隠すか、見せるか ビジネスマン向け“ファン付きウェア”、2つのアプローチ

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2026年07月25日 08:40  ITmedia NEWS

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FREEZETECHブースのマネキンが着ていたスケルトンモデル

 年々、暑くなる日本の夏。外で活動する人達の間では、ファン付きウェアがもはや当たり前の存在になった。しかし、まだ利用しにくいシーンが多いのも事実。例えば、ビジネスシーンやフォーマルな装いが求められる場所に着ていけるものは少ない。


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 ファン付きウェアは、まずファンが目立つ。そして外気を取り込み、袖や首元から排出するという構造上、ファンが動いている時にはどうしても服全体が膨らんでしまう。“きちんとした服装”とは相性が悪い。


 しかし、そんな難しい商品開発に果敢に挑戦している会社もある。今回はデザインと構造という面からビジネスパーソン向けのファン付きウェアを開発する2社のアプローチを紹介する。


●シルエットや肩周りをスマートに


 「洋服の青山」を展開する青山商事は、「シャツアウター」と呼ばれるスタイルの「空調ウェア」を発売した。


 開発担当者によると、シャツアウターとは「シャツの軽快な仕立てでありながら、アウター(上着)として羽織ることができるアイテムのこと」。今回の製品では、ビジネスシーンにおいて、より“きちんと感”を演出できるデザインとしてこの形を採用したという。


 ファンを動かすとある程度は膨らむ。それでもスーツ作りのノウハウを生かし、スマートに見えるシルエットを目指した。


 「空調ウェアとしてデザインする上で最も苦労したのは、やはり涼しさを保つための空気層とすっきりとした見た目の両立です。ファン稼働時にウェア全体が膨らんでしまうのですが、衣服内の風の循環をしっかりと保ちながらもスマートに見える独自のパターン(型紙)を追求しています。スーツ作りで培った“肩周りのなじみ”といったノウハウも、この独自のシルエット作りに大きく貢献しています」。


 一方、ファンやバッテリーといった部分は、作業服としてのファン付きウェアで実績のある「FZN・空調風神服」ブランドを展開するサンエスが協力した。


 「空調風神服のノウハウや特許仕様に洋服の青山ならではのデザイン性を掛け合わせて誕生しました。デザインを重視したからといって、実用性や性能面で妥協をしているわけではありません。むしろビジネスパーソンが日常的に使いやすいよう、長時間の着用でも疲れにくい軽量設計を追求しており、付属のバッテリーは約165g、ファンはそれぞれ約95gという軽さを実現しています」。


 バッテリー容量は1万mAh。ファンの最大風量は53L/sec。公表されているスペックによると「強」モードで約3時間半、「弱」モードなら最大約10時間の連続駆動が可能となっている。実用性についてはいずれレビューしてみたい。


●ファンを隠したファン付きスーツ


 「FREEZETECH(フリーズテック)」ブランドの冷感ウェアを展開するリベルタ(東京都渋谷区)は、7月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催された「猛暑対策展」の会場で、開発中のファン付きスーツを披露した。


 ブース内のマネキンが着ていたのは、右側がスーツ生地で左側は透明な素材で覆われた、いわゆるスケルトンモデル。内部構造に着目してほしい、ということだろう。


 スーツ記事の部分を見る限り、ファンは見当たらない。普通のスーツと異なる部分といえば、ウエストのあたりで生地が上下に分かれていること。実はこの上側に小型のファンが隠されていた。


 スケルトン部分を見るとそれがよく分かる。おそらく風路となる青い生地の上に小型のファンがあり、それをカバーするように「テントパーツ」と呼ばれる三角形のパーツを装着している。ファン駆動時にスーツの生地が張り付かないようにするアイテムだ。


 リベルタの広報担当者は発売時期は未定としているが、同様の構造を持つシャツなども展示しており、さまざまな可能性を模索していることが伺えた。


 既存のスーツの見た目に寄せてファンを隠すか、露出したまま服のデザインを見直すか──アプローチはそれぞれだが、ファン付きウェアの活用シーンは今後さらに広がるに違いない。



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