約39年半ぶり円安 なぜ止まらない?専門家「最悪の場合 1ドル=170円になる可能性も」【Nスタ解説】

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2026年07月02日 21:30  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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きょう(2日)も一時、39年半ぶりの円安水準となりました。円安が国内に物価高をもたらす一方、外国人観光客は「すべてが手ごろだ」と話しています。

【写真で見る】外国人観光客に「日本で買った1番高い物」を聞いてみると…

埋まらない日米の「金利差」 サブスク利用も円安の“引き金”に?

井上貴博キャスター:
なぜここまで記録的な円安水準になったのでしょうか。要因はいくつかありますが、よく言われているのが日米の「金利差」です。

日本はこれまで景気を良くするために「マイナス金利政策」や「ゼロ金利政策」といった超低金利政策を続けてきました。デフレだったので、物価の下落を止めるために、世の中にお金が回るような政策を進めてきたわけです

しかし最近は物価が上昇しているため、その勢いを抑えるために金利を引き上げ、現在は1%となっています。

一方、アメリカは日本よりも早くから金利を引き上げていました。日本以上に急速に進んだ物価上昇を抑えるため、2022年には0.25%だった政策金利を、わずか1年半で5.5%まで一気に引き上げました。現在は利下げが進み、上限3.75%まで下がっています。

日米の金利差は2.75ポイントもあるため、より高い利息が期待できるアメリカのドルを買う動きが強まり、結果として「円を売って、ドルを買う」という流れが加速しています。

この差を改善しようにも、イラン情勢の緊迫化など、国際的に状況が悪くなっています。そうなると、信用が比較的高いものに通貨を変えていこうという流れになり、結果として、信用の高いドルを買う動きになります。

また、より身近な例を挙げると、多くの人が何らかのサブスクリプション(サブスク)サービスを利用していると思います。その大半は海外のサービスです。

私たちは円で支払っていますが、その資金はドルに換算されて海外企業へと渡ります。つまり、知らず知らずのうちに、たとえ月額1000円程度であっても「円を売っている」ことになるのです。

円を売ってドルを買っているとすれば、微々たる規模ではありますが、私たちの消費行動が円安を加速させている側面もあります。もちろん、サービスの利用自体は仕方のないことですが、こうした背景があるのも事実です。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
加えて、アメリカはすでにインフレが厳しいため、さらに利上げする動きが出ています。さらに利上げした場合、金利差はより開いてしまうため、これも円安要因になります。

「利上げ」と「為替介入」でも止まらない円安 背景にある「積極財政への市場の懸念」 

井上キャスター:
今、アメリカの金利は3.75%ですが、また年内に上がる可能性が出てきました。日銀としては今後どうしていくのでしょうか。

円安のブレーキとして、直近では31年ぶりに政策金利を1%に引き上げました。さらに、11兆円規模の為替介入をしました。

一方で、円安のアクセルの要因となっているのが「積極財政に対する市場の懸念」です。

例えば、食料品の消費税減税や370兆円の官民投資などを打ち上げていますが、財源が確保できるかは不透明なままなので、市場に懸念が広がり、円安の流れになってしまっています。

このことから今、「日本はブレーキとアクセルを両方踏んでいる」というふうに言われています。

星浩さん:
これはもう明らかに“高市円安”と言っていいと思います。

政府は積極財政をしようとしていますし、最近少しずつ原案が明らかになっている来年度の「骨太の方針」も、いわば“ばらまき路線”で行こうとしています。

私も時々、外資の人から問い合わせを受けますが、皆さん「積極財政で間違いないですね」という言い方をされます。そうなると、「日本の赤字はどんどん増えて、円の価値は安くなる」と見なされるため、円を売っていく流れが止まらないのが現状です。

ですから、この流れはなかなか止めようがない、ということになっていると思います。

出水麻衣キャスター:
やはり積極財政にすると、海外から「日本経済や円の運用は大丈夫か?」という目が向けられ、結果として円安が加速するということですね。

星浩さん:
財政赤字や借金がさらに増えるとなると、当然、円の価値は下がっていきます。

空回りする“経済政策”と後手の“円安対策” 最悪「1ドル=170円」の可能性も

井上キャスター:
高市政権としては、「積極財政をしますが、ゆくゆく経済成長が起きれば、ある程度日本経済は回っていく」という考え方なのでしょうか?

星浩さん:
今まではずっとそういう考え方でやってきましたが、実際の成長はあまり芳しくありません。エンジンをふかしているだけで、結局は成長に繋がっていないのが現状です。

構造改革や規制改革が進んでいませんので、このままでは「お金をばらまいているだけ」になりかねないという状況です。

井上キャスター:
高市総理は円安について発信する機会が少ない印象ですが、別に軽視しているわけではなく、ある程度「なんとかなるのではないか」というスタンスなのでしょうか?

星浩さん:
本来なら「どうやって円安を食い止めるか」という、日本政府が一体となった総合的な対策を打ち出すべき時期です。しかし、今はまだ部分的な「パーツの話」しか出てきていません。

井上キャスター:
今後の展望について、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんに伺ったところ、「『原油高』や、『アメリカの利上げ観測』の影響が大きいので、最悪170円になる可能性もある。1ドル=120円前後の水準に戻るには4〜5年かかるのではないか」と分析されていました。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

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