サッカー日本代表のよさも悪さも出たスウェーデン戦 堂安律は「こっからワールドカップが始まります!」

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2026年06月26日 17:10  webスポルティーバ

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 6月25日、ダラス。北中米ワールドカップのグループステージ最終戦、日本はスウェーデンと戦って1−1で引き分けた。この結果、グループ2位でノックアウトステージに勝ち進んだ。

 この結果を生んだふたつのゴールは、ある点でつながっていた。

 後半11分、右サイドの菅原由勢がタイミングを図りながら、中央の堂安律にパスを入れる。堂安はフリックで素早く動かし、ボールを上田綺世につける。上田は屈強なスウェーデンのディフェンスに対し、間合いを使いながらタメを作る。そしてリターンを受けた堂安が走り込んだ前田大然にパスを通し、前田は見事なコントロールから先制に成功した。

 機動力だけでなく、アイデアを感じさせるコンビネーションを使った得点で、それは日本サッカーの真骨頂だった。

 もっとも、その6分後には弱点も浮き彫りになる。ロングボールの競り合いで、相手のヴィクトル・ギェケレシュにキープされた末に倒してしまうファウルでFKを与える。日本はこれで相手に流れを譲り、受けに回った。ドリブルで進むギェケレシュをマークしていた田中碧はどうにかサイドに押しやるが、潰しきれない。そしてそのパスを受けたアンソニー・エランガの爆発的スピードに堂安が振りきられ、左足のシュートを叩き込まれた。

 単純なパワー、高さの勝負になると劣勢に回らざるを得ず、守備における熟練も足りない。それも日本らしかった。

 実は日本のよさも悪さも出た試合だった。手放しで喜べるような展開ではない。しかし、どちらに転んでもおかしくはない戦況で、"引き分け以上で2位突破"というミッションを見事に成功させたのも事実だ。

 日本はなぜ引き分けることができたのか?

「流れがよかったところから悪くなって、そこから失点してしまったのは改善点ですね」

 試合後、上田はそう言って、スウェーデン戦の総括につなげている。

【相手を恐れていなかった】

「でも、同点にされたあとも2点目を与えず、崩れきらなかったのはよかったところだと思います。(日本人は)フィジカルインテンシティで劣っている点はあるかもしれないけど、チーム力や柔軟性で補いながら、みんなでひとつの絵を描き続けることができました。最終的に1−1というのは、悪くはない結果と言えるので」

 大雑把に言えば、主力のほとんどが欧州の有力クラブで研鑽を積んでいることで、相応の適応力が身についたということだろう。敵に流れが行くことも折り込んで戦うことができていた。攻守に奥行きが生まれているのだ。

 日本は主力選手たちが「まずは守りから」で一致団結していた。それは前線のプレッシングの激しさだけではない。ボールの奪い合いで、一度敗れても再び挑みかかる強度もそのひとつで、連続性があった。常にカバーの態勢をとって、守備網を作りながら、トランジションで攻撃につなげられる。そして敵陣に入ったら機動力を生かして攻めかかり、ボールを失ったら再び守りに戻るのだ。

 今大会、3バックの中心で森保一監督の守備の体現者になっている谷口彰悟は、いみじくもこう語っている。

「たしかにスウェーデンの得点は、カットインからのゴラッソ(スーパーゴール)でした。でも、ゴラッソで片づけてもいけないと思います。ひとり、ふたりともっと寄せきれていたら、あれだけコースを狙ったシュートを打たれることはなかったので、改善の余地はあると思います」

 現状に満足せず、ディテールの修正を繰り返すことで、プレーの分厚さが生まれる。日本の守備陣は、アレクサンデル・イサク、ギェケレシュ、エランガには後手に回ることはあったが、食らいつくことでダメージを最小限にとどめていた。それは頼もしい姿だった。端的に言えば、攻撃陣も守備陣も相手をまったく恐れていないのだ。

「負けるよりは引き分けでよかったんですが、やっぱり勝ちにいきたかったですね」

 今大会で切り札になっている伊東純也は、スウェーデン戦の結果についてこう語っている。引き分けでも十分な試合ながら、森保ジャパンは徹頭徹尾、勝つつもりで挑んでいたのだ。

「今はチーム全員が戦力になっていて、誰が出ても戦える、勝てるチームだと思います。ハーフタイムでも『他会場のことではなく、この試合に勝つことに集中して』とみんなで話していました」

 こうした難しい試合(勝っても1位になるのは困難で、引き分けると2位、負けた場合は3位に転落する)で、勝つことに集中できるメンタリティこそ、森保ジャパンが「史上最強」と言われるゆえんかもしれない。"清濁併せ?む"と言うのだろうか、何があっても平常心でしたたかに戦える。日本サッカーが海外の修羅場を経験することで身につけた力だ。

 そのプレー精神が、正念場のスウェーデン戦で出た。

 終盤、日本はまたも流れを失っていた。交代出場した長友佑都のポジションは完全に狙われており、何度かは彼が触ってボールを敵に渡す形になって攻撃を受けた。そのストレスからチームが瓦解してもおかしくなかったが、彼らは粘り強く跳ね返し、立て直した。そして驚くべきことに、最後まで勝利を狙ったパスを出していた。

「こっからワールドカップが始まります!」

 試合後の取材エリアで、堂安はそう気勢を上げていた。日本中が熱狂したグループステージはまだ序の口だということか。攻撃も守備も、選手たちのプレー基準が上がったのだ。

 ラウンド32で日本はブラジルと対戦することが決まっている。率直に言って、旗色は悪い。しかし、どんな相手にも、どんな状況にも怯まなくなったチームは、簡単に屈することはないだろう。

「タフなゲームになると思いますが、自分たちの戦いをしたら、ブラジルにも勝てるはず。まずは万全の準備をして」

 この日、殊勲のゴールを決めた前田が宣戦布告した。

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