「一度に大金を使わせない」フォロワー130万、お店で18か月連続1位のるるたんが明かす、顧客を長持ちさせる“逆転思考”

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2026年08月29日 16:01  日刊SPA!

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都内某所、初顔合わせながら90分にわたり深く濃いトークを交わした橘氏とるるたん
デリヘル、同人AV、写真集、撮影会、ストリップ……自らの「エロス資本」を最大化し、SNSの総フォロワー130万人を数えるアダルトインフルエンサーとして活躍する、るるたん。「欲望マーケッター」として注目される彼女が、鈴木おさむ氏との共著『るるたん・おさむの欲望のKPI』(扶桑社新書)を上梓した。『週刊SPA!』で連載「エロス資本論」を開始した作家・橘玲氏が、るるたんと対談。エロス資本への目覚めや、収益最大化のためのマーケティング手法に迫った。
◆ある日突然、世界が変わる

橘玲(以下、橘):2011年にイギリスの女性社会学者キャサリン・ハキムが『エロティック・キャピタル』という本で、「性的魅力は若い女性にとって、経済的な価値がある資本(キャピタル)である」と指摘しました。私はエロティック・キャピタルを「エロス資本」と呼んでいますが、フェミニストの中には「性愛のマネタイズ」という考え方に反発する人もいます。それに対してハキムは、「自分が持っている資本をどう活用するかは個人の自由なのだから、“純愛”の名のもとにセックスを無料で男に提供すべきだというロマンティックラブ・イデオロギーこそが性差別だ」と反論しています。私がエロス資本に興味があるのは、その前提がないと、パパ活やギャラ飲みなど、現代の日本社会で起きている奇妙な現象をまったく説明できないからです。

るるたん:興味深いお話ですね。

橘:すべての女性は、どこかの時点で自分のエロス資本に気づくと思うんです。るるたんの場合、それはいつ頃でしたか。

るるたん:私は、セックスという概念を知ったのが、たぶん小学校の卒業直前くらいで、比較的遅かったと思います。だから小学生の頃は、エロス資本があるなんて認識はありませんでした。そういうことを意識するようになったのは、中学1年生の頃です。部活のみんなで電車に乗っていたとき、向かいに座っていたジャージ姿の男性が、私たちを見ながら自慰行為をしていたことがあったんです。

橘:それはショッキングですね。

るるたん:私たちはそのとき、自慰行為を見たことがなかったので、それが何なのか分からなかった。でも、何かいけないことをしているということだけは分かりました。赤いジャージに何かがジュワーッと染み出してくる様子を、今でも鮮明に覚えています。

 さらに、中学生にもなると、男子の性欲が盛んになってくるので、必ずしも好きでなくても、エッチをしたいという理由で女の子に告白することがある。そういった経験を通して、少しずつセックスというものに価値があることに気づいていったんだと思います。

橘:ハキムの本に、ノーマ・ジーンという孤児の女の子が、ある日突然、街の人たちが自分を見て微笑みかけてくれることに気づくという話が出てきます。それまで誰からも注目されなかった女の子が、ある日突然、自分には人を惹きつけるものがあると知って世界が変わる。彼女はそこから芸能の世界を目指し、マリリン・モンローになっていくわけですが、男の場合、そういう体験ってほとんどないですよね。

るるたん:そうかもしれません。私は中学生のとき、「胸が大きい」ということが話題になったのが印象に残っています。それまで自分の胸なんて気にしていなかったのに、男の子たちが「あいつ、おっぱい大きいよな」と言い出し、巨乳に価値があるんだと初めて思いました。

◆死のうと思って風俗の世界へ

橘:自分が持つエロス資本に気付いたわけですね。風俗の仕事をするようになる前は、何をしていたんですか。

るるたん:高校を出て大学の法学部に進学しました。法律が面白いと思って、六法全書を誕生日プレゼントにもらうくらい張り切っていました。でも、実際に勉強してみると、現実はちょっと違いました。刑法にしても、結局は判例の積み重ねで決まっていくので、その妥当性自体をあまり検討できない。それで3年生のときに、お金が好きだから知的財産をやろうと決めました。知財なら日本はアメリカなどに比べて遅れているから、お金になるかもしれないと思ったんです。

橘:卒業はしたんですか。

るるたん:はい、8年かかりましたが(笑)。途中で、風俗にハマってしまったんです。

橘:それはホストですか、それとも働くほうですか。

るるたん:働くほうです。いろいろあって、「もう生きていてもしょうがない。親にこれまで負担してもらった2000万円を返して死のう」と思い、新橋のデリヘルで働き始めたんです。

橘:自殺する前に親にお金を返そうという発想は、ちょっと変わっていますね。女子大生が最短で2000万円を貯める方法として風俗を選ぶのはわかるんですが、キャバクラやヘルスなどいろいろあるなかで、なぜデリヘルだったんですか。

るるたん:たまたま求人広告で見つけたからです。自分の容姿に自信があったら、キャバクラに行っていたかもしれません。でも、当時は死にたいくらいの状態だったので、可愛いドレスを着てキラキラしたいという欲もなかった。世間的には「落ちた場所」とされているけれど、稼げるという理由で風俗を選びました。

新橋で働いていた頃は、とにかく自分にリピートがつくことが嬉しかった。私はもともと承認欲求が強くて、「愛されたい」という思いを満たすために働いていたような気がします。

橘:愛されることで、死への欲求が徐々に薄まっていった。風俗の仕事に出会えてよかったですね。

るるたん:でも、新橋のお店がコロナの影響でなくなってしまって、新宿のお店に移ることになりました。新橋のお店は、どちらかというと大学生が副業として働いていたり、シングルマザーの方が生活費の足しにしていたりするようなお店でした。ところが新宿に行くと、全然違いました。とにかく「お金を稼ぐ」という意識が強い女の子が多くて。立ちんぼもやる、パパ活もやる、風俗もやるという感じでした。

そして、新宿の女の子たちの接客のレベルはとにかく高い。本指名ランキングに入れないと、あまり稼げないからです。で、当時の私には、そのランキングが「愛されランキング」に見えたんですね。「このランキングに載っている子は、こんなにたくさんの人から愛されているんだ」と捉え、私もそこに入りたいと思うようになった。この「愛されたい」という感情が、「どうすれば人に選ばれるのか」というビジネス的な思考に切り替わっていったような気がします。

◆ラスベガスのギャンブル産業のマーケティング手法を実践

橘:風俗の仕事を「男の欲望の収益化」という視点から、るるたんさんは徹底してビジネスとして分析していることに驚きました。逆にいえば、「自分のエロス資本の最大化」ということになりますよね。

るるたん:そうかもしれません。大前提として、風俗で稼ぐには寿命があると私は思っていて。年を取れば稼ぎづらくなるし、それにお店に100人のお客様がいたら、その100人が一周して誰にも刺さらなかったら終わりで、そうなったら店を替えるしかないという世界です。その状況を回避するために考えたのが、お客様に消費していただくスピードを遅くすることと、自分の年齢以上の付加価値をつけることでした。その一環として店舗外からもお客様を引っ張ってこようと考え、SNSを始めたんです。

橘:最初からかなりマーケティング的な発想ですね。

るるたん:お客様に1回で大きなお金を使わせるより、長く来てもらうことを大事にしたんです。るるたんという存在がハマるお客様は、人数に限りがあります。その人たちに、まず知ってもらう。その認知してもらう作業がSNSで、ひとつのコップにお客様を貯めていくイメージです。お客様は、いつまでも続くわけじゃない。だから、ひとつしかないコップからどんどん使っちゃうと、すぐに空っぽになって、るるたんの寿命も尽きる。でも、なるべく少ない人数をゆっくり回していれば、その寿命が伸びていきます。

橘:いまの話から連想したのは、ラスベガスのギャンブル産業です。カジノの目的は、じつは客に有り金すべてを使わせることではない。破産してしまえば、二度とカジノに来てもらえないわけですから。そこで今のギャンブル産業が取り組んでいるのは、「プレイヤーが一生のうち、自分たちのカジノでいくらお金を失うか」を予想し、その「予想最大価値」を最大化することです。40歳のサラリーマンに全財産の500万円を使わせるのではなく、1年間に50万円ずつ、40年かけて2000万円の利益を実現したほうがいい。だから最近のギャンブルマシンは、依存しすぎないように微妙に調整されている。いわばギャンブル版のSDGs(持続可能な開発目標)です。

