
「あなたのことを心配している」「あなたのためを思って言っている」。そんな言葉をかけられても、なぜかモヤモヤしたり、傷ついたりした経験はありませんか? 表面上は相手を気遣っているように見えても、実際には批判や攻撃につながっている場合があります。海外では、こうした行為を「Concern trolling(コンサーントローリング)」と呼ぶことがあります。
心配を装って相手を傷つける「コンサーントローリング」
「Concern trolling(コンサーントローリング)」とは、相手を心配しているように振る舞いながら、実際にはその人を批判したり、否定したりするような発言を指す言葉です。たとえば、痩せている相手の体型について「健康が心配」「きちんと食べている?」などと声をかけながら、実際には逆に相手に外見について過度に意識させ、傷つけるケースがあります。
この「コンサーントローリング」は比較的新しい言葉で、ある海外アーティストに関連して注目されました。SNS上では、このアーティストの健康状態や痩せすぎたように見える体型を「心配する」ような投稿が見られました。一方で、本人の身体について憶測で発言したり、他のアーティストと比較したりする投稿が問題だという指摘も出ています。もちろん心から相手の健康を心配している人もいるでしょう。ただ心配の有無にかかわらず、「心配」という言葉をつかえば相手の身体や人生について何を言ってもいいわけではない、という点は意識したいですね。
「これってフレネミー?」日本にも似たケースが
実は日本でも、「心配しているように見えるけれど、なぜかイヤな感じがする」という人間関係は珍しくないようです。ママスタコミュニティには、こんな投稿がありました。
『心配しているふりして、人の不幸を喜んでいるって、フレネミー? 「私はそんなことされたことないよ? あなたはそういうことされて、かわいそう」と言われた』「フレネミー」は俗に、友だちを意味する「friend」と敵を意味する「enemy」を組み合わせた言葉です。友人のように接しているものの、実際には相手を妬んだり、陥れたり、優位に立とうとしたりするような人間関係を指します。
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『性格の悪いマウントって感じがする』言葉だけを見れば「かわいそう」と相手を気遣っているようにも受け取れます。しかし、笑って言っていたり、わざわざ「私はそんなことをされたことがない」と比較したりすれば、単純な心配とは違う印象を受ける人もいるでしょう。
フレネミーとコンサーントローリング、違いは?
この2つは言葉としては似ていますが、あえて言うなら、フレネミーは友人のように接している「人」に、コンサーントローリングは、「心配」「助言」などを装って相手を批判する行為そのものに焦点があります。つまり、フレネミーは「友人のように見えるけれど、実は敵意を持っている人」、コンサーントローリングは「心配しているように見せながら、相手を攻撃する行為」ということなのでしょう。
両者に共通する部分は、表面上の言葉だけでは本当の意図がわかりにくいこと。「心配しているだけ」「あなたのためを思って」と言われると、言われた側は「自分が悪いのかな」と考えてしまうこともあります。しかし、投稿者さんのようにイヤな気持ちになるのであれば、その違和感をムリに打ち消す必要はないのではないでしょうか。
心が弱っているときは、「心配」を無理に受け止めなくてもいい
相手の言葉に悪意があるかどうかを見極めるのは簡単ではありません。本当に心配してくれている可能性もありますし、本人に悪気がなくても、結果的に傷つけてしまうこともあります。だからこそ、相手の「本当の目的」を追い求めるより、自分がどう感じたかを大切にすることも必要なのかもしれません。「この人と話すと、いつも自信をなくす」「心配されるたびにイヤな気持ちになる」と感じるなら、ムリにつき合い続けなくてもいいのでしょう。
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心がすり減っているときには難しいかもしれません。それでも、相手を変えようとするより、自分が傷つかないように距離を置く。そんな選択も、良好な人間関係を保つためには大切なのかもしれません。
文・岡さきの 編集・編集部 イラスト・めい
