「3100ドル払ってる!」深夜便でFワード連呼し暴れる迷惑女性客 アルコール拒否で緊迫する機内、CAがみせた神対応

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2026年07月03日 06:20  キャリコネニュース

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「私はこの航空券に3100ドル(約50万円)も払っている。プライベートスペースは確保されるべきだ。クソだ!」

本来は落ち着いた雰囲気となる深夜便の機内に、英語のFワードを交えた怒声が響き渡った。

東南アジアで製造業の現地法人責任者を務める加賀さん(仮名、40代男性)。年に一度の一時帰国のために日系航空会社の深夜便に搭乗した際、まさに真後ろの席が迷惑客だった。

理不尽な要求を繰り返す乗客と、それに毅然と対応する客室乗務員(CA)たちの攻防。編集部は、機内で一部始終を目撃した加賀さんに取材し、詳しく話を聞いた。(文:篠原みつき)

「窓際の席が取れていない」と要求「機内の空気は完全に凍りつきました」

2026年4月末のこと。東南アジアから羽田へと向かうエコノミー席が7〜8割ほど埋まった離陸前、加賀さんの真後ろの座席が騒がしくなった。

「ウィンドウシートを予約していたはずなのに取れていない」と声を荒げているのは、一人旅と思われる外国人のアラフィフ女性だった。

元々は5列以上離れた席だったが、CAたちが協議した結果、加賀さんの後ろに座っていたデッドヘッド(業務移動中)の男性CAと席を交換。女性客は無事に窓際席を確保した。

しかし、騒動はこれで終わらなかった。着席すると間もなく、「隣の席の女性が、自分の座席に当たる照明を勝手に消した」と大声でキレ始めたのだ。

「彼女は前後2列までクリアに聞こえる大音量で、延々とFワードを交えた独り言を連呼していました。アルコールか薬物か、精神的な問題かは分かりませんが、とにかく不安定で、機内の空気は完全に凍りつきました」

通路側に座っていた乗客が見かねて助け舟を出すも、全く効果なし。斜め前に座っていた乗客は、リクライニングした座席の隙間から加賀さんのほうに目くばせをして苦笑していた。

結局、CAたちの仲裁で問題女性の両隣の乗客たちが席を移動し、元々そこにいた私服の男性CAが戻ってきた。彼は嫌な顔ひとつせず、他のCAたちは周囲の乗客におせんべいと飲み物を配って平謝りしていた。しかし、騒ぎはこれでも終わらない。

「アルコールを出せ!」ギャレーへ3度の突撃と鉄壁のCA

離陸後、ドリンクサービスが始まった機内で、さらなる修羅場が幕を開ける。

CAが女性に対して「アルコールの提供はできない」と通告したのだ。最初の騒動の時点で報告が上がり、機長が「これ以上酒を入れると危険だ」と判断したのだろう。

酒類が飲めないと知った女性は激昂し、前の席にいた加賀さんのシートがガンガンと大きく揺れた。彼女がギャレー(調理場)へ直行するため、アイマスクをして即寝に入っていた隣の男性CAを叩き起こして通路に出たのだ。

「『今すぐアルコールを出せ!』と攻撃的な態度で迫る女性に対し、ギャレーの中では日本人CAと外国籍のCAがチームディフェンスのように応戦し、『絶対に出さない』という強い意志を貫いていました」

交渉に敗れた女性は席へ戻り、「3100ドルも払ってるのにアルコールも飲めないなんて有り得ない」と大音量で愚痴をこぼす。

運悪く周囲に配置された搭乗客たちは、「えらい席引いたな」と目配せを交わし、言葉もなく連帯感を深めていた。驚くべきことに、女性はこの後も隣の男性CAを叩き起こしてはギャレーへ突撃する行為を3回も繰り返したのだ。

極秘ルートの「密売ビール」の味

ここで加賀さんは、「深夜便ぶっ通しの迷惑行為を通じて、私の中の悪魔がいたずらに目を覚ましました」と振り返る。

「こんな状況ですが、1年間頑張った自分へのご褒美として、どうしても私の喉は麦芽とホップを求め出してしまったんです」

加賀さんは”状況わかってますので小声で”という雰囲気を漂わせながら、CAに「ビール、何がありますか?」と尋ねた。当然、CAが押してきたカートにアルコールは積まれていない。

数分後、わざわざギャレーへ戻ったCAは、「まるで禁酒法時代の地下バーで、警察の目を盗んで密売酒を渡すかのような動き」で、無言のまま加賀さんのテーブルにそっと缶ビールを置いたという。

後ろで荒ぶる女性に気づかれないための、見事な配慮だった。

「ヒヤヒヤしながらも『プシッ』と音を立てて栓を抜きました。深夜便のエンジン音にかき消されたのか、幸いにも後ろからの反応はありませんでした。あの瞬間に飲んだビールは最高でしたね」

降機の順番が来てギャレーを通過する際、おせんべいを持ってきたあのCAが「本当にごめんなさい、ありがとうございました」と深々と頭を下げてきた。

隣で何度も叩き起こされながら、最後まで不満や苛立ちを見せなかったデッドヘッドの男性CAも含め、加賀さんは彼らのプロ意識に深く感動したという。

「女性を刺激し過ぎず、ただし安全基準は譲らない。ああいった修羅場を幾度となく乗り越えてきた現場の経験値やプライドが、ナショナルフラッグとしての地位を支えているのだと感じました」

加賀さんは最後に、「あの深夜便で一番プレミアムだったのは、3100ドルの航空券ではなく、CAさんが”極秘ルート”で提供してくれた、あの一缶のビールだった気がします」と称賛を送っている。

※キャリコネニュースでは「あなたが目撃した衝撃クレーマー」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/BNPYRIJ9

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