冷却グッズ市場の現状や人気製品についてサンコーに聞いた 近年の猛暑に加え、スマートフォン(スマホ)やゲーム機、PCの高性能化が進んだことで、デジタル機器の発熱問題が大きな注目を集めている。夏場にスマホが突然シャットダウンしたり、ゲーム中に処理が重くなったりした経験を持つ人も少なくないだろう。そこで、ユニークなアイデア家電を数多く展開するサンコーのコミュニケーションデザイン部 広報・ECマーケティング課の四宮美波課長に、冷却グッズ市場の現状や人気製品、冷却対策の重要性について話を聞いた。(BCN・佐相 彰彦)
その他の画像はこちら●なぜ今、デジタル機器の冷却対策が注目されているのか
(以下、敬称略) 当社の冷却グッズは、大きく「人向けの暑さ対策製品」と「デジタル機器向け製品」の二つに分かれています。「人向け」では、ペルチェ素子を活用した「ネッククーラー」が代表商品です。シリーズ累計販売台数は140万台を超えており、当社を代表するロングセラー商品になっています。また、「冷蔵服シリーズ」も非常に好評で、今年で5代目を迎えました。
デジタル機器向けでは、Nintendo Switch 2向け冷却ファンやスマホ向け冷却グッズが主力です。特にゲーム機向け製品は発売から好評で、多くのお客様に支持されています。
●スマホもゲーム機も熱との戦い
猛暑の常態化によって冷却グッズ市場全体の需要は確実に伸びています。ただ、その一方で市場には類似商品も増えており、競争は激しくなっています。前年と比べると今年は梅雨時期の気候の影響もあり、販売の立ち上がりはやや落ち着いていましたが、需要そのものは高い状態が続いています。特に注目しているのがデジタル機器向けの冷却グッズです。スマホやゲーム機の高性能化によって、発熱への関心が年々高まっています。
スマホ向けでは、車載用や自転車向け製品が好調です。車内でナビとして利用したり、配達業務でスマホを長時間使用したりする方から多くの支持をいただいています。またゲーム機向けの冷却ファンは、ゲーマーの方が季節を問わずプレーするため、夏だけの需要にとどまらないのが特徴です。
スマホの場合、最も大きな問題はバッテリーの劣化です。端末が熱を持つ状態が続くと、バッテリー寿命が短くなり、充電の持ちも悪くなります。また、保護機能によってアプリが強制終了したり、本体がシャットダウンしたりするケースもあります。外出先や仕事中だと非常に困りますよね。
ゲーム機では、処理性能の低下によるカクつきや、場合によっては電源が落ちてしまうこともあります。特にオンラインゲームや負荷の高いタイトルをプレーする方にとっては大きなストレスになります。
代表的なのは夏の車内です。エアコンが効いていても、スマホをダッシュボード付近に設置してナビを使うと、直射日光と通信負荷が重なって非常に熱くなります。また、自転車によるデリバリーなどの屋外利用も発熱しやすい環境です。直射日光を浴びながら通信を続けるため、スマホへの負荷はかなり大きくなります。
さらに最近ではAI PCなど、高性能機器の利用が増えており、PC向け冷却需要も高まっています。
●冷却グッズ市場のこれから
まず重要なのは利用シーンに合った固定方法を選ぶことです。自宅での利用であればマグネット式が便利ですが、自転車や車など振動のある環境ではしっかり固定できるホールドタイプが安心です。
また、冷却方式にも違いがあります。強力に冷やしたいのであればペルチェ式がおすすめです。一方で、消費電力を抑えたい場合はファンによる排熱タイプが使いやすいでしょう。さらに、意外と知られていませんが、保冷剤などをスマホに直接当てるのは避けてください。急激に冷やすことで結露が発生し、故障の原因になる可能性があります。専用の冷却グッズを活用することが大切です。
今後は高性能デバイス向けの冷却市場がさらに伸びると考えています。スマホやゲーム機に加え、AI PCなど、処理能力の高い機器が増えています。性能を維持するためにも冷却対策は必要不可欠になっていくでしょう。また、モバイルバッテリーの安全性に対する関心も高まっています。当社ではリン酸鉄モバイルバッテリーを展開していますが、従来製品以上の反響をいただいています。将来的にはモバイルバッテリー自体を冷却する製品にも可能性を感じています。
一つは高効率ペルチェ技術です。現在のペルチェ式は冷却能力が高い反面、消費電力が大きいという課題があります。今後、省エネで長時間使える技術が実現すれば、屋外利用の利便性はさらに高まるでしょう。もう一つは温度検知による自動制御です。機器の温度を検知して必要な時だけ出力を上げる仕組みが実現すれば、より効率的でスマートな冷却が可能になると考えています。