
しかし、YouTube登録者数10万人超、「おやこde資産形成アカデミー」で1万3000人以上の親子に金融教育を届けてきたFP・にぐ先生こと谷口達也さんは、「実は子どものほうが大人より投資に向いている面がある」といいます。
著書『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社)より一部抜粋・編集し、子どもならではの投資の強みについて紹介します。
株式投資は推し活と同じ! 大人より子どもに向く理由
あくまで私の経験に基づく話ですが、大人は投資を始めるとなると、実直なタイプでもなぜか「儲けるぞ!」と気合いを入れて、お金を増やそうとします。ところが、子どもは投資をするときに、儲ける気がない場合がほとんど。大金を手に入れて、何かしようとは思わないからでしょう。
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一方子どもには、そのようなギャンブル要素はないので、大人よりも純粋に「投資」を楽しめます。
「どの株式を買えば、儲かりますか?」なんて質問は、周囲の大人が気にしていない限り、子どもからはほとんど出ません。もちろん、自分の買った株式や投資信託などの価値が上がったら、子どもは素直に喜びます。
でも、シンプルに上がったことがうれしいだけで、「いくら儲かった」とか「下がる前に売ろう」とか、そんなことをいう子どもはいません(笑)。
好きなゲーム機器のメーカーやキャラクターのメーカーなど、自分が買った株式が高値になったら「先生、見て!」と自慢する子どもはたくさんいます。
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株式投資は「推し」の会社を応援する気持ちで
私のアカデミーの子どもが投資を楽しんでいる様子を見ていて、感じたことがあります。子どもの株式投資は、何より「その会社を応援したい」という気持ちから、投資をしているのだということです。
プロジェクトやアイデアに共感した人々に募金をお願いする「クラウドファンディング」と近いかもしれませんが、投資はちゃんと株価で還元されて資産になることが大きな違いでしょう。
どちらかというと、いわゆる「推し活」と同じ応援のマインドが、子どもの投資の動機になるのかもしれません。
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投資の神様といわれ、世界屈指の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、アマゾン共同創業者のジェフ・ベゾス氏から「あなたの投資戦略はとてもシンプルなのに、なぜみんな真似しないのですか?」と問われ、「誰も“ゆっくりお金持ちになりたい”とは、思わないからだ」と答えたそうです。
投資で得た利益をさらに投資に回し、雪だるま式に利益が増えていくことを「複利効果」といいますが、投資にはこの効果があります。
当然、運用期間が長いほどその効果は大きくなるため、買った株式や投資信託などの金融商品は、長期的に持つほうが有利といえます。
子どもはそんなことは知らないでしょうが、小さい頃から投資をしていることで、知らず知らずのうちに複利効果を得ることになるのです。
また、株式投資をすると、株主が子どもでも、その会社の決算報告や配当金などの通知が届きます。そうした書類が自分宛てに送られてくることも、大人になったような経験ができて、子どもにとってはうれしいメリットと感じるようです。
なかでも株主総会は、100株など単元株で持っていれば、子どもの株主でも参加できます。
「株主総会」は、大人の株主でもちょっとドキドキするイベントですから、子どもの目線で見れば、推しのライブみたいなものでしょう(笑)。
子どもの持つ「時間」は長く、それは投資で資産づくりをする強い武器になります。そのうえ、純粋な気持ちで投資を楽しめるのであれば、子どもはむしろ、大人よりも投資に向いているのではないかと思えてきます。
子どものうちに始めれば、投資は値動きするものだから、短期よりも長期で持つほうが有利という価値観もしっかりと作られるでしょう。儲けばかり気にしがちな大人は、子ども投資家を見習わなければいけません。
この書籍の執筆者:にぐ先生 (谷口達也)
「なにも売らないFP」。1985年、岐阜県生まれ。株式会社マネーシフト代表取締役。 大手証券会社を2社経て独立後、現在のFP法人を設立。主に金融教育事業を行ってお り、大人向けだけではなく、小中学生向けにも「おやこde資産形成アカデミー」という金融教育事業を展開中。全国規模の教育委員会から後援を受けたイベントとなり、オ ンライン授業で全国を対象に開催。受講者はのべ1万3000人(2024年12月時点)。これまで後援を受けた教育委員会は120自治体を超える。YouTubeチャンネル『【大人のためのFP教室】教えて!にぐ先生!』の登録者は10万人。
(文:谷口達也(ファイナンシャルプランナー))
