写真あなたはかつてお付き合いしていた男性と復縁したことがありますか?
今回は、昨年離婚したばかりだという佐藤未来さん(仮名・32歳)のエピソードをご紹介しましょう。
◆夫婦のベッドで見てしまった最悪の光景
「元夫の拓也(仮名・35歳/飲食店勤務)が25歳の女と不倫して、その女と結婚したいから別れてくれと言ってきたんですよ。こっちこそお前なんか願い下げだと思っていたので、すぐ了承しました」
しかも拓也さんの不倫が発覚したきっかけが酷くて……。
「ある日私が出社しようと電車に乗っていたら体調が悪くなってしまい、会社に連絡してテレワークに切り替えてもらったんです。そして自宅に戻ると……普段夫婦で使っているベッドで、拓也と女性が全裸で眠っているところを目撃してしまったんですよ」
驚いたと同時に、未来さんが帰ってきたことに気づかずに行為の余韻に浸りながら気持ち良さそうに寝ている2人の図々しさをおぞましく思ったそう。
◆悲しいとかショックとかではないけど
「私が大声を出すと飛び起きたので、とりあえず女を追い出して、その後は拓也と掴み合いのケンカになりましたね」
拓也さんはその不倫相手にかなり入れ込んでいるようで、服を着ている最中の彼女を未来さんが乱暴に玄関から押し出したことについて、非難してきたのです。
「はぁ? 私は全く悪くないのになんでお前がキレてんだよって感じですよね。しかも、そのまましばらく揉めた後で拓也は急に我に返ったみたいになって、その女を追いかけて家を出て行ってしまったんですよ! ホント最低すぎて呆れてしまいます」
そんな裏切りを受けてしまった未来さんですが、拓也さんとの関係自体には全く未練がなく、離婚後の一人暮らしを楽しんでいたそう。
「悲しいとかショックとかはあまり思いませんでした。ただムカついて仕方がない! それだけでしたね」
◆1年後、なぜか元夫から食事の誘い
それから1年後。そんな騒動も思い出になりかけていた頃、久しぶりに拓也さんから連絡がきました。
「事務的なことでたまに連絡は取っていましたが、なぜか急に食事に誘われたんですよ。反射的に断りましたけど」
ですが懲りずに拓也さんが何度も誘ってくるので「いったい何なの?」と聞いてみると「話がしたい」と言うので、未来さんは仕方なく電話することを許可したそう。
「話を聞いたら、実は私と別れた後すぐに、例の不倫相手には振られたそうなんです。彼女は不特定多数の男性と同時進行で関係を持っていて、拓也は別に彼女にとって特別な存在じゃなかったみたいなんですよ」
◆「寂しくてたまらない」
未来さんは、てっきり元夫は彼女と結婚して幸せに暮らしているんだろうと思っていたのでつい笑ってしまいました。
「私と離婚までして追いかけたあの女に捨てられていたなんて! 本当にバカですよね。我慢できず大笑いしていたら拓也に『それ以来ずっと独りなんだ。でも自業自得だから我慢していたんだけど、寂しくてどうしても誰かとご飯食べたくてたまらないから、付き合ってほしい』と熱心にお願いされて……正直微妙だなとも思いましたが、拓也のシュンとしている様子がちょっと面白かったのでOKしてみたんです」
そして数日後、拓也さんが予約してくれたお店に行ってみると、高級そうなイタリアンレストランでした。
「あのケチな拓也がこんなお店を? これはまさか……と身構えていたら『未来ちゃんを失ってみて、ようやく大切さやありがたみが身に沁みて分かったんだ! もう絶対に悲しませるようなことなんてしないから、俺とやり直してほしい』と復縁を迫られ、やっぱりそうなるかという感じでしたね」
◆情にほだされてしまうのか?
久しぶりに会った拓也さんは以前よりかなり痩せていて、肌の色も悪く明らかに不健康そうでした。
「そんな拓也が必死になって私に追いすがってくる様子が切なくて。たとえるなら、1年前に私の手を噛んで逃げていった飼い犬が、ある日いきなり痩せ細ったボロボロの姿で帰ってきて、一生懸命に甘えて助けを求めているような……そんな風に見えてきたんです」
何だか放っておいたら野垂れ死にしてしまいそうな拓也さんの雰囲気に、つい心が動いてしまった未来さんは「じゃあまた友達からやり直しだからね。不愉快な思いをさせられたら即、縁を切るから」となぜかOKの返事をしてしまったんだそう。
「そんなつもりはなかったのに、つい情にほだされてしまったというか……私ってお人好しだなと思いましたね」
◆心を入れ替えた元夫の態度に
ですがそれ以来、拓也さんは本当に心を入れ替えたようで、未来さんに対する細やかな気遣いが感じられるようになりました。
「よっぽど独りでいた1年間がこたえたのか、私と楽しい時間を過ごそうとする姿勢というか、集中力がすごくて(笑)。なんだかんだで今は友達から彼氏に昇格しました。あの経験から学んだことを教訓にして、同じような失敗を二度と繰り返さないでほしいですね」と微笑む未来さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop