今のままの自分で通用するのか」という不安や焦りが、若手を成長へと駆り立てている様子がうかがえる。若手は単なる向上心だけでなく、「成長しなければ生き残れない」という切迫感を抱いているといえる。


●離職の理由は「給与」から「能力発揮」へ


 若手社員の離職実態調査からは、彼らが求める職場環境の変化も見えてきた。


 入社1〜3年目の若手社員のうち、62.2%が「会社を辞めたい」と思ったことがあると回答した。


 実際に離職した理由を見ると、前回調査で2位だった「給与水準に満足できない」は6位(8.0%)に低下した。一方で、「仕事で自分の能力や持ち味を発揮できない」は前回の12位から2位(21.6%)へと急上昇した。


 初任給引き上げなど労働条件の改善が進む中、離職要因は待遇面から「仕事そのもの」へと移りつつある。


 また、新入社員が上司に期待することとして、「一人一人に対して丁寧に指導すること」は50.1%と過去最高となった。一方で「言うべきことは言い、厳しく指導すること」も24.0%となり、3年連続で上昇している。


 こうした調査結果を受け、リクルートマネジメントソリューションズの主任研究員、桑田正義氏は「若手は、ただ優しく守られる環境ではなく、確実に成長につながる環境を求めている」と分析する。


●上司を悩ませる葛藤


 若手が成長を渇望する一方で、現場で指導にあたる上司や先輩社員は強い葛藤を抱えている。


 育成側は、「自分たちの経験則が通用しない」という世代間ギャップ、「ハラスメントになるのではないか」というコンプライアンスやパワハラへのプレッシャー、そして慢性的な人手不足による多忙さという、3つの壁に直面している。


 若手に腫れ物に触るように接することで、ハラスメントなどの問題は起きにくくなった。しかしその一方で、若手が最も求めている成長支援が進まないという皮肉な状況も生まれている。


 こうした環境は、「ゆるブラック化」や「ホワハラ(ホワイトハラスメント)」につながるリスクをはらんでいる。


●求められる「上司頼み」からの脱却


 こうしたギャップを埋めるためには、育成を上司個人の努力に依存する「上司頼み」の状態から脱却する必要がある。


 まず重要なのは、率直に意見を言い合え、失敗しても大丈夫だと思える安心できる環境を整えることだ。心理的安全性が確保されて初めて、若手は自律的に能力を発揮できる。


 また、世代間ギャップや上司の負担を補う仕組みとして、「アセスメントツールの活用」と「職場ぐるみの育成」が有効だ。


 適性検査やコンディション把握サーベイ(従業員へのアンケート調査)などを活用し、若手の特性や状態を客観的に把握することで、より適切な配置や指導が可能になる。


 さらに、上司だけでなく中堅社員なども巻き込み、職場全体で育成に取り組むことで、上司の負担軽減と若手の成長機会の拡大を両立できる。そうした取り組みが、人材の定着と成長の好循環につながるだろう。



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