多田有花2022年6月にセクシー女優デビューした、多田有花さん。
CAから秘書を経てセクシー女優デビューした異色の経歴がたびたび話題になる一方、2024年には日本だけでなく海外でもニュースになった「炎上事件」を経験しました。
◆「誰かの愛人らしい」デマ情報に反論したら炎上
――多田さんはSNSでの発信が炎上して、ネットニュースに取り上げられるという経験をなさっていますよね。どういった経緯があったのか、お話ししてもらえますか?
多田 有花(以下 多田):あれは、ついカッとなって書いてしまったのもあって、反省しているんですけれど……。
そもそもは、私に関するウソの情報を流している人がいて、それに対する反論として書いたんです。
――「夫自慢します。東証プライム上場会社オーナー会長で妻セクシー女優して何が悪いの?笑」という内容でした。
多田:私はSNSで「多田有花」を演じているわけではなくて、普段通りの日常を書いているんですね。「〇〇を買った」「旅行に行った」とか。
それに反感を持った業界のある人が、私のことを「誰かの愛人をしているから、いい生活している」とずっと言っていたんですよ。
そのせいで、初めて会う人から誤解されることもあって。「いい加減にしてほしい」って思って、あの投稿をしたんですよね。
――ウソ情報で、誹謗中傷ですからね。反論したくなっても当然ですよ。ただ、その投稿がアンチの呼び水になってしまった。
多田:「品性がない」とか、いろいろ言われましたね。
◆「セクシー女優=かわいそうな人」というアンチの定義
――相手がセクシー女優というだけで、アンチになる人間もいますから。現役の子だけでなく、引退した子にも平気で「世の中に出てくるな」なんて言えちゃう。
多田:本当におっしゃるとおりで。私のときもそうだったんですが、そういう人たちは「セクシー女優=かわいそうな人」って定義がうれしいのかな、と思います。
もちろんなかには「借金がある」とか、複雑な事情があって出演する子もいるかもしれません。でも今はAV新法もあって、出演を強制される時代ではないですよね。
今デビューする人は、ほかの女優さんに憧れてとか、男優さんのファンだとか、やりたいことをやりたいからとか、そういう理由がほとんど。自分の道は自分で選べる時代になったんですよ。
――嫉妬の心もあるかもですね。「エッチなことをするだけで稼いでいる」なんて言われるのも、その表れで。
多田:以前、YouTubeでキャバ嬢の子が風俗の子を、使いたくない言葉ですけど「売女」ってフレーズを使って見下す、ということがありました。
上下関係、変なヒエラルキーを作りたがる。他人を貶める言葉を使って、自分のほうが上だと思いたがるところに、腹が立ちますね。
――そういう意味で言えば「セクシー女優は社会の底辺」だとしておきたいんですよ。そうやって、自分を安心させるんです。だから、多田さんの場合はあの投稿が変に目立ってしまって、炎上してしまった。
多田:書きすぎたと反省していたんですが、主人に話したら笑って達観していたのがありがたかったですね。でも予想外だったのが、海外でネットニュースになったり、ゴシップ誌に取り上げられたりしたことで。
◆TAEでのファンの温かい言葉に思わず涙……
――そこまで広まったんですか。
多田:だから私、先日TAE(台湾アダルトエキスポ)に行ったときもめちゃくちゃ怖かったんですよ。そんな記事が海外でも知られていて、アンチがいる女優のところになんて誰も来てくれないんじゃないかって。
でも全然そんなことはなくて、多くのファンが来てくださったんです。
――それは良かったです。
多田:勇気を出して「あんな記事が出たのに、なんで私のファンでいてくれるんですか」って聞いてみたんです。
そうしたら「もちろんアンチもいるよ。でも僕も含めてみんな、君のそういう部分も含めてファンなんだ。だから怖がらず、自信を持って」って言っていただいて。ありがたくて、ファンの前なのにボロボロ泣いちゃいました。
◆自分に自信があるから、どの仕事に対しても偏見がない
――本当、ファンの存在はありがたいですね。ネットの奥のアンチより、現実で応援してくれるファンを大事にしましょう。ところで、多田さんご自身はアダルト業界に対して偏見は持っていなかったんですか?