るるたん:歌舞伎町でラスベガスの手法を取り入れていたんですね(笑)。でも、当時はマーケティングなんて全然意識していませんでした。

◆投稿ではなく、数字が伸びることが楽しい

橘:SNSは、Twitter(現X)から始めたんですか。

るるたん:はい。Xを始めたら、今まで店の中だけだった競争相手が、A店の○○ちゃん、B店の○○ちゃんと一気に増えた。そこで初めて「まだ上がいる」と視座が広がりました。そこから、どうしたらSNSでお客様を取れるか、数字を伸ばせるかということにハマっていきました。それでSNSで多くのお客様を集められるようになってからは、お店に対して「自分がやっていることはポータルサイトに広告を打つのと同じ役割なので、バック率を上げてもらえませんか」と交渉するなどして、少しずつ単価が上がっていきましたね。

橘:それまでは、SNSをやってなかったんですか。

るるたん:やっていませんでした。でも、今振り返ると、もともとSNSが好きではなかったから、仕事で成果を出せた気がします。SNSが好きな人は投稿するのが日常になっているので、公私の区別がつかずに余計なことまで言いがちですよね。私には「投稿すること自体が楽しい」という感覚がなかったので、無駄な発言をしなくて済みました。

橘:世代的には、小学生の頃からSNSをやっていてもおかしくないですよね。完全にビジネス目的だから、うまく使いこなせるようになったというのは面白いですね。

るるたん:でも、数字が伸びるとか、分析が当たるとか、そういうことはものすごく楽しいです。

橘:もともと、数字を伸ばすのが好きだったんですか。

るるたん:そうですね。通知表も嬉しかったし、模試のランキングも大好きでした。中高まではそういう明確な評価基準があったのですが、大学に入ると、評価基準が急に変わる。そこで見つけたのが、風俗で稼ぐお金だったんだと思います。お金は、頑張ったことに対する明確な評価になりますから。私は、お金をあまり使いません。1億円をあげると言われても、正直そんなに欲しくない。でも、1億円を稼ぐことはやってみたかった。その数字を達成すること自体に、興味があったんです。

橘:市場経済は、お金という数字によって明快にランキングしてくれますからね。それに加えてSNSは、評判というこれまで目に見えなかったものを、フォロワーや「いいね!」の数として可視化した。これはものすごいイノベーションだと思います。

るるたん:そうですね。それまで風俗店のサイトにある「写メ日記」で予約をとっていたのですが、「XのDMで予約を取るので通知をオンにしてね」と既存のお客様をXへ誘導しました。そうすると、私がただの自撮りを上げただけでも、みんな通知によって見に来て、「いいね」を押してくれる。その結果、投稿への反応、つまりエンゲージメント率が上がるんです。Xって、反応の高いアカウントを優遇するので、そこから、外の人にもどんどん広がっていき、フォロワーが1万人へと一気に増えていきました。

橘:そうしてTikTokやInstagramでもフォロワーを増やし、インフルエンサーになっていったわけですね。

橘玲
作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。編集者を経て、2002年に国際金融小説『マネーロンダリング』で作家デビュー。同年刊行の『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』がベストセラーとなり、以後、金融、投資、社会制度、人生設計などをテーマに幅広く執筆活動。近著に『プアジャパン――インフレ世界を生き抜く資本戦略』。

るるたん
SNSの総フォロワー130万人(2026年8月時点)を数える人気インフルエンサー。19歳で新橋にて風俗デビュー。マーケティング思考を武器に絶大な集客力を誇り、デリス新宿では18か月連続ナンバーワンを達成。23歳で同人AVに転身し、トップの座に上り詰める。写真集の刊行、撮影会の主催、浅草ロック座では主演を務めるなど多方面で活躍している。共著に『るるたん・おさむの欲望のKPI』(扶桑社新書)

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