「日本はまだ自由主義の国と言い難い」袴田巌さんの姉・ひで子さん パリの死刑廃止会議で感じた“世界との温度差”…マクロン大統領にも助力を直訴

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2026年07月17日 16:10  web女性自身

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「事件に巻き込まれたとき、弟は30歳でした。それが今では90歳になり、すっかりおじいさんになってしまいました。昔の若かった頃の姿に完全に戻してくれとは言いません。しかし、これで終わりにしていい問題ではありません。



なぜなら、日本にはまだ死刑制度が残っているからです。そして、国民の間にも死刑を容認する声が今なお根強くあります。私は、死刑制度が一日も早く、この世からなくなることを心から願っています」



6月末、パリで開かれた「死刑廃止会議」で、そう訴えたのは袴田ひで子さん(93)だ。



ひで子さんの弟・巌(いわお)さんは、今から60年前、当時勤務していた静岡県の味噌工場で発生した一家4人の強盗殺人事件の犯人とされ、死刑判決を受けた。しかし、2024年9月26日、再審で無罪判決が言い渡され、10月に無罪が確定した。58年に及ぶ冤罪との闘いに終止符が打たれた。



ひで子さんはパリでの会議でも、「冤罪を訴えて58年間闘ってきた」と振り返り、冤罪事件で取り返しのつかない結果を生む可能性がある死刑制度の廃止を強く訴えた。



巌さんが無罪を勝ち取ったあとも、ひで子さんは「弟だけよければいいという問題ではない」と語り、今国会で審議中の再審法改正案についても、「現行制度では冤罪被害を十分に救済できない」として、より実効性のある法改正を求める活動を続けている。



■「日本よりも世界のほうがひで子姉さんを待っていた」



「巌は今でも妄想の世界にいるんです。長年の拘禁による後遺症は、なかなか治りません。だからこそ、死刑制度はなくなってほしい。パリでのスピーチでは、そのことも訴えました」



会場の反応は、ひで子さんの想像を超えるものだったという。



「良かったと思います」



そう穏やかに振り返るひで子さん。一方、長年巌さんとひで子さんを支援し、今回のパリ訪問にも同行した猪野待子さんは「日本よりも世界のほうがひで子姉さんを待っていたんじゃないかと思いました」と話す。



会場では人権担当大臣や世界会議の主催者らがひで子さんを出迎え、スピーチ後には大きなスタンディングオベーションが送られた。10代の若者たちとの交流では、「今どんな生活をしているのか」「拘禁による後遺症とはどのようなものなのか」といった質問が次々と寄せられ、涙を流しながら耳を傾ける参加者もいたという。



ひで子さんも、「日本では『どうして頑張れたんですか』と聞かれることが多いんです。でもパリでは、『なぜそんな事件が起きたのか』『なぜ47年7カ月も拘置されていたのか』など、日本の司法のおかしさや、事件そのものについて知ろうとする質問が多かったですね」と振り返る。



フランスのエマニュエル・マクロン大統領(48)とも言葉を交わす機会を得た。



「日本にはまだ死刑制度が残っています。死刑制度がなくなるよう、ご協力をいただきたい」



ひで子さんがそう訴えると、マクロン大統領からは「日本を訪れるたびに、その時々の総理大臣に死刑制度廃止を働きかけているが、なかなか聞き入れてもらえない」という趣旨の言葉が返ってきたという。





■獄中の手紙に足を止める人々



今回の「死刑廃止会議」では、会場内に袴田事件を紹介する特設展示も設けられていたという。



「会場の上階を囲むように並べられていたのは、事件の経過を伝える資料や写真、そして巌さんが獄中から家族へ送り続けた手紙の数々でした。一通一通にフランス語などの翻訳が添えられ、まるでモニュメントのような展示になっていました。



昨年、世界会議のスタッフが袴田家まで来てくださって、獄中の手紙を一枚一枚撮影し、資料も丁寧に確認してくれて。本当に時間をかけて準備してくださったんです」



そう振り返る猪野さんは、展示を目の当たりにし、「袴田事件は、もう日本だけの問題ではなく、世界の袴田事件になっているんだと実感しました」と語る。



来場者は、巖さんの心の叫びともいうべき言葉の数々に目を留めていた。その光景を見れば見るほど、猪野さんの胸には複雑な思いが募った。



「再審無罪まで58年も要した 袴田事件が再審法見直しのきっかけだったのに、日本政府は改正どころか“改悪”の方向に法整備を進めようとしています。世界中の人たちがここまで袴田事件を真剣に受け止めてくれているのに、日本の現状が恥ずかしくて、海外の方に話せませんでした」



ひで子さんも、現在国会で審議されている再審法改正案について、「本当に冤罪被害者のことを考えているとは思えない内容です。国の立場を守るための改正では意味がありません」と指摘する。



さらに、「冤罪被害者を救うためにはどうしたらいいのか、その立場から制度を考えてほしい。もっと心を広く持って考えてもらいたい」と訴えた。



■『もっと世界に目を向けてほしい』93歳、今も訴え続ける理由



一方で、パリでは束の間のオフタイムも楽しんだ。滞在中はエッフェル塔を訪れた。行く先々で出会った日本人観光客からは、「応援しています!」と声をかけられ、滞在したホテルでも、朝食のたびに世界各国から集まった宿泊中の参加者から「昨日のスピーチは素晴らしかった」と賞賛されたという。



現在90歳になった巌さんは、自宅では歩けるものの、外出時は車いすを利用することが多い。それでもひで子さんは「巌は『ハワイへ行きたい』って言うんですよ。今年は行こうね、と話しているんです」と、笑顔を見せた。



93歳になった今も、冤罪被害をなくすために尽力するひで子さんはこう語る。



「今回、国外へ行って改めて感じたのは、日本はまだまだ封建的なところがあるということです。『自由民主主義の国』と言っていますが、本当の意味で自由な社会とは、まだ言えない部分があると思います。もっと世界に目を向けて、広い視野で物事を見てほしい。日本の中だけで『これでいい』と考えてしまうから、こういう事件も起きるのだと思います」



ひで子さんの訴えは、未来の冤罪被害者を生まないために向けられている。

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  • 私は死刑廃止反対だが この人だけは死刑廃止を叫んでもいいと思う。で警察は死刑廃止の論拠になるから冤罪を生み出すようなことをするな。
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