多田:全然なかったですね。そこまで深く業界について、知っていたわけでもないですが。と言うか、私はどのお仕事に対しても偏見を持つことってないんですよ。
――偏見を持つ、持たないって、どんなところで違いが生まれるんでしょうね?
多田:私は「自分は自分、相手は相手」で、完全に切り離して考えるタイプだからですかね。自分に対して自信があるから。
自分で自分の人生の責任を取れる覚悟があるから。こんなことを言うとまた炎上するかもしれませんが(笑)。
――他人基準で生きていない。だからこそ、他人のこともあるがままに、フラットに見られるってことですね。
多田:その人自身がやるって決めてやっていることに対して、他人がとやかく言う筋合いはないですし。
――ただ、表に立つ人間になると、どうしてもいろいろ言われることもあります。多田さんはそのあたり、今後はどう対応していくつもりですか?
多田:私の中で、基準があるんですよ。例えば「多田有花、嫌い」とか「殴りたい」とかは、法律的な話はともかく、私自身は気にしないで放っておきます。だって、人間には好き嫌いがあるので、私のことが嫌いでも仕方ないですから。
でも、ウソで人を貶めるのはダメ。もう喧嘩を買うつもりで反論しちゃいます。
――ウソはダメ、と。
多田:炎上した投稿をしたきっかけも、主人に関するウソですから。そのあたりの基準は、ずっと変わりませんね。
◆人って引き際が肝心だとも思っています
――セクシー女優の仕事は、今後も続けていきますか?
多田:実は、自分のなかではもう引き際は決めていて。この仕事をするにあたって、10個の目標を立てたんですよ。今のところ、そのうち9個が叶ったんです。
――あと1個ですか。
多田:そう、あと1個。人って引き際が肝心だとも思っていて。
「あの人、リリース本数減ってきたよね」「そろそろ引退かな?」なんて言われないで、自分が「やりきった」と思えた瞬間にやめたいんです。それで、そのあとはもう一切表に出ないようにしたい。
――具体的にいつまで、と決まっているわけではないようで、少し安心しました。次の仕事などは考えているんですか?
多田:今、実はアナウンス教室に通っていて。司会とかナレーションとか、声のお仕事を次のステップにしたいと考えています。もし「自分に合っていない」と思ったらスパッと次に行っちゃうんですけど。
――楽しんで仕事できることが重要なんですかね。では、セクシー女優は楽しんで続けていますか?
多田:すごく楽しいですね。スタッフさんも男優さんも、とにかく「いい作品を撮りたい」って気持ちが強い、職人さんなんですよ。そんな場所に同じチームとして参加できて、感謝しかないです。
◆仕事をするうえで大事なのは「人とのつながりを大切にすること」
――やりがいを感じながら仕事できているようで、何よりです。
多田:あと、以前の事務所の社長に言われた言葉があって。
「この仕事は、ファンの方が作品を購入してくださって成り立つ。でもその前に、まず業界のスタッフさんにファンになってもらってこそ、お仕事が来て作品を出せる。それは絶対に忘れちゃダメ」って。
――大事なことです。
多田:だから今、AV新法で「仕事がない」って女の子も多いですけど、それを「事務所のせい」とか「新法のせい」だけにしちゃうのは、ちょっと違うんじゃないかなって。
目の前の人たちを大切にできていないと、お仕事ももらえないですし。お仕事って、結局人と人とのつながりだと思うので。
――セクシー女優に限らず、ほかのすべての仕事にも共通する話ですよね。
多田:はい。もちろん、私もまだできていない部分はたくさんあるし、なによりそれを直接指摘するとまた炎上しちゃいそうなので、しないですけど(笑)。そういう点を忘れず、お仕事を続けていきたいと思います。
<取材・文/蒼樹リュウスケ 写真/荒熊流星>
【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター