大激戦のコンパクトSUV市場に殴り込み! 公道テストでわかった反撃の切り札の本物度 日産 「新型キックス」の走りがマジで気持ち良すぎ!

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2026年08月05日 11:40  週プレNEWS

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日産 キックス 価格:299万9700〜424万8200円 6月18日に発売となった新型キックスの実力は本物か。都内の一般道と高速道路で実際に乗って確かめてみた


日産 キックス 価格:299万9700〜424万8200円 6月18日に発売となった新型キックスの実力は本物か。都内の一般道と高速道路で実際に乗って確かめてみた

日産の新型キックスが話題を呼んでいる。果たしてコンパクトSUVのライバルに対抗できるのか? 実際に公道へ持ち出し、その実力を徹底チェック。さらに開発陣や専門家への取材で見えてきた、新型キックスの本当の実力とは!?

【写真】日産「キックスX e-4ORCE」の細部

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【カローラクロス、ヴェゼルに宣戦布告!!】

6年ぶりのフルモデルチェンジを受け、2代目へと進化した日産のコンパクトSUV・キックス。発売前から注文が殺到し、受注台数は早くも7000台を軽く突破!

「おかげさまで大きな反響をいただいております」

日産の販売店関係者はホクホク顔だ。だが、キックスが挑むのは日産が「軽自動車を除けば日本最大のマーケット」と位置づけるコンパクトSUV市場。

2025年度の市場規模は約52万台という超激戦区。ライバルはトヨタ・カローラクロスやホンダ・ヴェゼル。今回の報道陣向け試乗会で日産はカローラクロス、ヴェゼルの名を挙げ、堂々と宣戦布告してみせた。

もちろん、売れている市場を狙うのはビジネスの鉄則だが、ハンパな商品力ではカローラクロスやヴェゼルには太刀打ちできないのも事実。

では、新型キックスの商品力はどの程度進化したのか。その実力を検証する前に、まずはキックスというモデルがこれまで歩んできた歴史を振り返っておきたい。

自動車ジャーナリストの桃田健史氏はこう解説する。

「2008年から2012年まで販売されていた軽自動車にキックスという名称がありました。それが2016年にグローバル市場でのコンパクトSUVとして登場。日本には2020年から導入されましたが、グローバルでのエントリーモデルとしての商品性が、日本市場ではインパクトとして弱かったんです」

前出の販売店関係者も苦笑いしながらこう振り返る。

「先代キックスは月販300台程度のクルマでしたからね」


試乗車はキックスX e-4ORCE。ボディサイズは全長4365mm×全幅1800mm×全高1610mm。街中でも扱いやすいサイズ感だ

それだけに、新型への期待は大きい。受注好調の理由を桃田氏はこう分析する。

「実寸でも先代よりひと回り大きくなりましたし、アメフトのヘルメットをイメージしたフロントマスクをはじめ、造形物としての存在感が際立っています。インテリアの質感は一気に上がりました」

週プレ自動車班も実際に試乗したが、確かに内外装、走り共にワンクラス上と思わせる完成度。中でも印象に残ったのが走り。とにかく静かで超絶キモティーのである。

「第3世代e−POWERによる静粛性の高さもキックスの大きな強みです。モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機という5つの電動関連ユニットを一体化した『5in1』を採用し、パワーユニット全体の剛性が向上。振動も減り、発生音の低減にもつながっています」


2枚の12.3インチモニターによる統合型ディスプレーを採用し、操作性も良好。室内にはソフト素材を使い、質感も向上


荷室容量は駆動方式で異なる。試乗した四輪駆動車はモーターなどを搭載するため床面を高くしており、容量は340リットル

キックスの開発陣のひとりであり、日産の電動化技術やパワートレイン開発において重要な役割を担っている長嶺守洋氏はこう言う。

「これまでは電動関連ユニットがそれぞれ独立していたため、振動も個別に発生していました。しかし5つのユニットを一体化したことで振動がひとつにまとまった。それが新型キックスの静かさや気持ち良さの理由のひとつです」

実際、走り出してまず驚かされるのは、その静かさ。エンジンが始動しても車内に伝わる音や振動はよく抑えられており、電気ビンビンの滑らかな加速と相まった上質感を味わえる。


広い回転域で高効率燃焼を実現。空力性能の向上や回生協調ブレーキとの相乗効果で、WLTCモード燃費は従来モデル比11〜12%向上

桃田氏は新型キックスの走りをこう分析する。

「最大の特徴は、FF(前輪駆動)の場合、踏ん張り感と軽快さが融合した走りの良さ。また、日産の真骨頂である四輪駆動システム・e−4ORCEではクラスを超えた高い操縦安定性を感じます」

週プレ自動車班はFFも四駆も試乗したが、推しは断然e−4ORCE。旋回中は状況に応じて後輪の駆動力を増やし、さらに内側のタイヤへごくわずかなブレーキをかけることで左右のトルク配分を最適化する。

その真価はコーナーの立ち上がりでよくわかる。ハンドルを切りながらアクセルを踏み込んでも、遅れもズレもない。まるでスポーツカーのように曲がる楽しさをたっぷり味わえる。

ただ、これまでEV・アリア、大型ミニバン・エルグランドのe−4ORCE搭載車も取材してきたが、ここまで気持ちいいとは思わなかった。その理由について、キックスのエンジニアを務める平 諒介氏はこう解説する。

「アリアもエルグランドも2t超です。しかし、新型キックスは1.5tと圧倒的に軽い。日産初の軽量車へのe−4ORCE搭載によりキビキビと自在に曲がれるように仕上げています。それがe−4ORCE搭載車の気持ち良さの理由ではないでしょうか」

これほどの技術力がありながら、なぜCMなどで積極的に訴求しないのだろうか。

日産側はこう話す。

「幅広い層にキックスを周知し、販売店で乗って感じていただきたいのです」

その考え方も理解できる。だが、日産の武器は曖昧なブランドイメージではない。磨き抜いてきた電動技術であり、それを支える技術力だ。その強みをもっと積極的に伝えないともったいない。

ともあれ、この新型キックスは日産反撃の一手となるか。桃田氏はきっぱり言う。

「カローラクロスやヴェゼルとは商品性に多少違いがあるが、居住性、パッケージング、さらに走りで同等、またはそれ以上の出来栄えです。エルグランド登場で刷新感がある日産モデルラインナップの中で、キックスはエントリーSUVとして高いコスパが武器。日産全体での反転攻勢の切り札だと言い切れます」

ライバルは強敵ばかり。しかし、新型キックスはその牙城に真正面から挑めるだけの商品力を備えている。経営再建中の日産は、このクルマでファンを取り戻せるか!?

取材・文・撮影/週プレ自動車班

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