「脳のゴミ掃除」を薬で活性化、東大と新潟大がマウスで実証 アルツハイマー病の原因を抑制、海馬の萎縮も阻止

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2026年08月28日 07:11  ITmedia NEWS

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 東京大学と新潟大学などに所属する研究者らが国際学術誌「Molecular Neurodegeneration」で発表した論文「AQP4-dependent enhancement of glymphatic function attenuates tau pathology and neurodegeneration in PS19 mice」は、脳の老廃物排出システムを薬剤で活性化させることで、アルツハイマー病などの原因となる「タウタンパク質」の蓄積を抑制し、病態を改善できるかを検証した研究報告だ。


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 アルツハイマー病をはじめとする「タウオパチー」と呼ばれる疾患では、脳内に「タウ」というタンパク質が異常に蓄積し、それが神経細胞を壊すことで認知機能の低下を引き起こす。現在、認知症の治療薬はいくつか実用化されているものの、アミロイドβを標的としたものが多く、タウタンパク質の蓄積を効果的に抑える治療法はまだ限られている。


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 研究グループが着目したのは、脳内に溜まった老廃物を脳脊髄液の循環によって洗い流す「グリンパティック系」と呼ばれる排出システム。このシステムにおいて、「アストロサイト」という細胞が血管に接する部分に並び、水が実際に通り抜ける穴そのものとして流れを支えているのが「アクアポリン4」(AQP4)というタンパク質だ。


 研究チームが用いたのは、このアクアポリン4の働きを活発にする薬剤(TGN-073)。これによって、脳内から異常なタンパク質を洗い流すことを促す。


 実験では、異常なタウが蓄積するように操作されたマウスを用い、薬剤の効果を検証した。結果は、薬剤を3カ月間投与したところ、脳内の異常タウは海馬で約46%、嗅内野・梨状皮質で約37%減少した。同時に、脳脊髄液中のタウは2倍以上に増加していた。脳内で減った分が液の流れに乗って外へ運び出されたことを示していると考えられる。


 さらに、タウの減少と併せて神経細胞の死滅や海馬の萎縮(海馬の体積は約24%大きく保たれた)が抑えられ、脳内の炎症も改善することが確認された。また、アクアポリン4を持たないマウスではこれらの改善効果が見られなかったことから、同薬剤がアクアポリン4を介して老廃物の排出機能を高めていることが裏付けられた。


 ただし、この投与によって記憶・行動面の改善までは確認できなかった。



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