
「iPS細胞を利用した重度の心不全治療の再生医療製品『リハート』が9月から保険適用されることとなり、その薬価が5320万円に設定されました。それに先立ち5月に保険適用されたパーキンソン病に対する『アムシェプリ』も、iPS細胞をつかった再生医療製品で、価格は約5530万円。今年2月には筋ジストロフィー治療薬『エレビジス点滴静注』の薬価が約3億円となり、国内でもっとも高い薬価を更新したばかりです」(全国紙記者)
超高額治療薬の保険適用が続いている背景を、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが解説する。
「新薬が高額になるのは、研究・開発費用が多額になること、患者数が少ないこと、化学合成して大量生産する一般薬とは違い、オーダーメードの治療薬になることなどが、要因として挙げられています。
ただし、現場の医師からは、それらを考慮しても“高すぎる”と感じる人は少なくありません。創薬ビジネスをリードするアメリカでは、特許期間はメーカーの言い値で価格が決まる側面があり、売る側のパワーが強い。日本では臨床試験の準備段階で、いずれは承認される可能性もある神経難病治療薬『レンメルディ』は、アメリカでは6億円です。日本でもそういったアメリカ流のビジネススタイルが踏襲されていきそうです」(上さん、以下同)
一方、どんなに高額化しても、保険適用されていれば高額療養費制度によって、一般的な収入の家庭では1カ月の医療費が10万円ほどで済むこともあり、患者から「高すぎる」という声はあがりづらい。
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「患者負担以外は全額保険財政でまかなうことになりますが、希少難病の場合は患者が少ないために大きな負担になりません。たとえ5000万円の薬を100人が使っても50億円にしかならず、1兆7千億円ともいわれる高血圧治療の方が圧倒的に多いのです」
今後も増えていくと思われる高額医製品。その効果には期待したところだが、立て続けに承認されているiPS細胞を利用した製品や新薬の効果は、まだ未知数だという。
「2014年、安倍政権主導で導入された『再生医療早期承認制度』では、治験対象者が少数であっても有効性が“推定”されると承認され、最長7年以内に検証試験で確認するという流れ。患者に新薬を早期に届けられますが、仮免許状態での運用となります。
2月に承認されたパーキンソン病治療製品『アムシェプリ』に関しても、『ネイチャー』誌は《臨床試験データの乏しさに研究者は懸念を抱いている》と指摘しています。iPS細胞由来の『リハート』にも、同様の不安を抱いています」
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