
高市政権で初めてとなる成長戦略。その中身は2040年度までにAIなど17の重点分野への370兆円以上となる巨額投資です。“経済面で伸び悩む”日本は変わるのでしょうか。
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総理肝いりの成長戦略“17重点分野”に巨額投資高柳光希キャスター:
高市政権の生命線とも言える「成長戦略」。
日本経済の低成長が続く中で、総理の肝いりで「国内に投資を呼び戻そう」という狙いでつくられたものです。
その中でも今後、収益を拡大したい分野として“17の分野”が選ばれました。投資額は官民あわせて2040年度までに370兆円超になるということです。
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【成長戦略 17分野 】
(1)AI・半導体
(2)デジタル・サイバーセキュリティー
(3)情報通信
(4)量子
(5)防衛産業
(6)航空・宇宙
(7)海洋
(8)造船
(9)マテリアル(重要鉱物・部素材)
(10)合成生物学・バイオ
(11)創薬・先端医療
(12)エネルギー安全保障
(13)フュージョンエネルギー
(14)フードテック
(15)防災・国土強靭化
(16)港湾ロジスティクス
(17)コンテンツ
TBS報道局経済部 財界・内閣府担当 古市啓一朗記者:
「AI・半導体」は、今後60兆円を超える巨大市場に成長すると見込まれており、重点的に取り組むべき分野と位置づけられています。
「量子」や「フュージョンエネルギー」のように、日本が基礎研究で比較的優位性を持ち、今後成長分野として日本の切り札となる可能性がある分野も含まれています。
その一方で、将来的な高い成長は見込みにくいものの、産業基盤の維持という観点から選定されている分野もあります。
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
必要な取り組みだと思います。
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特に「AI・半導体」については、今後も開発をしていかなければいけないと考えています。
一方で、世代交代は必ず起こるため、若い層の教育も重要です。そのため、「開発」「教育」「人材」は必ずセットで投資しなければなりません。
「もう失敗できない」累積赤字540億円の“戦略”も高柳キャスター:
これまでも政府は様々な形で“投資”をしていました。過去の投資は成功したのでしょうか。
TBS報道局経済部 財界・内閣府担当 古市記者:
今回、「官民投資」が話題になっていますが、過去を振り返ると、成功した「官民投資」は少ないのが実情です。
政府関係者によると「最後のチャンスだと思っている。これまでになく民間との連携を強化する内容になった。もう失敗できない」という声も聞かれました。
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高柳キャスター:
2010年ごろから始まった、「クールジャパン戦略」。
「アニメ・漫画」「食文化」「ファッション」「観光」などといった文化的なものに投資を行い、海外でのビジネス展開を支援する取り組みです。
その支援のため、官民ファンド「クールジャパン機構」に政府が9割、残りをメガバンク、百貨店など多くの民間企業が出資をしたのですが、累積赤字が540億円に達してしまいました。なぜこれほどまでに累積赤字が膨らんでしまったのでしょうか。
TBS報道局経済部 財界・内閣府担当 古市記者:
そもそも投資先の選定が甘く、民間よりも政府側の関与が大きかった。
さらに収益性より“日本文化を輸出する”という高い理想を追い求めすぎたという指摘もあります。
序盤では、エンタメへの投資などでつまずき、投資領域を広げたところ、大型損失にも直面し、最後は新型コロナの感染拡大も追い打ちになりました。
クールジャパン機構と仕事をした、ある企業のトップは「(クールジャパン機構は)民間のニーズを分かっているとは思えない人が仕切っていた」と言います。
政府の成長戦略 企業側と温度差も高柳キャスター:
今回の「成長戦略」について、企業側からは様々な意見がありました。
濱田屋商店 濱田隆作社長
「国の補助は中小企業において必要。伝統を守りつつ、新しいことへのチャレンジを今やるべき」
大手機械メーカー幹部
「政府の“本気度”は歓迎。ただ、政府側の投資規模が見えないので様子見」
TBS報道局経済部 財界・内閣府担当 古市記者:
政府は「防衛装備品の輸出を目指す」という方針を打ち出しているのですが、それを担う企業に話を聞くと、「それほど収益は大きく見込めないのではないか」という見方をしていました。
このように政府と企業側に温度差があるのも事実だと思います。
「成長戦略」今後の課題は?井上貴博キャスター:
政府が成長分野に投資していくことは重要だと思いますが、それ以上に「政府にしかできないことをする」と考えると、規制を緩和していき、新規参入を促す。既得権を是正することが挙げられます。政府ができる規制改革の部分が弱く感じてしまうのですが…
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
クールジャパンを失敗と捉えるのであれば、そこからの学びが多いですよね。
結局いくら日本の文化や技術を作り上げることができても、そこから収益が得られなかったら、自由研究のようなものになってしまいます。
見積もりの甘さと、人材への投資の甘さが原因だったと思います。
そのため、今回は収益を上げることに執着していかないといけないと思います。
井上キャスター:
その振り分ける部分を人材にもっとお金をつぎ込んだ方がいいということですか。
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
ラストチャンスだっておっしゃっているのは中小企業の方で、その人たちの力をどのように発揮させてあげられるかが、肝になると思います。
出水麻衣キャスター:
巨額の投資が予定されていますが、どの分野にいくらか、投資の内訳は分かっているのでしょうか。また、人材投資について検討はされているのでしょうか。
TBS報道局経済部 財界・内閣府担当 古市記者:
政府は産業を担う人材をどう育てるかという問題意識はもちろん持っていると思いますが、今の時点では明らかになってはいません。
ただ、このような姿勢だと、民間企業もちょっと様子見姿勢になりやすいし、課題だと思います。
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<プロフィール>
古市啓一朗
TBS報道局経済部 民間キャップ
高市政権の成長戦略や経済界を取材
池澤摩耶さん
会社経営者・投資家
元外資系投資銀行のトレーダー 2児の母
著書に「子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育」など

