アドマイヤドン(撮影:下野雄規) 2歳王者としてクラシック戦線を歩みながら、古馬になってダート界で頂点に上り詰めたアドマイヤドン。そんな彼は重賞を8勝したが、そのうち7勝がGI。唯一、GI以外の重賞タイトルとなった03年のエルムSを振り返る。
アドマイヤドンは父ティンバーカントリー、母ベガ、母の父トニービンの血統。93年の牝馬二冠を制した母の3番仔であり、99年の日本ダービー馬のアドマイヤベガの半弟という良血馬だった。01年の朝日杯FSでGI初制覇。02年のクラシックでも皐月賞が7着、日本ダービーが6着、菊花賞が4着と健闘したが、その後は再びダートに転じた。同年のJBCクラシックで2つ目のビッグタイトルを手にしたものの、ジャパンCダートで3着、フェブラリーSで11着とまさかの連敗。そこから約7カ月のリフレッシュを経て、復帰戦に選ばれたのが03年のエルムSだった。
単勝2.7倍の1番人気に推された一戦、アドマイヤドンは驚愕のパフォーマンスを見せた。これが初騎乗だった安藤勝己騎手を背に迎え、道中は中団を追走。そして3角からジワッと進出を開始する。直線に向いたところで悠々と先頭に立つと、あとは独走だった。一完歩ごとに後続を突き放し、最後は流しながら大歓声に包まれてゴール。今でもレース史上最大着差となっている9馬身差の圧勝で、高らかに復活をアピールした。
この勝利をきっかけに、アドマイヤドンは再加速した。続く南部杯、JBCクラシックを連勝。翌04年もフェブラリーS、帝王賞を制すると、JBCクラシックでは3連覇の偉業を達成。00年代前半を代表する砂の名馬に上り詰めたのだった。