
8月29日(土)の放送では、先週に引き続きモルツウェル株式会社 代表取締役の野津積(のつ・つもる)さんをゲストにお招きして、高齢者の暮らしを支える取り組みや、地域物流を守る仕組みについて話を伺いました。
(左から)パーソナリティの小堺翔太、モルツウェル株式会社 代表取締役 野津積さん、アシスタントの板花とーや(エフエム山陰)
◆高齢者の暮らしを支える「ごようきき三河屋」
島根県松江市に本社を置くモルツウェル株式会社は、高齢者の「食」にまつわる事業を一貫して手がけています。高齢者施設向けの食材の企画・製造・販売から給食、在宅向け配食、厨房コンサルティングまで幅広く展開し、「食×デジタル」で高齢化社会を支えています。
そのなかで、在宅の高齢者に食事を届けるサービスが「ごようきき三河屋」です。主な対象は一人暮らしの高齢者で、朝・昼・夕の食事を届けるとともに、安否確認もおこないます。
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そこで「ごようきき三河屋」では、配食に加えて買い物代行やシェア物流にも取り組んでいます。弁当と一緒にAmazonの荷物を届けたり、クリーニングの集配をおこなったりするほか、電球替え、灯油運びなど、暮らしのさまざまな困りごとにも対応しています。
この取り組みの背景には、2011年の東日本大震災があります。野津さんは震災翌日、トラック2台をチャーターして東北へ入り、約2週間、14か所ほどの孤立した介護施設を中心に食材の救援活動をおこないました。被害にあった陸前高田の街を目にし、「島根も時間軸が違うだけで、同じように疲弊をしている」と考えるようになりました。
故郷を守るためにできることは何か。その問いから、地域の物流を維持する取り組みが始まります。まずはNPOに参加し、地元のスーパーや小売店など20数社の協力を得て、共同受注・共同宅配による買物弱者支援事業をスタート。食事を届けるだけではなく、買い物が難しい高齢者を支え、地域の暮らしに欠かせない物流そのものを守る仕組みを築いてきました。
◆テクノロジーと地域の力で物流を変える
モルツウェルでは、テクノロジーを活用した取り組みも進めています。その1つが、高齢者向けの弁当をドローンで届ける計画です。約3〜4年前からサンフランシスコのスタートアップ企業と検討を始め、松江市内約2,000件への配達を試算。ドローン70機ほどが必要になる一方、1フライト約1,200円かかるということで、弁当1個700円を上回る配送費が課題となりました。現在はソフトバンクなどとも共同で計画を進めています。
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その鍵となるのが、地域に住む人たちの力です。公民館などにドローンで弁当を届けても、「誰が最後に持っていくのか」という課題が残ります。そこで近所の人に配送を依頼し、ラストワンマイルを担ってもらう仕組みを想定しています。高齢者から「ありがとう」と感謝されることが、地域の人にとって「誰かの役に立っている」というやりがいにもつながります。
野津さんは、こうした仕組みを全国へ広げることも目指しています。「日本全国、(人手が)足りていないんですよ。1年でも2年でもいいので、皆さんが自分の故郷で少しでも長く生活できるようにしたい」と、地域で暮らし続けられる環境づくりへの思いを語ります。
事業拡大に向けて、2027年4月には松江市黒流町に第二工場を開設予定です。現在の工場の約2倍の規模となり、今後2年半ほどで120〜130人を採用する計画です。野津さんは「やりたいことをやれる会社でありたい」としながらも、「地道にコツコツとやっていく人も当然必要」と、幅広い仲間を求めています。
野津さんが見据えるのは、「諦めなくて済む世界」です。地方には様々な課題が存在しますが、野津さんは「とにかくその“諦める”という行為を駆逐したい」と力強く語り、「未来は明るくなれると信じて進んでいきたい」と力を込めました。
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音声版「となりのカイシャに聞いてみた!」
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<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
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