若い世代は4LDK、50代から「平屋」が多数派に――注文住宅の年代別ニーズ

0

2026年08月28日 11:40  マイナビニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
タウンライフ未来総合研究所は、注文住宅検討者の年代別プロファイルを分析し8月14日に発表した。調査は2025年4月1日 〜 2026年4月15日の期間、約68,728件を対象に行われた。


はじめに、年代構成は30代が30.3%で最多、次いで20代以下23.4%、40代18.5%、50代15.6%、60代以上12.2%となった。20〜30代で全体の過半(53.7%)を占め、注文住宅の検討は一次取得期にあたる若年層が中心である。平均年齢は41.0歳、中央値は38歳であった。



この「30代を中心とした若年層が主役」という構造は、公的統計の裏づけを持つ。国土交通省「住宅市場動向調査」では、初めて住宅を取得する一次取得者は、注文住宅を含むいずれの住宅種類でも「30歳代」が最も多いとされている。同社の検討者データが30代を最多とすることは、この一次取得の実態と符合する。


建設予定地のステータスをみると、土地から探す層(未定・検討中)は20代以下87.1%から60代以上52.7%へと年代とともに低下し、逆に建て替え(現住所と同じ場所に建築)は3.6%から26.6%へと上昇した。



若年層は土地を持たずゼロから探す一方、年配層は既に土地・住宅を所有し建て替えで臨む。あわせて平屋希望率も20代以下20.4%から60代以上62.0%へ連続的に上昇し、50代で過半数を超える。土地を持つ層への移行と、平屋というワンフロア居住志向が、年代とともに並行して強まる。



この二つの変化は、住まいづくりの「前提」が年代で入れ替わることを意味する。若年層にとって注文住宅は「土地を探すところから始める、暮らしの立ち上げ」であり、年配層にとっては「既に所有する土地で、これからの暮らしに合わせて建て替える」営みである。同じ「注文住宅を建てたい」でも、出発点が根本的に異なる。


子どもがいる世帯の割合は30代で81.6%とピークに達し、40代62.6%、50代30.3%、60代以上19.2%へと低下する。これに連動して4LDK以上の間取り希望も20代以下60.6%・30代58.0%から、50代36.4%・60代以上29.6%へと縮小した。部屋数を求める多室ニーズは子育て期の若年層に集中し、子育てを終えた年代はコンパクトな住まいへと関心を移す。年代は世帯のライフステージを映す鏡として、間取りの希望まで規定している。



平屋希望率が年配層で高まることと、多室ニーズが若年層に集中することは、同じコインの裏表である。子育てを終えた世帯は、多くの部屋を必要とせず、階段のないワンフロアで完結する平屋へと向かう。逆に子育て期の世帯は、子ども部屋を含む複数の居室を求め、二階建て・4LDK以上を選ぶ。ライフステージの進行が、住まいの「広さ」と「形」の希望を同時に動かしていることがわかった。



同社の検討者の平均年齢(41.0歳)は、実際に住宅ローンを組む段階の統計と比べると、やや若い。住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」によると、フラット35利用者の平均年齢は44.3歳で、前年度から1.5歳上昇し、近年は上昇傾向が続いている。同社の検討者データがこれより若く出るのは自然な結果である。住まいの検討を始めてから、土地を決め、プランを固め、ローンを実行するまでには相応の時間がかかるため、「検討段階」の年齢は「取得実行段階」の年齢より若くなる。同社データは、まさにこの検討の入口をとらえている。



一方で、前述のとおり国土交通省「住宅市場動向調査」では一次取得者の中心は「30歳代」とされ、当社の30代最多という構成と一致する。すなわち、同社データは「検討の入口は30代が中心で平均41歳、そこから数年をかけて取得実行(平均44歳前後)へと至る」という住宅取得のタイムラインの、最も早い段階を可視化していると位置づけられる。事業者にとっては、この「検討開始から取得までのリードタイム」を前提に、若い検討者と早期に接点を持つことの重要性を示す結果となった。



年代によって、土地探しや間取り、平屋へのニーズには大きな違いがあるようだ。注文住宅を建てるなら、現在の家族構成だけでなく、10年、20年先の暮らしも想像しておきたい。(安藤美耶)

    前日のランキングへ

    ニュース設定