現場検証のため、火災が起きた道頓堀の雑居ビルに入る大阪府警の捜査員ら=2025年8月19日、大阪市中央区 大阪・道頓堀の雑居ビル火災で、重過失失火容疑で男が書類送検されたことを受け、殉職した消防隊員、森貴志さん=当時(55)=の遺族が14日、大阪市を通じてコメントを出した。たばこのポイ捨てが出火原因とみられることに、「人災と分かり、やりきれない気持ちでいっぱいだ」と苦しい心境を明かした。
コメントによると、森さんは重たい荷物を持って困っている高齢者がいれば自然と手を差し伸べる、優しくて温和な人柄だった。非番の日は疲れていても子どもの面倒をよく見る子煩悩な性格だったという。
しかし昨年8月、ビル内で消火作業中、後輩隊員の長友光成さん=当時(22)=とともに命を落とした。遺族は「今回の火災は個々が守るべきことを守っていれば起きなかった。2人の尊い命がこのような形で奪われたこと、残念でならない」と記した。
火災は外壁に設置された複数の屋外広告を伝って燃え広がったが、これらは建築基準法などに違反した状態だった。「今なお違法な看板が掲げられていることに恐ろしさを感じる。再度厳しく法整備していかないと、またいつか同じようなことが起こるのではと懸念している」と危機感を示した。