米国でも注目集めるフレッシュマンサイアー争い

0

2026年07月15日 21:00  netkeiba

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

netkeiba

▲合田直弘が海外競馬の「今」を詳しく解説!(c)netkeiba
【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】

◆初年度産駒の活躍で早くも勢力図に変化

 今年の競馬も折り返し点を通過。日本の競馬は夏の間はローカル開催中心で、GI競走の催行は秋までない。一方で夏の間も、イギリスではグッドウッド競馬場やヨーク競馬場が、フランスではドーヴィル競馬場が、アメリカではサラトガ競馬場やデルマー競馬場が開催地となり、ゴージャスな競馬が続いて行く。

 そんな中、関係者やファンがこの時期、2歳戦に大きな注目を払うのは、日本も海外も同様である。ことに興味深いのが、この世代が初年度産駒となるフレッシュマンサイアーの動向だ。日本では、エフフォーリア、サリオス、ホットロッドチャーリーらが好ダッシュを見せ、強い印象を残している。

 外国供用馬では、フライトラインが日本で既に2頭の勝ち馬を送り出し、大きな話題となっている。同馬の本拠地である米国におけるフライトライン産駒は、まだそれほど大きなムーブメントにはなっていない。

 米国のフレッシュマンサイアーで、鋭いスタートダッシュを見せたのが、アシュフォードスタッドで供用されているゴールデンパル(父アンクルモー)だ。

 ゴールデンパル自身が現役時代は非常に仕上がり早で、デビューしたのは2歳の4月17日だった。初戦となったガルフストリームパーク競馬場のメイドン(d4.5F)で2着に敗れたにもかかわらず、次走はイギリスに遠征し、ロイヤルアスコットのG2ノーフォークS(芝5F)で2着に好走。帰国後はサラトガ競馬場のスキッドモアS(芝5.5F)とキーンランド競馬場のG1BCジュベナイルターフスプリント(芝5.5F)を連勝している。3歳時は4戦し、G1BCターフスプリント(芝5F)など3重賞を制覇。4歳時も現役に留まって5戦し、G2シェイカータウンS(芝5.5F)など3重賞を制した。

 ゴールデンパルは23年に種牡馬入り。初年度の種付け料は3万ドルだった。

 25年の1歳馬市場では、133頭のゴールデンパル産駒が平均12万1717ドルと、種付け料の4倍以上の価格で購買され、マーケットの評判も上々だった。

 7月13日現在、北米でゴールデンパル産駒は25頭がデビュー。このうち28.0%にあたる7頭が勝ち上がっている。この出走頭数の25頭、勝ち馬頭数7頭というのは、いずれも新種牡馬の中では最多で、期待通りの好ダッシュを見せていると言ってよさそうだ。

 現段階で、ゴールデンパル産駒は日本では2頭が登録されているが、いずれも未出走である。

 さて、ゴールデンパル産駒の、目下の総収得賞金は42万7389ドル。これは、フレッシュマンサイアーの賞金順ランキングでは、第2位。すなわち、現段階でゴールデンパルよりも産駒が多く稼いでいる新種牡馬がいるのである。

 7月13日現在、50万537ドルを収得し、フレッシュマンサイアーランキングの首位にいるのは、ウインスターファームで供用されているライフイズグッド(父イントゥミスチーフ)である。

 同馬のデビューは、2歳の11月22日だったから、ことさらに仕上がりの早かった馬ではなかった。だが、デルマー競馬場のメイドン(d6.5F)を9.1/2馬身差で制して緒戦勝ちを飾ると、年明け早々にサンタアニタ競馬場で行われたG3シャムS(d8F)を制し無敗の重賞制覇。続くG2サンフェリペS(d8.5F)も8馬身差で制し、無敗の3連勝を果たした。

 当然のことながらケンタッキーダービー候補となったのだ、3月になって調教中に左後肢を負傷。球節に剥離骨折が見つかり、骨片の摘出手術を受け、戦線を離脱することになった。

 5か月半の休養を経て、ライフイズグッドは8月に戦線復帰。休み明けだったG1アレンジャーケンスS(d7F)は2着に敗れたが、その後は、G2ケルソH(d8F)、G1BCダートマイル(d8F)を連勝して3歳シーズンを終えた。

 4歳時は6戦。G1ペガサスWC(d9F)、G1ホイットニーS(d9F)、G1ウッドワードS(d9F)という3つのG1を含む4勝をマーク。通算成績12戦9勝、通算で454万ドルの賞金を収得した同馬は、23年に種牡馬入り。初年度の種付け料は10万ドルだった。

 ライフイズグッドの初年度産駒は、25年の1歳馬市場にて81頭が平均価格31万0741ドルで購買されている。マーケットの評判も上々だったと言ってよさそうだ。7月13日現在、北米でライフイズグッド産駒は13頭がデビュー。このうち38.4%にあたる5頭が勝ち上がっている。そのうちの1頭が、ウェスリー・ウォード厩舎のワグリー(牝2)だ。4月8日にキーンランド競馬場で行われたメイドン(d4.5F)でデビューし、ここを3と1/2馬身差で制し緒戦勝ちを飾ると、続いて4月29日にチャーチルダウンズ競馬場で行われたケンタッキージュベナイルS(d5F)に出走。ここも勝って無敗の連勝。さらに、7月11日にプレイリーメドウズ競馬場で行われたプレイリーゴールドジュニアSも4.3/4馬身差で制し、無敗の3連勝を果たした。

 ワグリーは3戦合わせて26万7205万ドルを収得。父がフレッシュマンサイアーランキングで首位に立つ上で、主導的役割を果たしている。日本では、ライフイズグッドの2歳馬は3頭が血統登録されているが、いずれも現段階では未出走である。さて、日本で既に2頭の勝ち馬を出しているフライトライン。アメリカでは6頭がデビューし、このうちフライトコマンドという産駒が6月25日にアケダクト競馬場のメイドン(d5.5F)を10馬身差で制して初勝利を挙げているが、現段階での勝ち上がりは1頭のみとなっている。

(文=合田直弘)

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定