
コンビニで無印のTシャツを買う――。
少し前なら「靴下や下着ならともかく、Tシャツまでコンビニで買うの?」と思われたかもしれない。しかし今、その常識が変わりつつある。
ローソンは6月9日、良品計画と共同開発した「無印良品 綿天竺編みクルーネック半袖Tシャツ」(1290円)を発売した。販売するのは、無印良品を導入する全国約1万3000店舗。ローソンと無印良品が共同開発したTシャツの発売は、今回が初めてだ。
オフ白、黒、グレー、黒ボーダーの4色を用意し、サイズはS〜XLまでの4サイズ。綿100%で、脇に縫い目がない仕様(一部商品を除く)を採用した。シンプルで使いやすい商品に仕上げているのが特徴だ。
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コンビニでTシャツを販売すること自体は珍しくない。しかし、なぜローソンは今、無印良品との共同開発に踏み切ったのだろうか。
ローソンは2022年から無印良品の衣料品を取り扱ってきた。両社はこれまで靴下やスキンケア用品などの共同開発商品を展開してきたが、今回その取り組みをTシャツにも広げた。
商品本部 生活・日用品部シニアマーチャンダイザーの大橋妙子氏によると、「女性も日常的に着られるサイズがほしい」「1枚でもインナーでも使える定番のTシャツがほしい」といった声が寄せられていたという。
そこで今回、男女兼用の商品を開発した。
大橋氏は「性別や年齢、着用シーンを問わず、インナーとしても1枚着としても主役になれる『究極のベーシック』を目指した」と話す。
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コンビニの衣料品というと、かつては出張先や旅行先で急に必要になった際の購入が中心だった。しかし近年は状況が変化している。
ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」が代表例だが、コンビニ各社はアパレル商品の強化を進めている。衣料品はもはや脇役ではなく、売り場を広げるカテゴリーへと成長しているのだ。
●売り場を広げたら売り上げ4割増
今回のTシャツ投入の背景には、無印良品の衣料品が好調に推移していることもある。
ローソンは2026年4月、無印良品の衣料品の売り場面積を拡大し、陳列棚を1列から2列に増やした。取り扱い商品数も、46アイテムから79アイテムへ増やした。
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その結果、無印良品の衣料品売上高は前年同期比で約4割増加した。衣料品全体でも約3割伸びている。特に、好調なのは男性肌着、女性肌着、靴下だという。
興味深いのは、誰が買っているかだ。
売り場拡大後、目立ったのは40〜50代の購入者だった。なぜ、若年層よりも中高年層の支持が高いのか。
大橋氏は「40〜50代は、もともと無印良品というブランドへの信頼感が強い世代」と説明する。さらに「近所のローソンで、いつもの無印良品の商品が買える」といった利便性も大きいという。
働き盛りで忙しい世代にとって、わざわざショッピングモールや専門店に足を運ばなくても済む。いわば“タイパ需要”に応えた形だ。
●SNSを中心に反響が広がる
発売後は、SNSを中心に反響が広がっている。
「コンビニでこのクオリティーの無印Tシャツが買えるのはうれしい」「生地感がしっかりしていてコスパが良い」といった声が寄せられているという。
背景には、無印良品の商品を身近なコンビニで購入できる手軽さがある。
「急に必要だから買う」から、「これがほしいから買いに行く」へ――。ローソンの無印良品売り場の拡大は、コンビニ衣料品が「急場しのぎ」ではなく、日常使いの選択肢になりつつあることを示している。
(土肥義則)
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