
スマートフォンで撮ったペットの写真を1枚送るだけで、“ウチの子”が手のひらサイズのフィギュアになる――。こうした商品を注文する人が増えている。
サービス名は「ちょこんとフィギュア」。DMM.comが運営していて、ペットの写真からAIで3Dデータをつくり、3Dプリンターで造形するというもの。2025年夏に開始すると、口コミなどで反響が広がり、累計制作数は1万体を突破。犬や猫だけでなく、うさぎ、鳥、亀、牛、イグアナなどの注文もあったという。
価格は3480円から。これまでペットのオーダーメイドフィギュアは、職人が一つ一つ手作業でつくるケースが多く、高価になりやすかった。そこで、AIと3Dプリンターを活用し、制作にかかる人件費を抑えた。同社によると、価格は業界平均の約10分の1だという。
このプロジェクトが始まったのは、2024年7月だ。当初は、人物のフィギュア化を検討していた。AIを使えば、誰でも3Dデータをつくれるのではないか――。そんな発想から開発を始めたが、人物では「本人らしさ」を再現する精度と、利用者の満足度を両立させるのが難しかった。
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そこで、開発メンバーから出たのが「ペット領域で挑戦してみてはどうか」という案だった。ペットのオーダーメイドフィギュアには、「高価格・長納期」というハードルがあった。AIを使えば、この壁を取り払えるのではないか。
そう考え、犬や猫だけでなく、さまざまな動物で実験を繰り返した。こうして、「人物」から「ペット」へと開発の方向が変わった。
実際に販売してみると、開発側の想定とは違う使われ方が広がっていた。購入目的の約半数が、亡くなったペットをしのぶためだったのだ。
「亡くなってしまった子がわが家に帰ってくれたようで涙が出ました」。そんな声も届いているという。利用者が求めていたのは、単なる「ペットのフィギュア」ではなく、大切な家族との思い出を形にするものだった。
●1日300件を超える注文
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では、写真1枚からどうやって“ウチの子”を再現しているのか。
まず、AIが写真から3Dモデルを生成する。ただ、すべてをAIに任せているわけではない。専門スタッフが「ちゃんとこの子に見えるか」を確認し、違和感があれば修正する。人が修正を加えるケースは、約1割だという。
顔と全身がはっきり写っている写真ほど、再現しやすい。体とモノが重なっていたり、寝転んでいて全身が分かりにくかったりすると、仕上がりの精度が落ちる。
ちなみに、魚や虫など細かな形が多い生き物は、3Dデータをつくれても、実際にはうまく形にできないことがあるそうだ。
サービス開始直後には1日300件を超える注文が入り、出荷が追いつかないほどだった。その後、生産体制を見直し、現在は1カ月程度(最短2週間)で届けられるようになった。
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「ペットの姿をフィギュアにしたい」のか。それとも「大切な思い出を手元に残したい」のか。どうやらDMM.comが売っていたのは、ペットのフィギュアだけではなかったようだ。
(土肥義則)
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