ドジャースが“最強左腕”スクーバル獲得へ? 大谷翔平の左膝問題で高まる「大型トレード」の現実味

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2026年07月24日 16:01  日刊SPA!

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「Los Angeles Dodgers」公式Xポストより引用
 再びドジャースは動くのか——。MLBのトレード期限が約10日後に迫るなか、タイガースの左腕タリク・スクーバルを巡り、王者の名前が移籍先候補として浮上している。
 現時点で、ドジャースが本格的な獲得交渉に入ったと確認されたわけではない。豊富な若手と資金力を持つため、「大型トレードを成立させられる球団」として周囲が名前を挙げている面もあるのだろう。

◆ドジャースに「スクーバル獲得説」が浮上した背景

 それでも、ドジャースとスクーバルが結びつく理由はシンプルだ。大谷翔平、山本由伸、ブレーク・スネル、タイラー・グラスノーらを抱えながら、先発陣の10月は決して盤石ではない。

 問題は名前の豪華さではなく、その顔ぶれがポストシーズンに万全でそろう保証がないことだ。大谷は左膝の問題で投手としての登板を見合わせ、スネルとグラスノーも故障からの復帰へ向けた調整段階にある。

◆ポストシーズンで必要な「複数の絶対的エース」の存在

 レギュラーシーズンでは、長丁場を乗り切るための先発候補が必要になる。一方、短期決戦では人数よりも、第1戦、第2戦を迷わず任せられるエースが何人いるかが重要になる。

 先発投手以外にも補強すべき部分はあり、スクーバルが最優先の補強対象だと断言できる材料はない。それでも、絶対的なエースが一人増える効果は極めて大きい。

 山本以外の投手が10月にどこまで本来の球を投げられるかわからない以上、スクーバルは先発陣の不確実性を相対的に減らせる存在になり得る。

 もちろん、スクーバル自身にも不安がないわけではない。5月に左肘の手術を受けており、再離脱のリスクが消えたわけではないからだ。

 ただ、すでに実戦へ戻り、結果を残している点では、復帰時期や復帰後の状態が見通せないドジャースの故障者より、現時点では計算を立てやすい。2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた力を発揮できれば、山本と並んでポストシーズン初戦を託せる左腕となる。

 ドジャースにとっては、明確な弱点を埋める補強というより、想定外を一つでも減らす“10月の切り札”だ。自軍の先発陣を強化するだけでなく、他の優勝候補がスクーバルを獲得し、10月に立ちはだかる事態も避けられる。

◆タイガースが「簡単には放出できない理由」

 一方で、タイガースが簡単にエースを売れる立場ではないことが、交渉を難しくしている。

 タイガースは借金を5つ抱える厳しい状況にありながら、プレーオフ進出の可能性を残している。スクーバルを放出しても直ちに今季終了を意味するわけではないが、絶対的エースを失えば、逆転進出の難易度が大きく上がるのは避けられない。

 何より、スクーバルは単なる主力ではない。タイガースが今季の希望を現実につなぎ留めるうえで、最も重要な存在である。

 本人もタイガースで戦い続けたい意向を示している。AP通信の取材で「このチームにはワールドシリーズを勝つチャンスがあると思う」と語り、デトロイトで今季を終えたいとの希望を明かした。

◆「売れば白旗」「残せば勝負」という単純な二択ではない

 ただ、スクーバルは今季終了後にFAとなる。もしスクーバルを残してプレーオフを逃せば、高い交換価値をトレードに生かせないまま、エースを失う恐れがある。

 これは「売れば白旗」「残せば勝負」という単純な二択ではない。即戦力を含む十分な見返りを得られれば、タイガースには今季の競争力を完全には捨てず、来季以降の戦力も厚くする道が残る。

 その難題に応えられる球団の一つがドジャースだ。潤沢な資金力に加え、長年の育成と編成によって、有望株やメジャーで起用できる若手を蓄えてきた。

 しかし、「出せる」と「出すべき」は別の話である。若手は大型トレードの交換材料であると同時に、故障者が出た際の穴を埋め、高額契約の選手が並ぶチームを長期的に維持するための土台でもある。

 スクーバルを獲得するには、その一部を切り崩す覚悟が必要になる。数か月の補強のために、すぐに投げられる若手や将来の主力候補を手放せば、その影響は今季だけでは終わらない。

◆ドジャースは未来を削ってまで勝負に出るのか

 もちろん、ドジャースがスクーバルを加えても、世界一が保証されるわけではない。短期決戦では一つの守備ミスや打線の不振で、どれほど強いチームでも姿を消す。

 それでも、わずかな不安を残したまま10月へ向かうのか。世界一の確率を少しでも高めるため、ドジャースはどこまで未来を差し出すのか。

 タイガースが「Vへの希望」を売るかどうかは、ドジャースがどこまでの対価を差し出すかに懸かっている。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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