
私が結婚したときは、家と家とが結びつくという感覚がありました。お互いの両親や親族との付き合いを大切にする、結婚とはそういうものだと思っていたのです。だからノゾミさんが結婚の挨拶に来たとき、私は面食らってしまいました。


ノゾミさんの言葉に、私は違和感を抱きました。「あなたの息子と一緒に、自分の母親だけを大事にします」と宣言されたようなものだったからです。私はその言葉にどう対応すべきか考えて……その晩、ため息とともに夫に告げたのです。
夫の言うとおり、私はトウマとサヤのためにそれぞれお金を貯めていました。結婚資金として渡そうか、それとも孫が生まれたときがいいか、マイホームを建てるときか。そんなことを考えながら用意していたお金です。
でもノゾミさんは私たちとの深い付き合いを望んでいません。義理の親に牽制するようなことを言ってくるくらいだから、関わるつもりもないのでしょう。トウマもノゾミさんの言葉に何の疑問も持っていないみたいだし……。私は貯めておいたお金は渡さず、「結婚祝いを10万円出す」という結論を出したのでした。
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