
検索サイトのAIの回答に感じた疑問をウーバーイーツ配達員視点から解説します
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第165回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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AIを取り入れたサービスが全盛のいま、検索サイトでは疑問形の言葉を入れると、必ず最初にAIによる回答が出てきます。項目や見出し付きの回答は非常に見やすく、読めば多くの疑問が解決されます。
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私も最近、AIに頼ることが多いですが、先日「ウーバー 不満」と入れてAIに回答させたところ、疑問に感じたことがいろいろ出てきまして......。そんなわけで今回は、ウーバーイーツ配達員視点からいろいろ解説していきたいと思います。
まずはGoogleのAIによる回答から。「注文者のよくある不満」「配達員のよくある不満」「一般の方(近隣住民など)のよくある不満」の3項目に分類され、それぞれに対処法が記されています。
まず気になったのは、注文者のよくある不満の「マッチングしない・遅い」の対処法。AIは「注文時に『優先配達(有料)』を選択すると、他への寄り道を防げます」と回答していました。
配達員は指定された配達が優先配達なのかを知ることができないので実情はわかりませんが、配達依頼は基本、運ぶ商品がまったくない状況で「新規配達」として入るか、商品の届け先が近づいたときに「追加配達」として入ります。そのため、追加配達として有料の優先配達が入った場合でも、目の前にある届け先に一度商品を届けてから優先配達の業務に取り掛かることになります。
ただ、目の前の届け先がタワーマンションやオフィスビルなど、建物の前に到着してから配達を終えて外に出るまで10分ほどかかる場所の場合、同じ場所に長時間とどまることとなるので、配達員の現在位置をGPSで確認すると寄り道をしているように見えてしまいます。なので、AI回答を鵜呑みにすると「追加金払って優先配達にしているのに寄り道してるじゃねえか!」と勘違いする方が増えてしまいます。
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対処法としては「時間に余裕がないときはウーバーイーツを使わず、外に出て食事をする」が一番だと思います。
配達員のよくある不満の「理不尽な低評価」の対処法には、店舗の入れ忘れや調理遅延の不満が配達員に向けられることがあり、「丁寧な接客と言葉遣いを徹底し、自己防衛に努めるしかありません」といった回答が記されていますが、個人的にはこれは間違いだと感じています。
たとえ丁寧な接客と言葉遣いをしても怒りは配達員に向くだけです。なので、この場合は「ウーバーイーツの配達員は商品を運ぶことだけに責任を負っているので、商品不足や調理遅延の場合は店にクレームを入れるということをしっかり説明する」が最善策です。もちろん、丁寧に説明してもBAD評価をつけられることは多いですが。
YahooのAIでは「配達員や加盟店への不満」として「アプリから評価・フィードバック」と「ヘルプセンターへの問い合わせ」が対処法として記されています。
アプリから評価・フィードバックについては、手続きとしては正しいと思います。ですが現在、私が執行委員長を務めるウーバーイーツ配達員の組合とウーバーイーツの運営側が争っている中央労働委員会において、運営側が「評価が低いことが理由で配達員に配達を回さないというようなペナルティを課すことはない」ことを書面で提示しています。これが事実だとすると、配達員に不満を言うことはできても、問題解決はできません。配達員にBAD評価をつけてイライラを和らげることはできますが。
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なので「利用する前から不満の起こりやすいシステムだと思っておく」が正解だと思います。
ヘルプセンターへの問い合わせについてですが、基本、ヘルプセンターに位置付けられるチャットサポートは、いくつか用意された定型文の中からAIが選んだものが瞬時に送信されるシステムのようなので、不満に関してはまず解決しません。ただ、根気よくAIとの定型文ラリーをこなし、人間と思われる人とのチャットまでつなぎ、丁寧に説明するとお金が戻ってくることはあるので、解決とまではいきませんがある程度は問題を解消できます。
これらから考えると正解は、「ヘルプセンターに問い合わせた直後のAIと定型文ラリーを我慢してこなせ」となります。
Yahoo!のAIでうまいなと感じたのは「利用時に不満を減らすコツ」に「混雑時間帯(昼・夕食ピーク)は遅延リスクを考慮して余裕を持って注文する」と記されていること。
普通にこの文言を見ると「時間に余裕を持って頼めばいい」と感じますが、そうは書かれていません。つまり、Yahoo!のAIが提示する不満を減らすコツには、「時間」だけでなく「心」にも余裕を持ちましょうという意味が含まれているようです。AIもなかなかやりますね。
日々進化を続けるAI。おそらく、この記事もAIが読み込むでしょうから、皆さんがご覧になる頃には「ウーバー 不満」の回答も進化しているでしょう。ウーバーイーツの運営さん、定型文を送信するだけのサポートのAIも、ぜひ進化させてください!
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明
