Arm版Windows 11は“普通”に使えるのか? 「FMV UQ-L1」で試して分かった快適さと“鬼門”

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2026年07月22日 17:11  ITmedia PC USER

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旅先でも大活躍のFMV Note U(FMV UQ-L1)

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)としては初めてとなるArmアーキテクチャ採用のPC「FMV Note U(FMV UQ-L1)」も手になじんできた。


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 今回は、一部の皆さんが気になっているであろうアプリの互換性についてチェックしていきたい。


●Arm版Windows 11におけるアプリの互換性について


 ArmアーキテクチャのCPU(SoC)を搭載するWindows PCは、従来のx86アーキテクチャのCPUを搭載するWindows PCとは互換性が全くない。これはアプリも同様で、ArmアーキテクチャのWindows PCではArmアーキテクチャの32bit/64bitアプリを利用するのが原則だ。


 ただ、世の中のWindowsアプリの多くは、x86アーキテクチャの32bit/64bitアプリだ。特に個人制作、あるいは企業が内部利用のために開発したアプリだとArmアーキテクチャに対応していないことも珍しくない。「パッと見は同じなのに、アプリが全く動かない」と、困惑してしまうだろう。


 そこでMicrosoftは、Arm版Windows 11にx86アーキテクチャ向け32bit/64bitアプリのエミュレーション環境を搭載しており、多くのx86アプリが問題なく動作可能だ。


 このエミュレーション機能は「Prism(プリズム)」と呼ばれており、リアルタイムにエミュレーションする「ジャストインタイムコンパイル」方式を取っている。そのため、アプリやサブプログラムの初回実行時に待たされることはない。ただし、x86アーキテクチャPCで実行する時と比べると応答が若干遅くなることはあるが、違和感を覚えるレベルではない。


 ごく一部の例外(後述)を除けば、全く“普通”に使える。


 なお、Microsoftでは「Arm64EC」という仕組みを用意している(ECは「Emulation Compatible」の略)。


 Arm64ECで構築されたコードは、Arm64のネイティブコードとx64(64bitのx86)のネイティブコードが“混在”しており、「アプリの主要部分はArmネイティブで、プラグイン(アドオン)機能はx86エミュレーションで」という動かし方ができる。


 プログラマーにとって、いきなりArmネイティブのアプリを作るのは難しいこともある。Arm64ECを使うと「x64コードを順次Arm64コードに置き換えていく」ことが可能なので、緩やかなArmアーキテクチャへの移行を図ることができる。


●純正アプリは一部を除き「x64」のまま


 国内メーカーのコンシューマー向けPCはプリインストールアプリが多い――そういうイメージを持っている人も多いと思う。しかし、FMV UQ-L1に限って言えば他のFMV Note Uシリーズと比べるとシンプルで、FCCLオリジナルアプリは以下のものに限られる。


・はじめに行う設定(初期設定のヘルパー)


・FMVアドバイザー(PCのサポート/サービス情報)


・Float Access(画面に常駐するフロートメニュー)


 このようにアプリ数が絞られているのは、恐らくArmアーキテクチャゆえだと思われるが、「プリインストールアプリは少なければ少ないほどいい」と考えている人にはむしろ好都合だ。


 なお、これらのアプリはx64コードで構築されているが、本製品で問題なく動作する。


●サードパーティーアプリはおおむね対応 ATOKも基本的に快適


 先述の通り、Arm版Windows 11にはPrismというx86/x64エミュレーション機能が備わっているので、多くのアプリは快適に動作する。また日本マイクロソフトでも国内開発者に対してArmネイティブアプリの開発支援を行っており、日本市場固有のアプリでもネイティブアプリは増加傾向にある。


 筆者の仕事を踏まえると、ジャストシステムの「ATOK Passport」がArmネイティブ対応したことは、ArmアーキテクチャのWindows PCの実用性を飛躍的に高めてくれた。


 ATOK Passportの対応により、FMV UQ-L1を“仕事で”使う上での問題はなくなった(執筆/編集した原稿の掲載作業を除けば)。


●鬼門は「HDDレコーダーの番組再生アプリ」


 仕事で使う上ではほぼ困らなくなったFMV UQ-L1だが、プライベートで使う場合は1つ、非常に困ることがある。HDDレコーダーに録画したTV番組を見ることができないことだ。


 ネットワークを介してHDDレコーダーやTVチューナーにアクセスし、テレビ番組を視聴/再生する場合は「DTCP-IP」という著作権保護技術に対応する動画再生アプリが必要となる。Windows PC向けのアプリとしては、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズの「PC TV Plus」と、デジオンの「DiXiM Play」が有名どころである。


 これらのアプリは、著作権保護の処理においてCPUだけでなくGPUにも依存しているため、ArmアーキテクチャのWindows PCでは一切動作しない。厳密にいうと、両アプリ共にインストール自体は可能で、アプリも起動できるのだが、レコーダー/チューナーのコンテンツを再生しようとすると著作権保護エラーで起動できない。


 約2年前にArmアーキテクチャの「Surface Pro(第11世代)」をレビューした時と、この状況に変わりはない。ATOKの問題が解消した今、MicrosoftとQualcomm、そしてQualcomm製SoCを搭載するPCを販売するメーカーは、ぜひ「録画したTV番組が見られない問題」「TVチューナーを使ったリアルタイム視聴ができない問題」をどうにかして解消するように、アプリ開発者に働きかけをしてほしいところである。



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