
L'Oréal HPより
ロレアルが2026年1〜6月期の決算を発表した。売上高が前期比5.8%増の237億7610万ユーロ(約4兆3273億円)となり、既存事業ベースでは6.8%増、ITシステム移行に伴う影響を調整したベースでは6.5%増となった。営業利益は同6.8%増の50億6300万ユーロ(約8700億円)、営業利益率は0.2ポイント改善し、過去最高となる21.3%を記録した。純利益(一過性要因除く)は同4.7%増の39億5960万ユーロ(約7206億円)だった。
ニコラ・イエロニムス最高経営責任者(CEO)は「イノベーション戦略の着実な実行と、市場を上回る成長を続けたEコマースが業績をけん引した。数量と製品構成の改善により粗利益率が向上し、ブランド投資を拡大しながら過去最高の営業利益率を達成した。下期についても美容市場の需要は引き続き堅調であり、市場を上回る成長と増収増益を達成できると確信している」とした。
部門別では4事業すべてが増収。プロフェッショナルプロダクツ事業とダーマトロジカルビューティ事業が引き続き高い成長を維持し、リュクス事業も市場を大きく上回る伸びを記録、コンシューマープロダクツ事業も第2四半期にかけて成長がした。
プロフェッショナルプロダクツ事業の既存事業ベース成長率(調整後)は11.6%増だった。売上高は29億2080万ユーロ(約5316億円)。プレミアムヘアケア需要の拡大やオムニチャネル戦略、サロン向けサービス強化が奏功し、数量・単価ともに成長した。営業利益率も23.3%と前年同期から0.9ポイント改善した。
地域別では北米が市場を上回る成長を維持したほか、欧州、新興国、北アジアはいずれも2桁成長を記録。中国やブラジル、中東湾岸諸国(GCC)の好調が業績を押し上げた。カテゴリー別ではプレミアムヘアケアが最大の成長ドライバーとなり、「ケラスターゼ(Kérastase)」の「グロスアブソリュ クリーム」、「レッドケン(Redken)」の「アシディック グロウ フル」、「ロレアル プロフェッショナル(L'Oréal Professional)」の「ケラチン アルファ スリーク」などの新商品が寄与した。ヘアカラーではシャンプー「レッドケン シェーズ オール」やクリームヘアカラー「ディア ライト」の刷新を通じてサロン来店客数の拡大を図ったほか、買収したロンドンのヘアケアブランド「カラーワオ(Color Wow)」の統合も進めている。
コンシューマープロダクツ事業の既存事業ベース成長率(調整後)は4.3%増、売上高は86億4280万ユーロ(約1兆5720億円)となった。第1四半期から第2四半期にかけて成長が加速し、「ロレアル パリ(L’Oréal Paris)」が特に好調だった。営業利益率は22.7%と0.2ポイント改善した。
北米では堅調な市場環境の中で成長を維持し、欧州ではイギリス、アイルランドやイタリア、新興国ではブラジル、インド、ベトナムが伸長。インドでは現地のパーソナルケア企業「イノビスト(Innovist)」の買収により事業基盤をさらに強化する。
カテゴリー別ではヘアケアが2桁成長と最も好調で、シャンプー「ロレアル パリ エルセーヴ コラーゲンリフター」やヘアスプレー「ガルニエ フラクティス ダイヤモンド スリーク」が伸長した。メイクアップでは「ロレアル パリ エクステンショニスト マスカラ」「メイベリン ニューヨーク セラム リップスティック」に加え、「3CE」や「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX Professional Makeup)」(以下、ニックス)が成長をけん引。ニックスはボディケア・フレグランス市場にも参入した。スキンケアでは「リバイタリフト フィラー グラス スキン リキッド クリーム」や「ガルニエ ドライタッチ クリーム」が寄与したほか、スキンケアブランド「ミクサ(Mixa)」「セイヤーズ(Thayers)」が2桁成長を記録。韓国発スキンケアブランド「ドクタージー(Dr.G)」は中国や東南アジアへの展開を進め、グローバル展開を本格化させている。
リュクス事業の売上高は79億9670万ユーロ(約1兆4554億円)だった。北アジア、中国を中心に業績を伸ばしたほか、欧州、北米、新興国でも堅調に推移した。営業利益率は22.1%。
フレグランスカテゴリーは2桁成長を維持し、世界首位のポジションを死守。「プラダ(PRADA)」の新作「プラダ パラダイム」がヒットしたほか、「エンポーリオ アルマーニ(Emporio Armani)」の展開拡大、「イヴ・サンローラン ボーテ(YVES SAINT LAURENT Beauté)」の「リブレ」と「マイセルフ」、「ヴァレンティノ(Valentino)」の「ボーン イン ローマ」などが売上を押し上げた。
スキンケアでは「ヘレナ ルビンスタイン(HELENA RUBINSTEIN)」の「リプラスティ」が好調を維持。買収した英スキンケアブランド「メディケイト(Medik8)」も成長を継続したほか、「ランコム(LANCÔME)」の「アブソリュ ロンジェビティ M.D.」を投入し、長寿・ロンジェビティ市場への取り組みを強化している。
ダーマトロジカルビューティ事業の売上高は42億1580万ユーロ(約7673億円)となった。3四半期連続で成長が加速し、新興国と北アジアがけん引。営業利益率は28.4%と全事業で最も高い水準となった。
サンケアも「セラヴィ サン(CeraVe Sun)」の発売を追い風に好調。「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」、セラヴィ サン、「スキンシューティカルズ(SKINCEUTICALS)」はいずれも2桁成長を記録。ラ ロッシュ ポゼは「シカプラスト」シリーズに加え、「ヒアル B5 サーアクティブ」「UV エア フルイド」などの新商品が貢献した。セラヴィ サンは主力商品と新商品の双方が伸長。スキンシューティカルズは中国を中心に成長した。また、「ヴィシー(VICHY)」は「デルコス」ヘアケアシリーズが世界的に伸びた。
地域別では、SAPMENA-SSA(南アジア太平洋・中東・北アフリカ・サハラ以南アフリカ)が既存事業ベース13.8%増と最も高い成長率を記録。北米は6.7%増、欧州は6.1%増、北アジアは4.6%増となった。
北アジアは、中国市場が回復基調に。高級化粧品市場の回復を背景に、ヘレナ ルビンスタインの「リプラスティ」や、中国の化粧品ブランド「ユーサイ(Yue Sai)」などが伸長した。一方、日本と韓国も成長を維持したものの、日本では訪日客需要の減少が影響した。また北アジアではEコマースが地域売上の50%以上を占め、引き続き力強い成長を続けた。
このほか、2030年までに気候変動基金へ2000万ユーロ(約36億円)を追加拠出することを決定したほか、リフィル製品の利用促進キャンペーン「#JoinTheRefillMovement」を展開。従業員持株制度や「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」の実施など、ESG施策も推進した。
1ユーロ=約182円(2026年8月6日現在)