
セルジオ越後の「新・サッカー一蹴両断」(40)
サッカー日本代表の森保一監督は、来年1月開幕のアジアカップ終了まで続投することが決まった。その後は大岩剛U-21日本代表監督が後任に就く見通しだ。それを踏まえ、おなじみのご意見番・セルジオ越後氏に、この監督人事の是非と日本代表の行く末を聞いた。
【人選そのものは理解できる】
サッカー日本代表の監督が、来年のアジアカップ終了後に交代する。森保一監督から大岩剛U-21日本代表(五輪代表)監督へ。率直に言って、時間がもったいない。次のワールドカップに向けた強化が半年間遅れるのと同じだからね。
これまで森保監督が3バックでやってきたのに対し、大岩監督が指揮を執ってきたU-21日本代表は4バックと、チームづくりの方向性も違う。いくら日本人同士で情報共有しやすいといっても、チームの中にいるのと外にいるのとでは全然違う。
選手の立場も難しい。9月から11月にかけて6試合の親善試合が予定されていて、さらにアジアカップで決勝まで進めば7試合と、これから森保監督のもと最大13試合を戦うことになる。コーチングスタッフもワールドカップ時と同じになるのかはわからないけど、果たして、辞めることが決まっている監督のもとで高いモチベーションを保てるのか。誰に向かってアピールすればいいのかという話だ。
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大岩監督が率いるU-21日本代表(五輪代表)にとって重要なアジア大会(9月開幕・愛知県など)があることを考慮したといわれているけど、だったら、その後すぐバトンタッチすればいい。半年間も待つ必要はない。それが難しいなら、せめてコーチングスタッフとしてベンチに入れてはどうか。選手も高いモチベーションでアジアカップ優勝を目指せるだろう。4年後のワールドカップに向けて、少しでも準備期間を増やすべきだ。
森保監督の後任に大岩監督という人選そのものは理解できる。鹿島アントラーズの監督時代には、チームに初めてAFCチャンピオンズリーグのタイトルをもたらし、パリ五輪代表ではメダルを逃したものの、世代別代表を率いてアジアではしっかり結果を出した。現在率いるU-21日本代表もここまでは悪くない。
予算の問題で外国人監督の招聘が難しく、日本人しか選択肢がないというなら、個人的には鹿島アントラーズの鬼木達監督を推したいけど、経歴を見れば、大岩監督にも資格はあると思う。
余談だけど、彼とは知人を交えて何度か食事をしたことがあって、僕がシニアディレクターを務めているH.C.栃木日光アイスバックス(アイスホッケー)の試合を観にわざわざ日光まで来てくれたこともある。森保監督とは少しタイプが違うけど、彼もまた穏やかで誠実な人柄だ。
【最初の課題は「海外組との関係」】
今の代表は海外組が大半だから、新しい監督はどんな人なのか、選手たちから品定めされる。そんな彼らになめられないように振る舞えるかが、大岩監督の最初の課題になると思う。そのうえで期待したいのは、次のワールドカップに向けた世代交代だ。
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森保監督が率いたこの8年間の日本代表は、東京五輪世代のメンバーが中心を担ってきた。4年後には多くが30代に入る。しかも、今回のワールドカップを経て、ステップアップ移籍を実現できたのは鈴木彩艶(パルマ→アストン・ヴィラ)くらい。日本の選手のレベルは少しずつ上がっていると思うけど、世界の評価が劇的に変わったわけではないのが現実だ。
ワールドカップ以降、「個の力を上げる」という言葉をよく聞くようになった。それはその通りなんだけど、選手はすでにその重要性を理解して、十分頑張っていると僕は思っている。むしろ単なる選手まかせにならないかと心配だ。これから問われるべきは、協会や監督が選手のために何をできるかじゃないかな。その意味でも、大岩監督には積極的に若手を引き上げてほしい。
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渡辺達也●構成 text by Tatsuya Watanabe![ロナウジーニョが11年ぶりに現役復帰する[写真]=Getty Images](https://news-image.mixi.net/article/138/138_20260821_2195022_001_70x70.jpg)
