画像提供:マイナビニュース新経済連盟が主催する「JX Live!2026」が7月28日、東京・虎ノ門ヒルズの「TOKYO NODE」で開催された。
特別セッションには超大型ベンチャーキャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)」共同設立者のベン・ホロウィッツ氏、「ナスダック」のアデナ・フリードマンCEO、新経済連盟の三木谷浩史代表理事らが登壇。世界から見た日本の可能性と、グローバルで戦うために必要な環境について議論が交わされた。
○「JX Live!2026」で特別セッション開催「日本で起業するには最高の時代」
この日のモデレーターを務めたのは楽天証券で代表取締役社長を務める楠雄治氏だ。東京、ニューヨーク、サンフランシスコをつないで実施されたこのセッションは7月21日に実施。東京進出を決めたa16zと、年内に「23時間・週5日」の取引を開始するナスダックのトップが、日本市場の可能性について率直な見方を示した。
セッションの冒頭、楠氏がa16zの東京オフィス開設の狙いについて聞くと、ホロウィッツ氏は3つの目的を挙げた。
「1つ目は、日本の有望なスタートアップへの投資。2つ目は、私たちが持つグローバル展開のノウハウを活用し、日本企業が世界市場へ進出することを支援すること。そして3つ目は、日本政府と協力し、スタートアップエコシステムを発展させる政策づくりに取り組むことです」(ホロウィッツ氏)
すでに日本企業への投資も進めており、AITuber「しずく」を展開するスタートアップ「Shizuku AI」とヒューマノイドロボットスタートアップ「ゲンキロボティクス」を例に、日本独自の文化や技術、ロボティクス分野への期待を語った。
「優秀な人材、ロボット産業の再興、日本の製造技術、そして日本文化の魅力を考えると、日本は非常に有望な投資先だと見ています」(ホロウィッツ氏)
特に大きな可能性を見いだしているのがロボティクスだ。AIモデルや半導体、製造技術の進歩を背景に、「5〜10年後には世界中で何千万台ものロボットが稼働し、各家庭に少なくとも1台のロボットが存在する時代になるでしょう」と予測。高度なロボットサプライチェーンを持つ日本は、「西側諸国にとって信頼できるパートナーであり、大きなチャンスがある」との見方を示した。
一方のフリードマン氏は、ナスダックが証券取引所から「世界の資本市場全体を支える企業」へと進化していると説明。世界135以上の市場や規制当局に取引システムを提供し、日本でも市場インフラなどの分野で連携しているという。
注目を集めたのが、年内に開始予定の「23時間・週5日」の取引だ。「現在も時間外取引はありますが、価格や売買情報の透明性が十分ではありません。ナスダックでは、通常取引と同じインフラを提供します」とフリードマン氏は言う。日本時間では午前9時〜10時を除き、米国株などをリアルタイムで取引できる環境が整えられる。
三木谷氏は「アメリカと日本の最大の違いは、本当の意味でのリスクマネーの存在」だと指摘。日本では黒字企業でなければ上場しにくいことなどが、成長企業の挑戦を阻む要因になっているとし、「リスクを取る日本の大型スタートアップの多くがナスダックへの上場を検討するはずです。日本の金融庁や規制当局を揺さぶって、日本の企業家やスタートアップに優しい環境になることを願っています」と期待を口にした。
最後に、日本の起業家へのメッセージを求められたホロウィッツ氏は、「今は日本で起業するには最高の時代です」と語り、「日本市場だけを狙うべきではありません。世界企業を目指すなら、最初からグローバル市場をターゲットにしてください」と呼びかけた。(猿川佑)