『ブルーロック』©金城宗幸・ノ村優介/講談社 ©CK WORKS 公開中の映画『ブルーロック』が好評の中、特にキャストのキャラクター再現度や演技に絶賛の声が集まっている。そこで今回は、その中の1人である蜂楽廻(櫻井海音)を深掘りしていく。
累計発行部数6500万部突破の大人気サッカー漫画を実写映画化した本作。全編通して原作へのリスペクトが感じられ、作品として非常に完成度が高いと好評だ。特に主演を務めた高橋文哉をはじめ、キャスト陣へ賞賛の声が多く集まっている。今回は筆者の(3人いる)推しキャラのうちの1人、蜂楽廻(櫻井海音)について解説していく。
■蜂楽廻役に求められる2つの資質
蜂楽廻(ばちら めぐる)といえば、ドリブル&パステクニックを武器に、自由奔放なプレースタイルを持つストライカーだ。特にドリブルは、相手を翻弄する超高度な技にも関わらず、まるでサンバを楽しく踊っているかのようにも見えるリズミカルなもの。
そして、サッカー以外のパーソナリティの部分においては、独特な感性の持ち主でマイペースな性格をしている。特筆すべきは、蜂楽の中には幼い頃からイメージ上の「かいぶつ」がいるということ。この「かいぶつ」の存在が、良くも悪くも蜂楽の覚醒と進化において重要な要素となってくるのだ。
蜂楽を演じることが非常に難しいのは、この高度なサッカー技術×独特のキャラクター性を同時にクリアしないといけないことである。
そんな蜂楽役を射止めたのが、すでに数々のドラマ、映画作品にも出演し、「アオハライド」「【推しの子】」では主演も務めた櫻井海音だ。サッカーは3歳から始め、中学3年生まで「東京ヴェルディ ジュニアユース」に所属していたという経歴の持ち主。キャスト解禁時に櫻井は「これ以上無いほど幸せな役、作品です。ブルーロックの為に、蜂楽廻を演じる為に、サッカーをやってきたんだと今は大袈裟じゃなく思っています」と思いを明かしている。
その後、次々に解禁される予告映像などから確認できる蜂楽の姿には期待が高まるばかりだったが、映画公開後、全編を観ると、そこには期待値をはるかに超えた想像以上の蜂楽がいた。さらに驚きなのが、全てのプレーを代役なしで櫻井がこなしていることだ。
SNS上やレビューサイトでも、「蜂楽が蜂楽すぎて蜂楽!!!!!!」「櫻井海音さんを蜂楽にキャスティングした人天才ですありがとう」「Kくんの凪目当てで行ったら蜂楽に沼って帰ってきました」「蜂楽くんは海音くんにしかできないわ、、、彼が蜂楽くんでほんっとに良かった」「蜂楽無双が実写でも成立したのは櫻井海音パワーでかい」と絶賛の声が並ぶ。
この時代、この役を務める俳優が存在していたことは本当に奇跡的なことだと思う。実はキャスト解禁直後は「本当にこの役をこなせるのだろうか?」と不安があったのだが、今では「世界中でただ1人、蜂楽を演じられるのは櫻井海音だけ」そう思うのである。
■アニメ版“蜂楽廻”との向き合い方
先に述べたサッカー技術と演技力の面で十分ハードルが高い役ではあるが、蜂楽を演じる上でもう一つの難題が、アニメ版“蜂楽廻”との対比である。というのも、海渡翼が声を務めるアニメ版・蜂楽の評価が非常に高く、すでにファンの中で確立された蜂楽像を実写版でどう解釈していくか、とても悩ましかったのではないだろうか。
そんな中で、実写版で生まれた蜂楽は、声の演技、声色などを見ても明らかだが、アニメ版の蜂楽を色濃く踏襲したキャラクターになっている。しかし、ただ真似るだけではなく、櫻井は非常にうまくアニメ版・蜂楽を自身のキャラクターに落とし込み、また新たな“蜂楽像”を生み出しているのだ。
実際、海渡との対談動画で櫻井は、「海渡さんの言い方もめちゃくちゃ研究させていただいて、その上でそれでもこうモノマネにならないようにみたいなところは意識しつつ、そこと自分の表現とナチュラルさみたいなのをうまいこと使ったりとか」「使えるものを全部使って演じてやろうっていう感じでしたね」と明かしている。
櫻井海音(さくらい かいと) と海渡翼(かいと たすく)と、2人とも名前が共に“かいと”であることも、偶然ではなく、創造の神様が巡り合わせた必然なのでは? と思えてしまうくらいだ。
■蜂楽推し視点の見どころ
『ブルーロック』の主題歌がAdoの「モンストロ」に決定したとき、「これは蜂楽の曲なのか?」と思ったものだ。なんせ、「モンストロ」(Monstruo)は、スペイン語でMonster=怪物の意味。思わず踊り出してしまいたくなるラテン調のリズムも、蜂楽のサッカースタイルとよく合う。歌詞を見ても「bravo バチバチ」「(One-on-one) 対峙すりゃわかる IQ の違い」「Wake up, monstruo, 踊り狂え」など、蜂楽を彷彿とさせるワードが並ぶ。
主題歌ではないが、同じくラテン調の音楽がのり、蜂楽が華麗にドリブルを繰り出す終盤のシーンは特に必見だ。本作最大の起点&見せ場といってもいいこの場面は、ぜひ注目してみてほしい(本当に凄い!! そして、めちゃくちゃかっこいい!!!)。
また、蜂楽というキャラクターで忘れてはならないのが、主人公・潔世一(高橋文哉)との関係性。誰よりも早く潔の素質に気づき、その後ずっと強固な信頼関係で結ばれていく潔と蜂楽。そんな2人を演じた高橋と櫻井は、映画プロモーションなどの場でも常に仲の良い姿を見せており、スクリーンの外でも役さながらの関係を築いているようだ。
そんな“潔”高橋と“蜂楽”櫻井の姿を、これからもできるだけ長く見ていたいと願うばかりだ(続編に期待!)。
『ブルーロック』は全国にて公開中。
(りんごあめり)