
去年3月、長野県の陸上自衛隊・松本駐屯地で「陸自の精鋭」とされるレンジャー隊員が訓練中に死亡した事故をめぐり、遺族が国を相手取り損害賠償を求める裁判で、隊員の妻は「夫の命は杜撰な訓練によって奪われた」と訴えました。
松本駐屯地に所属していたレンジャー隊員の2等陸曹の男性(当時41)は去年3月、駐屯地内で行われたレンジャー隊員向けの訓練中におよそ15メートルの高さの「訓練棟」から別の隊員が誤って落下させた機関銃が直撃して死亡しました。
2等陸曹の妻ら遺族5人は国を相手取り、「安全配慮義務違反があった」などとして、およそ1億3800万円の損害賠償を求める訴えを起こしています。
訴状によりますと、自衛隊には武器などが落ちないようにする対策のマニュアルがなく、地上にいる隊員の安全を確保するための規則なども定められていなかったということです。
きょう(24日)、東京地裁で裁判が始まり、2等陸曹の妻と母による意見陳述が行われました。
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妻は「加害者はすでに職場復帰していると聞きました。私たちは誠心誠意ある謝罪を受けていません。説明を受ければ受けるほど、曖昧な説明、質問をうやむやにし時間を稼ぐ姿勢、補償金で早く解決しようとする態度から、歩み寄ることは難しいと感じました。夫の命が杜撰な訓練によって奪われたということ、この事故の事実を未来に残していくために訴訟を起こすしか方法がなかったことを理解してほしい」などと涙ながらに訴えました。
また母親は、「この裁判が少しでも自衛隊の体質改善につながり、士気の高い隊員の命を守ることに貢献できることを祈っている」と話しました。
傍聴席には息子2人が座っていましたが、声を上げて涙を流しながら聞いていました。
一方、国側は請求棄却を求めました。
次回の裁判は9月15日に東京地裁で行われる予定です。
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